マーケットレポート

マーケットの視点

米国雇用統計は大寒波で“異常値”、米国株市場は切り返し円安基調も継続、大幅下落銘柄は押し目買いのチャンス

・13年末の日経平均株価は30日の大納会まで09年7月14~27日以来の9連騰となり、2年連続の年初来高値で終えた。年間で“5896.13円高、56.7%上昇”と上昇率は72年の“91.9%上昇”以来、41年ぶりの上昇記録。1972年は2月3日に札幌オリンピックが開催されたが、16日に「あさま山荘事件」が勃発、6月17日に米国を揺るがした「ウォーターゲート事件」が発覚、8月26日にミュンヘンオリンピックが開催されたが「黒い9月」なるオリンピック史上最悪であるパレスチナゲリラがイスラエル選手宿舎を襲撃し11名殺害事件が起きるなどの悲劇が続いた。しかし、昭和47年、高度成長期時代の終盤であり、田中角栄通産大臣が6月11日に「日本列島改造論」を発表、17日に戦後最長政権だった佐藤栄作首相が退陣表明し7月7日に第一次田中内閣が誕生、9月29日に田中首相が訪中し日中国交正常化が実現した。すなわち、『列島改造ブーム』に沸く中、日中国交正常化で世界平和ムードが高まったことで大暴騰となった。前年の71年8月に「ニクソン・ショック」(ドル/金の兌換停止)で大暴落した後、世界的に超金融緩和策を実施したことで上昇に転じ、そのまま14カ月連続上昇という『列島改造ブーム』の大暴騰に繋がった。

・年明けは一転して、9連騰、年間大幅上昇の後だけに一進一退の展開が続き、三連休明けの14日に前週末比“489.66円安”の「1万5422円40銭」と一気に12月17日以来の1万5000円割れとなった。10日に発表された米国の「12月の雇用統計」で非農業部門雇用者数が市場予想の19万6000人増に対して、わずか“7万4000人増”という驚くべき数字で、失業率は11月7.0%に対して“6.7%”と08年10月以来の水準にまで改善したが、失業率の大幅低下は労働参加率が0.2ポイント低下し62.8%と78年3月以来の低水準となったためで、職探しが減っているためという良い傾向ではない。しかし、非農業部門雇用者数の急落は、大寒波襲来で建設業や輸送関連が大幅に減少しており、年末商戦の動きが鈍いことで小売り、サービス関連の雇用が控えられる格好となったためだ。同統計の発表直前までのように米国景気に対して手放しで楽観出来る状況とは言えないが、悲観すべき事態でもない。10日のNYダウは前日比“7.71ドル安”の小幅安に止まり、NASDAQ、S&P500、欧州株市場は上昇し堅調だったが、週明けの13日は欧州株市場こそ堅調に終始したが、NYダウは改めて景気の先行き不安が意識されて前週末比“179.11ドル安”、NASDAQも“61.36ポイント安”、S&P500は“23.17ポイント安”と急落した。

・為替も再び102円/米ドル、141円/ユーロ台へと円高気味に反転したことも三連休明けの急落に影響している。14日の下げは、東証一部で値上がり194銘柄に対して値下がり1537銘柄、変わらず47銘柄と値下がり銘柄数が圧倒的に多く、万遍なく売られた結果の大幅下落のような展開だ。個別には、年末の9連騰後で依然として高止まりしている水準にある銘柄が多く見受けられることから、今回の急落でアク抜けしたようには思えない。従って、しばらくは軟調な展開が続く可能性もあるが、円高気味といっても100円/米ドル、140円/ユーロを下回り、3月決算会社が第2Q決算発表時に想定した為替水準である97円/米ドル前後よりははるかに円安水準にあるため、1月末から2月中旬にかけて発表される第3Q決算発表の内容が注目される。自動車を中心に1~3月期の消費税率引き上げ前の駆け込み需要が焦点となって来ることをも前提とすれば、今回の調整局面は絶好の買い場であると考える。9連騰で買いそびれた、あるいは、税制変更に対応するために年末に売却処理したことに対して今回の調整はちょうど良いタイミングになるだろう。

・14日に発表した米国の「12月の小売売上高」は、年末商戦の低調、大寒波の影響が懸念された中、市場予想の前月比0.1%増を上回る同0.2%増と堅調な結果だったことが分かった。これを受けて14日の米国株市場は反発に転じている。結果的に「12月の雇用統計」は大寒波の影響が強い“異常値”だったとの認識が強まり、再び巡航速度の株価上昇と米国長期金利の上昇、すなわち円安基調の継続が予想される。また、消費税率引き上げの仮需反動が懸念されているが、新製品の投入時期の工夫などで極端な落差が生じる可能性は予想外に高くはなさそうだ。従って、13日の急落で下落幅の大きかったグローバル関連、及び年初来の下落幅が比較的大きい小売り関連や不動産株などは押し目買いの大きなチャンスと言えそうだ。

(中島)


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