マーケットレポート

マーケットの視点

米国リスクへの警戒から今週も不安定なマーケット展開が続きそうだが、グローバル関連の押し目買い、ソニーに注目

・先週の世界株市場は、米国リスクが高まったことで不安定なマーケット展開が続いた。中でも、日経平均株価の下落幅が大きかった。前週まで5週間連続の上昇を続け8月28日「1万3338円46円」から9月26日「1万4799円12銭」までのほぼ1カ月間で“1460.66円、11.0%”の上昇となっていたこと、東証1部の騰落レシオ(25日移動平均)も120%台と過熱気味になっていたこと、米国リスクへの意識から投資マネーが「リスクオフ」となり為替が再び97円/米ドル台、3~4日にかけては96円/米ドル台へと円高歩調を強めたことから、先週は前週末比“735.76円、5.0%”もの下落と9月上昇分の半分を一気に吐き出してしまった。一方、海外株市場は不安定な展開ではあったものの、それほど大きな下落幅ではなかったと言える。例えば、今回の米国リスクの震源地であるNYダウは週間で“1.2%下落”に留まり、メルケル政権継続を好感した独DAXは“0.4%下落”、イタリア議会でレッタ新内閣が信任されたことで政局安定化への期待から伊FTSEMIB(イタリア株市場)は“3.7%上昇”となっている。

・米国リスクは、9月30日が期限であった「14年会計年度予算」が成立しなかったことと、10月17日に期限を迎える「債務上限引き上げ」問題も暗礁に乗り上げる様相を呈していることだ。シリア問題で味噌をつけて弱体化が指摘されるオバマ政権に対して、14年11月に迎える米議会中間選挙での巻き返しを図る共和党の意固地なまでの対決姿勢によって混迷度が強まっている。新年度予算が執行出来なかったことから、先週、多くの米政府機関は17年ぶりに次々と閉鎖に追い込まれた。17年前はクリントン政権の時で、95年11月の5日間、12月~1月にかけて21日間、政府機関の閉鎖に追い込まれたが、この時は米国民の世論が共和党への批判色を強めたことで最後は共和党が妥協する形での決着となった。今回は予算問題に止まらず、17日に米国連邦債務が法定上限額の16兆7000億ドルに達するという問題も控えている。仮に、上限引き上げの議会決議が決裂すれば、米国がデフォルトに陥る可能性が高まり、もしも現実に米国がデフォルトに追い込まれることになれば、中国、日本を筆頭に主要国が多くを抱える米国債券が大暴落し、リーマン・ショックを上回るような金融危機が到来すると指摘されている。

・11年8月にも「債務上限引き上げ問題」で同様なことが発生し、この時はオバマ政権が相当な妥協を許して危機を回避したが、この時の妥協がその後、共和党がオバマ政権に強硬姿勢を貫くという付け入る隙を見せる結果となったという反省から、今回のオバマ政権は対決姿勢を強めており混迷度が深まっている。オバマ大統領は5~10日までの東南アジア来訪をキャンセルして予算成立と債務上限引き上げの実現への交渉を進めることとなった。本来であれば、7~8日のAPEC首脳会議に出席し、8日のTPP(環太平洋連携協定)の議長役を務めてTPPの年内成立への道筋を付け、9~10日の東アジア首脳会議に出席して帰国する予定であった。米国、日本が主導する形での環太平洋諸国の連携強化を強くアピールする機会を失ったことは大きいが、何よりも優先事項は米国リスクの解消に他ならない。

・今週は二つの米国リスクの行方を見守りながらのマーケット展開となることから、予測が難しい。オバマ首相が新・環太平洋時代の幕開けの主役の座を投げ打ってまで腰を据えて取り込むことへの期待からか、先週の欧米株市場を見る限りは楽観ムードを比較的感じるものの、全く予断は許されない。しかし、ここ2週間指摘しているように、円高気味に推移しているとは言え、1年前に比べれば相当な円安水準のままであり、今後の業績への期待が高まるグローバル関連の株価下押しは絶好の買い場であると考える。1~5日に幕張メッセで「CEATEC JAPAN 2013」が開催されたが、今回の目玉は『4Kテレビ』で、東京五輪開催の2020年までに4K・8K放送を実現する方向性を改めて明確に打ち出している。NHK、NTT、スカパー、韓国(TV放送)KBS技術研究所という放送・通信側とソニー、東芝、パナソニックの機器・システム側が参加する形で「始動!4K/8K時代」というパネルディスカッションを行ったが、ぜひ注目したい部分は「4K/8Kテレビ」に関して日本の技術力はどうやら韓国に相当勝っているようだということだ。実際の4Kテレビ、そして放送機器で圧倒的に先行するソニーが中核的存在として光っている。ソニーが今回投入した新製品スマホ「XPERIA Z1」の商品コンセプトと機能性は圧倒的なレベルを感じる製品に仕上がっている。同社の最近の新製品からは、ハイスペックな技術力とデザインの素晴らしさが目立っており、ソニー復活は本物のように思えることから要注目だ。

(中島)

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