マーケットレポート

マーケットの視点

テーパリング(量的緩和縮小)への警戒で世界株市場は総崩れとなったが、今週にも抜けて再上昇トレンドへ向かおう

・先週のマーケットは、週初めは再び年初来高値を更新するような勢いで始まったものの、世界的に米国の量的緩和縮小への警戒が高まったことでリスクマネー後退の動きが強まり、世界株市場は一転して下落トレンドに陥った。前々週末の欧米株市場が急騰、かつ為替が円安に傾いたために9日の日経平均株価は前週末比“350.35円高”、しかも高値引けで終えて「1万5650円21銭」と12月3日の年初来高値「1万5749円66銭」までにわずか“99.45円”と迫った。再度、年初来高値を更新し週内にも1万6000円にチャレンジするかと期待されたが、海外株式市場の勢いが止まり17~18日の米FOMCを目前にして米国の量的緩和縮小に対する意識が高まったことによって、為替がリーマン・ショック直後の円安水準まで進みながらも日本株市場は高値警戒で膠着展開が続く中、利益確定売りに押される銘柄が目立ったことにより、一転して10~12日と3日続落となった。12日発表の米国の「11月の小売売上高」が前月比0.7%増と市場予想の同0.6%増を上回り、5カ月ぶりの高い伸びとなるなど、堅調な米国経済指標の発表が多いために一段と量的緩和縮小の早期スタートが強く意識され、海外株式市場は大きく崩れた。

・今週は最大の焦点となる2013年最後の米FOMCが17~18日に開催される。『テーパリング(量的緩和縮小』のスタートは、11月の段階では12月は見送りとの公算が大きかったが、12月6日発表の「11月の雇用統計」を契機に再び12月にもスタートするのではという観測が復活し、現時点では今週開催の米FOMCで決定されるかどうかは五分五分というのが一般的な見方となっている。この流れに対し米国の長期金利(10年国債利回り)が反応して上昇しており、10月下旬に2.5%前後まで下落していたのが11月に入って2.7%前後にまで再び上昇した後、12月に入ると2.8%前後へと更に上昇し、先週12日には2.88%まで上昇して“2.86%”で終了している。米国長期金利は、テーパリング開始を既に織り込みつつあり、それゆえに為替も103円/米ドル台の円安水準にまで進んでいる。すなわち、マーケットは「株安・金利上昇・円安」と既にテーパリング開始を織り込んでいる訳で、実際に17~18日の米FOMCでテーパリング開始が決定されたとしてもそれほどのショックはないと考えられ、むしろアク抜けによって世界株市場は再び上昇トレンドに復帰する可能性が高いと予想する。一方、テーパリング開始が見送りになったとしても、それはそれで量的緩和の現状維持ということからリスクオンが再開することによって株高が復活するだろう。更に、為替は米国経済の好調ぶりを反映し続け、一定以上の円安水準が維持されると予想する。従って、日本株市場は、米FOMCでの結論が明確になるまでは膠着展開となりそうだが、FRBのスタンスが明らかになった後は、年末に向かって順調な上昇トレンドを描き、年内にも1万6000円を突破する可能性はあり得そうだ。

・今週早々の16日に「日銀短観<12月調査>」が発表される。今回のアンケート調査期間は、11月15日~12月15日であり、11月中は世界的に株高が続き、為替もリーマン・ショック直後の水準まで円安が進んでおり、企業マインドは比較的明るいものと推測されることから、良好な結果が期待される。前回の9月調査では、大企業・製造業の業況判断DIが7~9月期「12」と4~6月期「4」から大幅に改善し08年1~3月期以来の2桁台乗せとなり、非製造業は4~6月期「12」から7~9月期「14」と更に改善し、その水準も07年10~12月期「16」以来の水準まで高まった。そして、9月調査時点での10~12月期の見通しは各々が「11」、「14」と楽観的な見方となっていたが、一段と企業マインドが明るくなっているかどうかが注目される。焦点は、為替前提が前回の94.45円/米ドル(上期94.77円/米ドル、下期94.14円/米ドル)に対して足下の円安水準を受けてどの程度まで円安修正されているかという点と、設備投資計画が増勢に転じているかという点だ。為替は前回調査よりも円安に修正されることは間違いないだろうが、足下の水準よりも円高に留まれば、先行きは企業マインドの一層の好転が期待されることになる。

・設備投資に関しては、日本工作機械工業会が発表する工作機械受注高の推移が順調な回復を辿っていることが注目される。全体が10月に前年同月比8.4%増と18カ月振りのプラスに転じ、11月(速)が同15.4%増と2カ月連続プラスかつ二桁増となっている。内外需の内訳では、内需が7月に1.0%増と14カ月ぶりのプラスに転じた後、8月20.2%増、9月36.3%増、10月40.5%増、11月39.3%増と増勢ピッチが急拡大しており、更に、外需も11月に3.1%増と14カ月ぶりのプラスに転じた。国内の設備投資の回復機運が高まりつつあることに加えて、米国向けが自動車関連の好調が続き、不振が続いた欧州向けが航空機関連での好転、中国向けもスマホ関連を中心に回復の兆しが見えて来ていることで外需もプラスに転じた。国内の設備投資が、ゼロ金利策の継続と異次元緩和策の効果に加え、業績回復、円安推移を背景に、本格回復に向かい、外需に関しても、急落した中国、欧州向けの輸出が上向きに転じてくれば、機械業界の来期以降の業績は予想以上に回復テンポが高まることになろう。そして、もしも今回の「日銀短観<12月調査>」の中で、大企業の設備投計画が大きく増額修正されることになれば、工作機械メーカーを中心に設備投資関連銘柄への注目度が一段と高まることになろう。

(中島)

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