マーケットレポート

マーケットの視点

円高推移、アジア株市場の軟調で先週の日本株市場は大幅下落、今週以降の好調な決算発表に注目すれば足下の下落は買い

・米国リスクの霧が晴れて上昇が期待されたが、日本株市場は好調が予想される決算発表の本格化を前に出鼻を挫かれた格好となった。週初めの21、22日は堅調なスタートを切り23日も前場は前日比上昇を維持していたのが、後場に入って急落し最後は前日比“287.20円安”で安値引け、24日は前日比“60.36円高”と一旦小幅に持ち直し、25日は朝方から安く始まって、この日も後場に入ってからの急落が目立ち、結局は前日比“398.22円安”と再び安値引けで終えた。結果的に、先週末の日経平均株価は「1万4088円19銭」、前週末比“473.35円安”と3週間ぶりの下落、なんとか1万4000円台を保って終わったが、東証一部1756銘柄のうち値上がりはわずか186銘柄、変わらずが69銘柄で、値下がりは1501銘柄にも及んだ。週間騰落で“3.25%下落”は上海総合“2.77%下落”、香港ハンセン“2.77%下落”を上回り主要国株式市場の中では最大の下落率となった。

・日本株市場が大きく下落した理由は為替の対米ドル円高進展とアジア株市場の軟調。為替は米国リスクの解消で一旦は円安に傾きかけたが、再び97円/米ドル台、更には週末の25日には96円台へと円高が進んだ。ただ、円高というよりは“米ドル安”の展開で、例えば対ユーロは22日に09年以来の135円/ユーロ台となるなど、134円/ユーロ台の対ユーロ円安水準を維持している。米ドル安の背景は、財政問題が一旦決着したことでマーケットの関心が経済指標に向き、22日に発表された「9月の雇用統計」の結果が市場予想を下回るなど、米国経済の回復に足踏みが目立って来ていることが意識された。

・焦点は『QE3』(量的金融緩和策)縮小の時期が何時になるかで、最近の見方ではもはや“14年3月以降”になるというのが多数になりつつあるが、暫定予算が1月15日に失効し債務上限問題は2月7日で期限切れとなることなど、その成り行き次第では更に先送りになりかねない状況となっている。このため、米国債券市場への資金流入が再び活発化し米国長期金利が大幅下落、9月5日には一時3%を超えたが、10月23日以降は「2.5%」前後まで低下している。日本の長期金利も7月以降に低下傾向が続き6月末の0.8%台に対して足下は0.6%台にまで低下しているが、米国長期金利の低下幅の方がはるかに大きいため、日米金利差が再び急速に縮小していることが円高気味の背景だ。わが国の貿易収支の赤字が定着していることもあって、一気に円高が進むことは考え難いとはいうものの、米国の量的金融緩和策の縮小が遠のいたことで100円/米ドル突破の見方も遠のいたと言えそうだ。円/米ドル相場は米国の経済指標の結果に振られることになるが、それでも例えば97~99円/米ドル程度の狭いレンジでの推移が当面は続くことになりそうだ。

・先週発表された米国企業の13年7~9月期決算は総じて予想以上の好調ぶりが目立ったこともあって、米欧株市場は引き続き堅調な展開となったが、23日の午後に中国人民銀行が金融引き締めに踏み切るとの観測が強まって中国の短期金利が急上昇し、上海総合、香港ハンセン、印SENSEXが25日まで4日続落となったことも日本株市場の急落に影響した。アジア株市場全般に急落したことで投資マネーがアジア株市場から“円”へと逃避していることも円高気味に拍車をかける格好となっている。

・日本の決算発表は、22日発表の日本電産が再上方修正と24日発表のキヤノンが再下方修正と明暗を分けた。日本電産は家電・車載用モータの急拡大が牽引する新成長軌道が鮮明なものになって来ており、今回据え置いた下期も再々度の上方修正を行うことは間違いないだろう。一方のキヤノンの決算からはデジカメとパソコンの不振が続いていることが大打撃となっているが、同社が仕掛けた一眼デジカメの値引き競争に終止符を打つと明言しており、この点は株価軟調が続いているニコン、タムロンの株価反転への期待に繋がりそうだ。先週来、業績上方修正の観測記事が目立っており、決算発表は総じて好調な内容になりそうだ。今週はコマツ、KDDIが28日に発表するが、先週、米キャタピラーが悲観的な決算を発表したのに対してコマツがどのような内容になるかが注目される。更に、29日に日立など重電3社、30日にホンダ、31日に家電3社と注目の決算発表が続く。中でもかなり株価が大幅に下押ししているソニーは、株価が示す通りにかなり酷い決算内容なのか、そうでなければ急反発が期待されるだけに要注目だ。

(中島)

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