マーケットレポート

マーケットの視点

追加緩和期待の剥落で急落したが今週は落ち着いた展開へ、日本株市場の割安感強まる

◆先週の日経平均株価は東日本大震災時を上回る下落幅で年初来安値、TOPIXは7営業日続落と厳しい

・先週の日経平均株価の下落幅は、“1103.72円安、7.33%下落”で、1週間としては東日本大震災が起こった時の11年3月14~18日の“1047.68円安、10.22%下落”をも上回り、リーマン・ショック(08年9月15日にリーマン・ブラザーズが破綻)後の、NYダウが1万ドル割れとなり世界同時株安となった時の08年10月6~10日の“2661.71円安、24.33%下落”以来の大きさとなった。海外株式市場では、アジア株市場は堅調を保ったが、欧米株市場が大きく崩れた。特に、ネット関連、ハイテク株の急落が相次いだことで米NASDAQは先週末に「3999.73ポイント」と14年2月3日「3996.96ポイント」以来の4000ポイント割れとなり、週末にかけて欧米株市場が軒並み大幅続落となったために、今週にかけても日本株市場が軟調な展開になるとの不安が高まった。先週末の日経平均株価は「1万3960円05銭」と終値ベースで13年10月8日「1万3894円61銭」以来の1万4000円割れ、TOPIX、東証2部、日経ジャスダック平均とも年初来安値に沈んだ。週明けの日経平均株価は、急落で割安感が目立つ銘柄が多くなったこともあって、ザラ場高値で前日比“48.24円高”と高くなるなど売り買い交錯の中で下げ止まった感じはあるものの、結局は前日比“49.89円安”の続落で引けた。TOPIXは14日まで7営業日続落となった。

◆急落の要因は黒田総裁の強気発言で追加緩和期待が剥落して失望感強まり、海外不安要因があるため

・先週の日本株市場が東日本大震災をも上回る急落となったのは、日銀の追加緩和への期待とともに為替も円安気味に推移しほぼ1カ月ぶりの1万5000円台を回復する順調な戻り歩調となっていたところへ、日銀の金融政策決定会合後の記者会見で黒田総裁が「景気は夏以降に潜在成長率を上回る成長軌道に復帰する。雇用は想定以上に改善している。物価上昇率2%達成には自信を持っている。現時点で追加的な緩和は考えていない」と強気な発言を行ったことで、マーケットに一気に失望感が押し寄せたためだ。日銀の金融政策決定会合後に急落するというパターンは、今年に入って1月(23~28日“840.80円安”)、3月(12~17日“946.44円安)”と同様で、まるで再現フイルムを見ているような光景だ。

・本来であれば、黒田総裁の発言は日本経済の先行きに対して自信を持っているとして好感されるべきことなのだろうが、消費税率引き上げ後の駆け込み反動と増税の影響を深刻に懸念していることと、最近の安倍政権の停滞ぶりに対して不安を感じているためなのだろう。一方で、海外要因も、米国景気は順調そうに見えるが今一歩の確実性がない、中国及び他の新興国リスクが依然として横たわっている上に、ウクライナ情勢の火種が燻っているままであることから、中々、容易にはリスク・オンの状態にはなれない。

◆週明けは落ち着いた展開、日本株市場の割安感は一層強まっており、夏以降に向けての仕込み場か

・週明けの欧米株市場は米国3市場、独DAXとも3営業日ぶりに上昇に転じ、NYダウは前週末比“146.49ドル高”の「1万6173ドル24セント」と1万6000ドル台を維持、米NASDAQも同“22.96ポイント高”の「4022.69ポイント」と4000ポイント台を回復し、一息ついている。今週の主要なスケジュールはそれほど重要なものがないが、14日に発表された米国の「3月の小売売上高」は前月比1.1%増と市場予想の同0.8%増を上回り、2月分も前回発表の同0.3%増から同0.7%増に上方修正され、改めて米国景気の順調な回復ぶりが明らかになっている。週末はグッド・フライディで欧米株市場が休場となることもあり、ウクライナ情勢が更に緊迫化しない限りは、為替市場を含めて大きな波乱なく過ごす可能性は高い。従って、今週の日本株市場は、比較的、落ち着いた展開になると予想する。先週の急落もあって、14日の東証1部の騰落レシオ(25日移動平均)が74.13%まで低下し、日経225ベースの予想PERは13.69倍、PBRも1.28倍と割安感は一層、強まっている。また、このところ明らかになっている15.3期業績の観測記事は好調を示す内容が多い。これから決算発表が始まることから、足下での上昇への勢いは限られそうだが、夏以降に向けての仕込み場の段階にあると考える。(中島)


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