マーケットレポート

マーケットの視点

世界株市場の上昇転換の中で取り残された日本株市場、業績上昇の方向は明確であり株価見直しが強まることになろう

・ついに、日経平均株価は先週で6週連続下落となってしまったが、週間連続記録は12年4月2日の週から5月28日の週にかけての9週連続以来である。当時の背景は、「欧州債務問題の再燃、米国景気回復の腰折れ懸念、中国景気の減速懸念」という海外リスク3点が集中したことだ。南欧諸国の国債入札が不調で、4月6日発表の米国の「3月の雇用統計」では非農業従事者数が速報値で前月比12万人増と2月24万人増から半減している。3月半ばに84円/米ドル台まで円安に戻した為替も6月初めに77円/米ドル台の円高水準となった。9週連続下落の結果として“1643.31円、16.30%”の下落となり、今回の6週連続下落の結果は“1978.28円、12.14%”の下落である。当時は、2月14日に日銀のバレンタイン・プレゼント(追加金融緩和策を発表)を契機とした6週連続上昇(1297.90円、14.70%の上昇)があった後での大幅調整であり、今回も昨年末までの9連騰の後の大幅調整、米国リスクと新興国リスクの台頭による“リスクオフ”と共通している。しかも、当時は3月決算の発表が予想以上に好調だったことを、今回も13年4~12月期決算発表の内容がすこぶる好調であることを、まるで無視したような下げ方である点も共通している。

・当時は、約2カ月間に及ぶ大幅調整の後、徐々に欧州危機が収束に向かい始めたことで7月初めまで5週連続上昇と持ち直した。12年の日経平均株価は、アベノミクス相場で年末の12月27、28日にようやく年初来高値を更新したが、それまでの高値である3月27日「1万255円15銭」から6月4日「8295円63銭」まで下落、その後は一旦、7月4日「9104円17銭」まで戻したものの、不安定な欧米情勢が継続した上、野田政権の混迷によって、その後も9000円前後の株価低迷が続いた後、11月半ば以降の『アベノミクス相場』に突入する展開となった。

・今回は、ドイツを牽引役に欧州経済が回復に転じることへの期待が高まっており、昨年末までに日本株投資を強めた海外投資マネーが日本株市場から欧州株市場へと流れていることも、日本株市場を急落させる要因となっている。特に、金融政策やマクロ経済の動きに敏感な海外投資家の多くは、昨年中の観測として日銀が早期に追加金融緩和策に踏み切るとの予測を前提に、不動産や金融関連などへの積極投資を行っていたものが、1月21~22日の金融政策決定会合後に黒田日銀総裁が現状維持を続けると発表したことで失望感が高まり、一気に日本株からのシフトが捲き起こった。三菱地所の昨年末から2月14日までの下落率は“21.8%”、三井不動産が同じく“18.0%”、オリックスが“18.4%”、三菱UFJ・FGが“14.8%”、三井住友FGが“14.5%”と日経平均株価を上回る下落率となっている。三菱地所は南青山の超高級マンションの販売取り止めという悪材料が重なったことで余計に下落率が大幅になったこともあるが、各社とも揃って好調な13年4~12月期決算を発表しており、14年3月期の公表見通しに対する増額修正が予想される中にあっても、厳しい株価下落となっている。このことが、一層、日経平均株価の足を引っ張る格好となっているようだ。

・しかし、12日発表時点の金融を除く東証1部上場企業ベースで、12年4~12月期決算の14年3月期通期見通しに対する経常利益の進捗率は、前期の77.5%に対し、今期は“80.8%”に達している。13年3月期の経常増益率は第3四半期決算発表時点で“1.2%増益”だったのが、最終的には上方修正となり“7.4%増益”となった。今回の決算発表では全体の3分の1の企業が増額修正する好調ぶりだったが、進捗率が90%を超えても据え置き企業があるなど、依然として多くの企業が見通しを据え置いたことから、最終的には更なる上昇修正となって終わり、仮に前期比35%増益となれば、14年3月期に経常利益は過去最高の08年3月期に対して“92%水準”にまで回復することになる。14年3月期に既にトヨタ自動車など自動車大手7社のうちトヨタ自動車を筆頭に日産自動車、ホンダ以外の5社、電機も日立、内需企業も例えば私鉄大手13社のうち9社が過去最高益を更新する見通しで、全体の7社に1社が過去最高になる模様だが、次の15年3月期は全体でも7年ぶりに過去最高を更新する見通しが強まろう。14年の世界経済は新興国の停滞が懸念されるが、15年は世界全体で成長率が一段と高まり、更に、国内において『デフレ脱却』が実現することも加わって、16年3月期も最高益を連続更新する可能性は高いと予想する。従って、割安感が強まることによる株価見直しが再び相当な勢いで起こることになろう。(中島)


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