マーケットレポート

マーケットの視点

欧米株は急反発、為替も再び円安歩調に転じ、大幅スピード調整後の日経平均株価は改めて1万6000円台チャレンジへ

・先週の日本株市場は4、5日の2日間で“572.17円安”と大幅なスピード調整となったが、注目の米国の「11月の雇用統計」の発表を控えていた週末の6日は“122.37円高”と3日ぶりに反発して終えた。欧米株市場が11月を通じて史上最高値、年初来高値を更新し続ける上昇を続けたことで利益確定売りが出易い状況となっていたところに、米国の年末商戦の不調が伝わり、更には再び米国の量的金融緩和策の縮小懸念が台頭したことで、5日まで米国のNYダウ、S&P500、英FTSE100、仏CAC40は5営業日連続、独DAXは4営業日連続で下落、為替も円安一服となったことで、過熱気味となっていた日本株市場も一旦は大幅調整となった。

・しかし、日経平均株価の5、6日のそれぞれの日中の経過を振り返ると、むしろ日本株に対する買い意欲の強さを感じる内容となっており、改めて年内通じては堅調な展開が続くものと予想する。4日はほぼ1日を通じて弱い展開だったが、5日は急落後の買い戻しや買い遅れた投資家の買いで午後2時頃までは堅調に推移していたが、最近よくある傾向で先物の売りに大きく押されて急落、そして6日も2時頃までは5日と同様に前日株価を挟んで上下動を繰り返していたが、その後は前日とは逆の展開、米国雇用統計への警戒があるにも拘わらずに急速に戻して前日比“122.37円高”の「1万5299円86銭」で引けた。大幅なスピード調整のおかげで、2日に「112.07%」にまで上昇していた東証1部の騰落レシオ(25日移動平均)は6日に「99.28%」と100%割れまで低下しており、日経225ベースの予想PERも「15.66倍」と16倍を下回り、割高感はそれほどない水準にある。

・先週末の欧米株市場が急反発して終えたことは大きい。NYダウは一気に前日比“198.69ドル高”の「1万6020ドル20セント」、S&P500も同“20.06ポイント高”の「1805.09ポイント」と、各々、27日の史上最高値「1万6097ドル33セント」、「1807.23ポイント」を今週には更新する展開になりそうだ。NASDAQは「4062.52ポイント」と早くも先週末に5営業日ぶりに年初来高値を更新、欧州株市場も軒並み急反発に転じている。これは、注目された米国の「11月の雇用統計」が“ほどほどに良い結果”となったためだ。非農業従事者数が“20.3万人”と市場予想の18万人を上回り、9、10月に関しても8000人上方修正された。失業率も、労働参加率が改善したにも拘わらずに10月の7.3%から「7.0%」へと改善した。内容的にも、業種全般に亘って雇用者数の増加となっていることに加えて、時間当たり賃金が24.15ドルと前月比0.04ドル増加、平均週間労働時間も前月比0.1時間増加の34.5時間に延びており、米国景気が着実に回復トレンドを辿っていることを明確にする結果となっている。

・但し、直前には予想を大幅に上回るのではとの強気な見方もあったが、程良い結果であったことによって、12月にもスタートするのではとの観測もあった量的金融緩和策の縮小に関して、12月17~18日のFOMCで検討はなされるものの時期尚早であり実行に移るのは年明け以降、どちらかと言えば3月以降になるという見方が優勢となった。この流れを受けて“緩和策継続の一方で米国経済は順調”という株式市場にとっては最も好都合な結果となったことで欧米株式市場は急反発に転じた。更に、為替が先週末の海外市場で対米ドルは102円台後半に入り103円/米ドルを窺う動き、対ユーロは08年以来の140円台まで円安が進んでおり、今週は再び円安傾向が強まりそうなことが、日本株市場の戻りの勢いに拍車を掛けることになりそうだ。

・今週は国内で注目度の高い経済指標等の発表が相次ぐ。9日に「7~9月期GDP改定値」、「11月の景気ウォッチャー調査」、10日に「法人企業景気予想調査(10~12月期)」、「11月の工作機械受注<速報>」が発表される。いずれも好感されるような内容が発表される可能性が高そうだ。為替を含めた海外情勢の好転に国内経済指標等の好結果が加われば、大幅調整で一旦は後退しかけた“1万6000円突破”が年内に実現する展開となろう。とりわけ、「11月の工作機械受注<速報>」には要注目だ。10月の結果が、内需が前年同月比40.5%増、外需も同4.8%減と一桁マイナスとなったことで全体が同8.4%増と18カ月ぶりの増加に転じており、11月も増勢ピッチが続いているようであれば、民間設備投資の本格回復へのしっかりとした手応えを確認することとなり、08年以来の株価1000円台が定着しつつあるオークマなどの機械株の株価上昇に弾みが増すと期待したい。

(中島)

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