マーケットレポート

マーケットの視点

米国債務上限引き上げ問題は決着の方向で米国リスク解消、米・日決算も堅調な結果でリスクオン再開から強気相場展開へ

・一転して世界株市場は上昇した。象徴的なのはNYダウ、米国VIX指数の激変だ。10日のNYダウは前日比“323.09ドル高”の「1万5126ドル07セント」と一気に1万5000ドル台を回復、S&P500を対象とするオプション取引のボラティリティを元に算出した恐怖指数とも呼ばれるVIX指数は、9日に21.34まで急上昇していたのが10日に一気に急低下し16.48、11日も更に下落し15.72と、今回の米国リスクが世界を揺るがす以前の水準に戻った。NYダウの上昇幅は1月2日の“308.41ドル高”を抜き今年最高の上昇幅を記録した。14年度予算の議会未決による政府機関閉鎖、債務上限引き上げ決議見通しが不透明なことによる米国デフォルト懸念で世界株市場は大揺れしたが、その鬱積したものを一気に晴らすかの様な上昇転換となった。NYダウは先週末の11日も続伸し「1万5237ドル11セント」で引け、NASDAQも10日の上昇幅“82.97ポイント”は今年最大の1月2日“92.75ポイント”に迫り、11日も急騰して「3791.87ポイント」と3週間ぶりに年初来高値に接近。欧州市場も軒並み急反発し、仏CAC40は10日に約1カ月ぶりに年初来高値を更新し11日も続伸、独DAXは10、11日と急騰し11日に「8724.83ポイント」と約1カ月ぶりに史上最高値を更新した。

・日経平均株価は4営業日続落して7日終値が「1万3853円32銭」と9月6日以来の1万4000円割れとなっていたが、8日は前場こそ続落して始まったが10時過ぎに前日比“104.38円安”のザラバ安値「1万3748円94銭」と1万3800円割れとなったが、そこから急速に切り返し後場は前日比上昇に転じた。結局は前日比“41.29円高”と5日ぶりの上昇となって11日まで4連騰、週末株価は「1万4404円74銭」と前週末比“380.43円高”で終えた。8日に反転したきっかけは、96円/米ドル台まで円高気味に進んでいた為替が再び97円/米ドル台まで戻したことと、国慶節の休場から6営業日ぶりに明けた上海総合指数が上昇となるなど、アジア株市場全般に堅調な推移となったことなど。9日には前日にオバマ大統領がバーナンキFRB議長の後任にイエレン副議長を指名すると発表したこと、為替が更に円安気味に進んだこと、米共和党が債務上限の短期的な引き上げに合意すると伝わったことで米国の財政協議が進展するとの観測が台頭して幅広い上昇転換となった。週末にかけては米国のデフォルトが回避される可能性が高まったと安心感が広がり、投資家心理が一気にリスクオンに戻ったことで、為替も98円/米ドル台、そして株価続伸となった。

・今回の米国財政問題で大揺れし続落した4営業日を入れて9月19日から10月7日まで累計で“912.86円、6.2%”の下落となったが、振り返って個別株ごとに見るとそれほど大きく値下がりしたという印象はない。それまでの急速な上昇に対する利食い売りが重なり、“万遍なく微調整した”という雰囲気で、特に主力株の株価は大きく下押ししていないために、押し目買いする間もなく反転急上昇した展開だったとの印象が強い。

・米国の財政協議に関しては、オバマ大統領が一歩も引かない強い姿勢で臨んでいることから膠着状態が続いたが、直近の各種世論調査によると、今回の予算審議と債務上限引き上げに対する共和党の強硬姿勢に辟易する結果が多く、共和党の支持率は過去最低まで下落し逆風が強まっている。また、ワシントンで開催されたG20は11日に閉幕したが、「米国のデフォルト懸念を解消し世界経済への悪影響を避けるために、米国は緊急の行動をとる必要がある」との声明を盛り込んで解決を強く促した。恐らくは、債務上限引き上げ問題に関して先週末にかけて楽観視されたように今週は決着し、米国のデフォルトが回避されることは間違いないだろう。同時に、14年度暫定予算に関しても成立し政府機関の閉鎖も解消に向かい、米国は正常な方向に戻って行くことになろう。その一方で、米国の量的緩和策の縮小は13年内には実施されない可能性が高まったと言えそうだ。足下で発表されている米国企業の決算は8日に発表したアルコアを皮切りに、好調な内容が目立っており、来週から本格化する日本企業の13年4~9月期決算発表への期待も大きい。

・先週発表された「9月の消費者態度指数」は4カ月ぶり、「9月の景気ウォッチャー調査」は6カ月ぶりに改善している結果となって消費マインドの回復は鮮明であり、「8月の機械受注統計」は2四半期連続で前期比増加、特に製造業からの受注額が05年以降で初めて4カ月連続の前月比増加となり設備投資回復に拍車がかかる方向となっている。今後の力強いマーケット展開を示唆するような流れとなっており、11~12月にかけて年初来高値である5月22日「1万5627円26銭」を更新し、1万6000円台へのチャレンジもあり得るかも知れないと予想する。

(中島)

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