マーケットレポート

マーケットの視点

シリア情勢の好転、米FRB議長候補サマーズ氏の辞退で世界同時株高の様相、円高気味の中、グローバル関連に注目

・先週末の3連休は台風18号が日本を直撃し大雨・強風が随所に被害をもたらしたが、世界株市場は全般的に雲が晴れ渡ったような展開となっている。日本は8日早朝に「東京五輪・2020年開催」が決定し日本全国がお祭り騒ぎとなり、9日発表の「13年4~6月期・実質GDP」は速報値の2.6%増(前期比年率)を大幅に上回る3.8%増と力強い回復ぶりを示すと同時に、懸案だった14年4月の消費税率引き上げを確実なものにしたことで、日経平均株価は9日“344.42円高”、10日“218.13円高”と2日続けて急騰、11日以降は小幅な上げ下げとなったが、週間では前週末比“543.86円高”、先々週の“471.95円高”と合わせて9月に入ってからの2週間で“1051.81円高”と急速に値を戻し「1万4404円67銭」で終えた。NYダウも、9日に2週間ぶりに1万5000ドル台を回復、11日までの3日間で“140.62、127.94、135.54ドル高”の上昇を記録、先週1週間では“453.56ドル高”となり先週末は「1万5376ドル06セント」と8月2日の史上最高値までにあと“282.30ドル”の水準まで戻した。一方、NASDAQは9、10日と2日連続で年初来高値を更新、欧州株市場でも独DAXが11日まで6営業日連騰し先週末は「8509.42ポイント」と5月22日の史上最高値までにあと“21.47ポイント”の水準まで迫った。

・欧米株市場が上昇に転じたのは、欧州、中国経済に底入れの兆しが出ていることに加え、シリア情勢が一気に好転の方向に向かいつつあるためだ。まず、ユーロ圏の「製造業PMI指数」は7月が50.1と11年7月以来、実に2年ぶりに50を上回り、8月22日に発表された8月の結果も「51.3」と4カ月連続で前月比上昇となり、欧州経済の底入れ感が台頭している。そして、中国に関しても、2日発表の「8月のPMI指数(製造業購買担当者指数)」が市場予想50.6、7月50.3を上回る「51.0」となったのに続き、8日に発表された「8月の貿易収支」も「輸出7.2%増、輸入7.0%増、貿易収支286億ドルの黒字」と、市場予想の「輸出6.0%増、輸入11.3%増、貿易収支200億ドルの黒字」に対して良好な結果となり、中国経済の減速傾向に歯止めがかかることへの期待が高まっている。世界経済の重石になりつつあった欧州、中国経済に回復の兆しが現れ始めたことのインパクトは大きい。

・更に、シリア情勢に関して、G20サミットの場でオバマ大統領の軍事介入の呼びかけに対して否定的なムードが強かったことで米国攻撃に対する緊張感が弱まったところへ、9日にロシアのラブロフ外相が「アサド政権に化学兵器を国際監視下に引き渡した上で放棄するように提案した」との声明を発表、米議会上院もシリア攻撃に関する9日の決議を先送りした。12~13日にジュネーブでケリー国務長官とラブロフ外相がシリアの化学兵器の国際管理に関する協議を行ったが結論が出ず、14日に「14年前半までに全ての化学兵器を廃棄させる」枠組みで合意に達し、米国はシリアへの軍事介入を見送ることにしたことから非常事態が回避されることになり、世界株市場には一層、安心感が広がることになる。今回のシリア問題に関しては、結果的にオバマ大統領が振り上げた拳をすごすごと降ろすことになり、オバマ政権の威信低下を指摘する見方が多いが、オバマ大統領が強硬に軍事介入を迫ったことをきっかけにロシアも本気で乗り出し平和解決への道が開けたことで、大きな成果に結び付いたとも評価出来よう。

・今週は、17~18日の米FOMCが最大の焦点となり、17日の国連総会、週末の独議会選挙も注目される。6日発表の雇用統計が予想外に弱かったことに加え、14年1月末に任期切れとなるバーナンキ議長の後任として有力視されていた量的緩和策に否定的なサマーズ氏が辞退しイエレン副議長が次期議長となる可能性が高まったことで、“緩和寄り”の金融政策が継続するとの見方が強まり、米債券市場が持ち直し長期金利が低下することでドル安・円高に振れることになりそうだ。一方、安倍首相は10月上旬に消費増税の決断を表明することになるが、その際、マイナス影響を緩和させるために法人税率を引き下げて企業収益を押し上げ成長重視の方向性を強く打ち出す模様だ。週明けの16日の欧米株市場はNNダウが前週末比“118.72ドル高”、独DAXは同“103.58ポイント高”の「8613ポイント」と4カ月ぶりに史上最高値を更新、アジア株市場を中心に新興国市場を含め世界同時株高の様相となり、今週の日本株市場も高く始まりそうだが、円高が多少のブレーキになりかねない。しかし、世界株高が続き円高が一定のレベルで止まれば、日経平均株価が一気に1万5000円を突破することもあり得よう。トヨタを中心にグローバル関連銘柄の株価動向に注目したい。日本株市場全体が盛り上がる中で先週のようにグローバル関連がもたつくようであれば、先回り買いとして狙って行きたいところと考える。

(中島)

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