マーケットレポート

マーケットの視点

新興国リスク台頭による海外不安要因と国内期待要因の綱引きで不安定な展開続くが、じっくりと期待銘柄を選別へ

・先週も一転して厳しいマーケット展開が続いた。日経平均株価は29日こそ前日比“403.75円高”と昨年9月3日(同405.52円高)以来の400円超の上昇幅でヤレヤレと思わせたが、結局、米FOMCの結果を受けて30日はザラ場で同“530.08円安”と猛烈に下げ終値は同“376.85円安”、31日は前夜のNYダウの同“109.82ドル高”を受けて寄り付き後に同“136.82円高”と反転への期待を持たせたが、ジリ安歩調となり後場に入って一気に急落、一時は同“242.49円安”の「1万4764円57銭」と11月14日以来の1万4800円割れまで下落、その後は戻したものの終値は同“92.53円安”の「1万4914円53銭」で引けた。終値ベースでは28、31日と11月14日「1万4876円41銭」以来、2カ月半ぶりに1万5000円の節目を下回った。1月は6勝13敗の大幅な負け越し、週間ベースでは4週連続下落と毎週下げた格好となり、結局、昨年末からは“1376.78円安、8.45%下落”となって1月を終えた。

・新興国株市場、しかも1月に入って、新興国の資源会社の株価が急落している。例えば、ブラジルの国営石油会社「ペトロブラス」の株価が17%下落、同じく資源大手「ヴァーレ」が11%下落、中国最大の海上油生産会社の中国海洋石油(CNOOC)が15%もの下落となっている上に、アルゼンチン・ペソを中心に新興国通貨の急落ぶりも著しい。すなわち、1月に入ってリスクマネーが新興国の通貨や株式市場から引き上げる“リスクオフ”の動きが既に始まっていたところに、28~29日の米FOMCで12月の決定である資産買入額100億ドル削減に加えて、更に100億ドル削減し650億ドルとすることに決定したことが追い撃ちを掛ける格好となり世界株市場の急落に繋がり、安全資産買いとしての円高も進行した。

・先週末のNYダウは前日比“149.76ドル安”の「1万5698.85ドル」と11月上旬以来の水準にまで下落、欧州株市場も軒並み下落して終えており、週明けの日経平均株価は先週に続き大幅下落で始まった。14年に入ってからの週初めのスタートはこれで4週連続の下落で始まった。その下落幅を並べると、6日“382.43円安”、14日“489.66円安”、20日“92.78円安”、27日“385.83円安”と20日こそ100円未満の下げだったが、他はいずれも大幅な下落幅でスタートし、しかも週間でも取り戻すことが出来ずに4週連続で終えている。新年以来、国内はどちらかと言えば平穏無事に過ごしてきており、国内には売り材料はない。海外、根底に米FRBの量的緩和策縮小の流れがある中で、特に“新興国リスク”が急速に台頭したことがマーケットの不安感を煽っている。そして、新興国リスクがクローズアップされて安全資産への逃避で円買い、円高が進むことが、一層、日本株市場を下押しさせている。

・但し、円高に向かうと言っても、日米間の金融政策は全く反対方向(中期的に米国は引き締め、日本は緩和の方向)にあることから日米金利差は拡大の方向、すなわち金利差という点では“ドル高・円安”に向かう可能性が高いことから、一定の水準、例えば100円/米ドルを再び上回るような円高となることはなく、むしろ趨勢的には110円/米ドルを目指す“円安”の展開にとなる可能性が高いと予想する。また、安倍政権は6月を目途に『新・成長戦略』の骨格を明確にするとしており、今後、15年10月の消費税率引き上げ第二弾(8%→10%)を着地させるための政策展開も期待され、アベノミクスはまだまだ続く。その間には、待望の『デフレ脱却』を明確に確認することが可能となり、14、15年度企業業績は史上最高を更新する見通しが明らかになって来るはずだ。

・焦点は、新興国問題で、自国通貨を防衛するために極端な利上げを慌てて実施することによる新興国経済への影響が気懸りだ。例えば、28日にトルコ中央銀行はリラ防衛のために1週間物レポ金利を4.5%から10%、翌日物貸出金利を7.75%から12%、翌日物借入金利を3.5%から8%に引き上げている。タイ総選挙紛糾、エジプト情勢など、多くの新興国で不穏なムードが高まっており、先行き不安定な状態が続きそうだ。これら海外の不安要因と国内の期待要因との綱引きとなるが、足下では海外の不安要因が日本株を大きく引き下げてはいるが、落ち着けば、国内の期待要因が再び大きく引っ張り上げることになろう。今週は米国のISM指数、雇用統計などの重要統計が控えており、その結果にまた大きく左右されることになるが、このような不安定なマーケット展開の時こそ、じっくりと期待銘柄を選別したい。

(中島)


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