マーケットレポート

マーケットの視点

海外情勢が頭を押さえるが、日本株市場は「東京五輪」の決定や4~6月期GDPの上方修正などで上げ潮ムード強まる

・先週は、シリア情勢に関して米国議会での承認が9日となることで緊張がやや和らいだことに加え、米国の「8月のISM景気指数」が製造業、非製造業ともに市場予想を上回る好調な数字だったことなどを受けて長期金利が強含み、為替が5日にかけてほぼ1カ月半ぶりに100円/米ドル台に乗せる円安に傾いたことで、日経平均株価は2~5日まで4連騰、4日終値は8月14日以来の1万4000円台を回復したが、6日は4連騰の反動に加え、幾つか慎重にならざるを得ない状況が発生したことで前日比“204.01円安”となり週末の終値は「1万3860円81銭」と1万4000円割れで終えた。4連騰の貯金で前週末比では“471.95円高”と2週間ぶりの上昇となった。東証1部の出来高は、3~6日と4日連続で20億株を上回ったものの、売買代金は8月15日以降、20営業日連続で2兆円割れのエネルギー不足が続いた。

・先週末に慎重にならざるを得なかった要因は以下の3点。まず、サンクトペテルブルグG20でシリアへの軍事介入を巡って米国対露・中の対立構図が明らかになり、ドイツのメルケル首相も軍事介入に慎重姿勢を示すなど、表面上、米国が空回りしているような姿に見えたことが不安を誘った。次に米国経済指標に関して、ISM景気指数は好調な結果だったが、6日発表の「8月の雇用統計」の内容を見るまでは確証が持てない。3つ目が、オリンピック開催地決定に関して、優勢が伝えられていた「東京」に対して「マドリード」が急速に追い上げ、スペイン紙には“過半の51票を確保した”というニュースが流れたり、イギリスのブックメーカー(賭け)でもマドリードが東京に急接近していることが伝えられたり、日本のマスコミ報道の中でも獲得票分析で「マドリード」優位というコメントを流すなど、一転して慎重にならざるを得ない状況となったことも、先週末に買い意欲を削いだ格好となった。

・しかし、7日早朝の5時20分頃に、アルゼンチン・ブエノスアイレスでロゲIOC会長が手渡された封筒を開け「トーキョー」と読み上げながら「TOKYO 2020」と書かれた結果を披露、2020年の『東京五輪』の決定が宣言された。結果的には1回目の投票で東京42票、イスタンブールとマドリードが26票で並び、2位決戦でイスタンブール49票、マドリード45票とマドリードがまず脱落、最終決戦の結果は東京60票、イスタンブール36票と東京の圧勝に終わった。東京開催への唯一の懸念材料であった福島原発の放射能問題に対して、安倍首相がG20を中座してブエノスアイレスに乗り込みスピーチを行い、質問に対しても具体的な数字を交えて明解に答えたことで懸念材料を完全払拭したことが“東京大勝利”に大きく貢献したように思える。衆院大勝利、アベノミクス、参院大勝利、そして東京大勝利と、まさに安倍首相が巻き起こす日本の上げ潮ムードを再び印象付けた今回の結果である。1959年に最初の東京五輪が決定された時の首相は安倍首相の祖父である岸信介である。岸首相は60年安保問題で退陣に追い込まれはしたが、東京五輪に向けて急ピッチなインフラ整備が進み64年にアジア初のオリンピックが開催され、「昭和40年不況」を経た後、昭和40年代の佐藤栄作首相の戦後最長かつ歴代2位の長期政権、高度経済成長第二期へと繋がって行った。

・今週は、まず、2020年の東京五輪開催の祝賀ムードで関連銘柄の株価上昇が期待される。東京都の試算では東京五輪の経済効果は3兆円とされているが、日本全体の実質GDPに対しては0.5%程度だが、建設・不動産、観光など特定のセクターへの恩恵は小さくはない。自民党の「国土強靭化計画」を支持することにもなり、1300億円をかけて「新国立競技場」を建設するなど新たな競技施設を建設する計画もあり、実績の高い大成建設などのゼネコンや、世界的に“東京”が再注目されることで東京の地価上昇やオフィス賃料上昇もあり得、三菱地所など大手不動産などへの注目が集まりそうだ。また、東京五輪開催を契機に海外からの観光客を一層、呼び込んで東京、京都のみならず地方活性化をも促す施策も考えられる。旅行、ホテル、飲食など観光セクターも盛り上がると同時に、日本全体の経済活性化を後押しする効果も期待されそうだ。世界株市場としては、シリア情勢を睨む展開が続くことと、6日に発表された米国の「8月の雇用統計」の非農業部門雇用者数が16.9万人と市場予想の18万人を下回り6、7月分も下方修正されたことで、17~18日の米FOMCまで様子見が続く、精彩を欠いたマーケット展開となりそうなことが、日本株市場の頭を押さえることにもなりそうだが、根本的には、日本株市場に対しては先行きの大幅上昇を期待し強気の姿勢で臨むべきだろうと考える。

(中島)

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