マーケットレポート

マーケットの視点

新興国リスクの連鎖で“リスクオフ”、世界株市場急落・円高反転、しかし、大幅調整はむしろチャンスと捉えたい

・新興国リスクの連鎖が世界を駆け巡り、先週末に一気にリスクオフモードとなって世界株市場が急落かつドル安・円高がマーケットを直撃した。まず、23日に発表した中国の「1月のHSBC中国製造業購買担当者景気指数(PMI)速報値」が“49.6”と13年12月の50.9%から低下し13年7月の47.7以来、6カ月ぶりに50を下回った。3カ月連続の前月比下落であり、中国の景気減速への懸念が強まった。そして、アルゼンチンの中央銀行がペソ介入を断念したことでペソが急落、下落幅は11%と1日の下落幅としては01年にデフォルト宣言した後の02年の金融危機以来の大きさとなった。ペソ急落で、脆弱な基盤のトルコ・リラ、南アフリカ・ランドなどへも危機感が波及し急落した。世界株式市場も、まず24日の日経平均株価が朝方から下げ続け、後場に入って一段と下げ足を強め、一時は前日“407.57円安”まで下げ、最終的には前日比“342.90円安”の「1万5391円56銭」と一気に1万5500円の節目を割って引けた。これで、年明け以来、3週連続の下落となり昨年末比“899.75円安、5.52%下落”の調整となった。

・NYダウは24日まで4日続落、しかも24日に“318.24ドル安”の「1万5879ドル11セント」と一気に大台割れとなり、同じく独DAXが“239.02ポイント安、2.48%下落”、英FTSE100が“109.54ポイント安、1.62%下落”、仏CAC40が“119.49ポイント、2.79%下落”と大幅下落、スペインIBEX35が“3.64%下落”、アルゼンチンMERVALが“3.92%下落”と軒並み急落した。リスクオフを受けて、リスク回避のために安全資産としての認識が高い円、スイスフランへと資金が流れ込み、円高も一気に進んだ。対米ドルでは12月初め以来の101円台を付けた。米FRBが量的金融緩和策縮小のスピードを速めるのではないかとの観測が高まっている中で今週の28~29日に米FOMCが開催されることから、神経質な展開が続きそうだ。ブエノスアイレス市場でのアルゼンチン・ペソの24日の取引が8.005ペソ/米ドル、前日比横ばいで終えたことから、一旦は“アルゼンチン・ショック”が納まりかけているとも言え、今週の世界株市場は急速な戻りは難しいかも知れないが、先週末のようなパニック売りは回避される可能性が高い。

・日本株市場に関しては、米シカゴ市場の日経平均先物3月限の円建て価格が23日に前日比310円安となったのに続き24日は同495円安と下げ幅を拡大し「1万4945円」と1万5000円割れで終えていることから、週明けの日経平均株価は1万5000円割れの大幅下落でスタートした。しかし、年明けからほぼ1カ月近く調整が続き、しかも先週末以来は新興国リスクを織り込む形での急落となっている。週明けスタートは大幅下落で始まり、この後の展開が注目される。下落歩調に歯止めがかかることになれば、世界株市場全体へも好影響を与えることになろう。日経225ベースの予想EPSは上方修正が続き、24日時点で「996.22円」と1000円に近付いてきており、割安感が解消されている銘柄、あるいは改めて割安感を感じる株価水準まで下落している銘柄が多く散見されるようになってきた。今回の急落で、改めて値頃感が強まって来ている。今週以降に13年4~12月期決算発表が本格化するが、22日に今期3度目の増額修正を発表して昨年来高値を更新し続ける株価展開となった日本電産のように、業績好調が改めて注目される企業が多くなりそうだ。

・セクターとしては、早い段階から調整局面に入っていた不動産、百貨店などの内需株、設備投資回復の傾向が強まり年明けに一旦は盛り上がった工作機械に注目したい。また、為替が再び一進一退の展開になったことで、自動車、電機を中心にグローバル関連の株価が一休みになりそうだ。ここは来期の展望を見据えながら、じっくりと銘柄選択をして行きたいところ。予想外の新興国リスクが台頭したことで大幅調整となったが、1月21日に発表されたIMFの世界経済見通しでは、14、15年と持ち直す予想となっている。安倍首相は先日のダボス会議で法人税率引き下げの実施を強調し、6月までには実効性のある『骨太・成長戦略』をまとめあげるとしている。一方で、日本は悲願の『デフレ脱却』への道筋を確実に歩んでいる。昨年がそうであったように、今年も当面の大幅下落は大きなチャンスと捉えることが出来よう。

(中島)


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