マーケットレポート

マーケットの視点

米国リスクの台頭、為替が円高気味の推移で低調な株価続きそうだが、むしろグローバル関連への投資チャンスと考えたい

・9月の世界株市場は、半ば過ぎまでは好調な戻り歩調を辿ったが、19日以降は膠着展開に陥ってしまった。NYダウは、18日に「1万5676ドル94セント」と8月2日以来、1カ月半ぶりに史上最高値を更新したが、その直後から25日まで5営業日続落、26日は米労働省が発表した新規失業保険週間申請件数が予想を下回り29.2万件と前週比3.1万件もの減少で6年振りの水準となったこともあり6営業日振りの反発となったが、27日は再び前日比“70.06ドル安”と下落し「1万5258ドル24セント」で先週末を終えた。18日の史上最高値からは“418.70セント安、2.7%下落”の調整下落となった。その大きな背景は二つで、一つは17~18日開催のFOMCで大方の予想を覆してQE3縮小が先送りとなり、その後、連銀総裁などの要人発言で先送りに対して否定、肯定の両論が交錯しており、QE3縮小問題に関して不透明感が強まっている。二つ目は、14年会計年度の予算成立期限が9月末に迫っていることと米債務上限問題が紛糾していること。9月30日までに14年度予算が成立しなければ、政府機関の機能が一部ストップする事態に追い込まれる。米議会が債務上限引き上げを承認しなければ、1年前と同様に「米国デフォルトの危機」が再燃しかねない。増え続ける米国連邦債務は上限引き上げが実現しなければ、10月半ばに法定上限額の16兆7000億ドルに達する見込みだ。

・先週の日本株市場は、この米国リスクに加えて、為替動向が99円/米ドルを挟む膠着状態が続いたことで、方向感の定まらない、先物市場に振り回される展開となった。週間単位では4週連続の上昇となったものの、前週末比“17.65円高”とほぼ横ばい、4営業日は1勝3敗で26日は前日比“178.59円高”の高値引けとなったが、朝方9時43分に前日比“210.01円安”のザラ場安値を付けるまで急落した後に、先物主導で急反発に転じて大幅高で終え、週末の27日は為替が円高に傾いたことや米国リスクへの警戒感などで終始、ほぼ売り優勢の展開となった。9月に入ってから主力銘柄が大幅反発し年初来高値の水準に達しているのも多かったことで、26日の9月末配当の権利確定日を越えたこともあって利益確定売りも相次ぎ、前日比“39.05円安”の「1万4760円07銭」で終えた。

・今週は週明け早々から重要スケジュールが目白押しとなっている。まず、30日には米国の14年度予算案の協議の行方が非常に気に掛かる。そして、1日に「日銀短観<9月調査>」が発表されるが、その内容は企業マインドが一層向上していることを示す良好なものになりそうであり、その結果を受けて安倍首相は14年4月の消費税率引き上げを予定通りに行うことを表明することになろう。安倍首相は、米国での“Buy my abenomics”などの強気発言の延長線として日本経済の浮揚感をアピールした上での消費税率引き上げ決定表明となるだろう。素直に考えれば、マーケットが好感するはずではあるが、実際にどうなるかは何とも言えない。足下の経済指標は、例えば、8月の生鮮食品を除く全国・消費者物価指数が前年同月比0.8%増と3カ月連続の上昇、しかも7月の同0.7%増に続き比較的高い伸びが2カ月続くなど、『デフレ脱却』への兆候が表れ始めているのは確かではあるが、決して力強いものとは言い切れない。また、1日に中国の製造業PMI、米国のISM製造業景況指数、週末の4日には米国の「9月の雇用統計」が発表されることから、その発表待ちの様子見姿勢が強まり、更に、その結果次第でマーケットは大きく左右されることになりそうであり、米国リスクの行方と合わせて世界株市場は引き続き不安定な状態が続きそうだ。

・先週末の米国株市場が下落で終わったことに加え、為替が円高気味に傾いたこともあって今週は大幅下落でスタートした。重要スケジュールが続くこともあって、急速な持ち直しは期待し難い。決算発表を控えていることもあり、しばらくは慎重な投資スタンスが続きそうだ。しかし、10月下旬から11月半ばまでの決算発表が一巡すれば、株価上昇トレンドに勢いが増すと予想する。決算発表は企業の慎重姿勢が継続しそうだが、好調な内容が多いことが明らかになるだろう。また、法人税率引き下げなど企業に対する優遇策もテーマになりそうだ。足下の経済指標も好転を示すものが一層、目立ってくることになる。米国リスクに関しても、債務上限引き上げが実現し、不透明感が強いQE3縮小問題も決着することになろう。そうなれば、為替も再び円安基調に向かうことになる。従って、ここしばらく、株価低調が続くグローバル関連の押し目買いが有効と言えそうだ。とりわけ、業績絶好調なはずの自動車・自動車部品、その周辺の鉄鋼、繊維・化学、ゴムに注目したい。

(中島)

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