マーケットレポート

マーケットの視点

日経平均株価は7週間ぶりに上昇、今後の米国経済指標、G20での世界経済底上げ目標など、強気材料が目立って来た

・先週の日経平均株価は、7週間ぶりに上昇に転じた。昨年末に期待の高まっていた日銀の追加金融緩和が1月の金融政策決定会合で不発となり、17~18日の会合でも期待薄だったのが、黒田日銀総裁の“期待を裏切る”ミニ緩和策強化アクションが年初来沈み続けた日本株市場に対して火を着けた可能性がある。金融政策決定会合後の記者会見で、「金融緩和の効果波及メカニズムを強化する」と強調、「異次元緩和でエンジンの馬力を大幅に上げたので、今度はその性能を充分に生かすためにタイヤを強化した」と表現した。具体的には、「貸出増加支援では、資金供給額を国内金融機関が貸し出しを増やした額の2倍相当とし、期間を最大4年から期間4年の年0.1%の固定金利に変更し金融機関が希望すれば1年ごとに期日前返済可能とした。成長基盤強化の支援では、資金供給枠を3.5兆円から7兆円に倍増、1金融機関当たりの上限額を1500億円から1兆円に引き上げる」とした。17日に発表された「12年10~12月期の実質GDP成長率」が市場予想の前期比年率2.7%増を下回って同1.0%増となったこと、日銀の追加緩和策は5~7月までないとの失望感が強まっていたこと、そして米国景気見通しへの不安が台頭し“ドル安円高”に振れていたこと、による日本株市場の停滞局面を打破しようという狙いもあるものと考えられる。

・実際に18日の日経平均株価は、ザラ場高値で前日比“507.13円高”と13年6月28日の同“510.89円高”以来の8カ月ぶりの上昇幅を記録し、終値も同“450.13円高”となった。19日は利食い売りに押され同“76.71円安”、20日は19日の米国株安と20日発表の中国の「2月のHSBC/製造業PMI」が市場予想の49.5を下回り“48.3”と2カ月連続で50を下回ったことで下げ足を強め、前日比“317.35円安”の「1万4449円18銭」と再び1万4500円の節目を割り込んだ。しかし、総じて割安感が強まっていたことに加えて、20日の米国株市場が上昇に転じたこともあって先週末は同“416.49円高”、週間でも前週末比“552.64円高”と14年に入って初めて週間ベースでの上昇となり「1万4865円67銭」で終えている。先週末の欧米株市場は、米国の「1月の中古住宅販売戸数」が462万戸、前月比5.1%減と市場予想の468万戸を下回ったことなどでNYダウは前日比“29.93円安”と小幅下落で終わったが、欧州株市場は英FTSE100が6連騰し週末に「6838.06ポイント」と5月22日の昨年高値「6840.27ポイント」に9カ月ぶりに迫り、独DAXも「9656.95ポイント」と1月17日の史上最高値「9742.96ポイント」に再接近、仏CAC40は19~21日と3連騰し3日連続で昨年来高値を更新するという好調ぶりだ。

・20日に発表されたマークイットの米国の「2月の製造業PMI指数」が“56.7”と1月53.7から大きく上昇し10年5月以来の水準となった。最近発表される米国経済指標は雇用統計を筆頭に大寒波の影響を受けて厳しい数値が続いていることが不安感を募らせていた。しかし、今後に発表される米国経済指標は異常気象の影響が解消する見込みで、この「2月の製造業PMI指数」のように好転の方向を示すものが再び多くなってくる可能性は高い。また、米国FRBが量的緩和策縮小を開始したことで新興国の通貨安に拍車がかかり、そのことが新興国経済に大きなダメージを与えかねないとの批判が高まりつつあることは事実であり、23日に閉幕したG20でイエレン新議長がデビューを飾ったが、新興国に対して量的緩和策縮小に対する理解を求めて説明を重ねたようだ。米国の量的緩和策縮小の流れはもはや止まることはないだろうが、今回のG20での新興国各国の厳しい訴えを受けた上での27日の上院銀行委員会での議会証言での発言内容が注目される。もしも、新興国に配慮するような発言があれば、世界株市場は好反応し、NYダウ、独DAXが再び史上最高値を追い駆ける展開になることもあり得る。“リスクオフ”が和らげば円安が再び進行することにもなり、日本株市場への追い風も強まろう。

・新興国経済の不安が強まっていたことに対して、今回のG20で『世界経済の成長率を5年で2%以上底上げする』目標を掲げた。現在の世界経済の規模は約100兆ドルなので、2%は2兆ドル(約200兆円)に相当し、イタリア、ロシア、ブラジル、インド、カナダのGDP規模が2兆ドル前後であり、これらの国の一国分の経済規模を上乗せする目標であり、その実現に対して各国の成長戦略への期待が高まる。世界経済の底上げへの努力は、少なくても現在の失速不安を和らげる効果としては充分であり、日本経済、日本企業へのインパクトは大きいものと期待されよう。(中島)


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