マーケットレポート

マーケットの視点

「円高」意識が強く低調を脱し切れないが、いずれ「企業の自信」を反映する展開へ

◆連休明けに急落、その後も円高気味の推移、主要企業の決算発表を控え鈍い戻りが続いた

・連休明けのマーケット展開は、7日に前週末比“424.06円安”と急落したが、その後の2日間で“166.14円高”と小幅な戻り歩調が続き前週末比“257.92円安”の「1万4199円59銭」で引けた。7日の大幅安は、独DAXが6日まで3日続落、NYダウが前日比“129.53ドル安”、NASDAQが同“57.30ポイント安”と急落したこと、為替が再び101円/米ドル台の円高に振れたことが大きい。連休は、国内に関しては久々に主要高速道路の大規模な渋滞情報が伝えられるなど平和なゴールデンウィークを過ごしたが、海外ではウクライナ新政権と親ロシア派の武力衝突で南部の都市オデッサで死者が出るなど緊迫感が高まった。また、連休前の2日に発表された米国の「4月雇用統計」の非農業従事者数が市場予想の20万人増を大幅に上回る“28.8万人増”となり、2月が19.7万人増から22.2万人増、3月が19.2万人増から20.3万人増と上方修正され、失業率も3月6.7%から“6.3%”へと08年9月以来の水準まで大きく改善した。米景気の順調な回復ぶりが確認されたが、米国の長期金利は反応せず低いままだったことから円高が進んだ。OECDが6日に世界経済見通しを発表したが、新興国経済の停滞によって輸出が減速していることを理由に日本の14年の実質GDP成長率を前回予想の1.2%増から1.0%増へと下方修正された。更に、中国のHSBC製造業購買担当者景気指数(PMI)の4月の確報値が下方修正され、非製造業PMIも3月から低下し中国景気の減速感が強まったこともあって連休気分が一気に冷め、日本株市場は大幅下落となった。

◆NYダウが史上最高値更新など欧米株は好調、円高が意識されて日本株の低調が続きそう

・日本株市場が大幅下落の後でも戻りが鈍い展開が続いたのは、主要企業の決算発表を控えていたことで警戒感が強かったことと、8日のECB(欧州中央銀行)理事会が政策金利を0.25%に据え置き、ドラギ総裁が低インフレ、ユーロ高を憂慮した発言を行ったことから、次の理事会で追加緩和を実施するとの観測が強まり、為替が円高気味に推移しそうな流れになって来ていることが日本株市場を圧迫しているためだ。その一方で、欧米株市場は7、8日と急速に持ち直し、中でもNYダウは9日まで3連騰し9日終値は「1万6583ドル34セント」と4カ月ぶり更新した4月30日の史上最高値を2週続けて更新し、NASDAQも4日ぶりの上昇に転じるなど、依然として欧米株市場は総じて好調な推移が続いている。イエレン米FRB議長が8日の上院・予算委員会における議会証言で「住宅市場が軟調となっており、住宅市場が弱いことが米国経済の足を引っ張りかねないことから、当面はゼロ金利政策を維持する」という考え方を強調した。あたかも株式市場に対する配慮を示したような発言であり、欧米株市場にとっては歓迎すべき内容の一方、日本株市場にとっては“円高”が強く意識されることで、円高を跳ね返すような注目点がなければ、欧米株市場好調に対する日本株市場低調という構図は変わらず、益々、差は広がりそうだ。

◆「業績への自信」と「積極的な前進の姿勢」を強く感じる決算内容が反映される展開を期待

・今回の決算発表は「業績安定、更なる業績拡大への自信が一層強まる」ことが確認できたと総括される。自動車各社が軒並み圧倒的な史上最高益を記録し消費増税があってもなお高水準な業績見通しで、鉄鋼、海運は収益急回復が続き、総合商社も新興国経済の停滞もあって石炭、鉄鉱石市況が低調でも高水準な利益を維持し続けるなど、必ずしもアベノミクス頼みだけの好業績ではない。トヨタの豊田社長が、今期横ばい見通しの発表に対して「今期は意思のある踊り場だ」という名言を発した。同様な考え方は今回の決算説明会で幾度も耳にした。すなわち、「目先の利益を出そう思えば投資や研究開発費を抑制すれば簡単なことだが、将来成長のために今はあえて前に進む」という積極的に前向きな姿勢がことごとく蘇っている。しかも、かつてのような野放図な拡大戦略ではなく、未曾有の世界大不況、東日本大震災、タイ大洪水を立て続けに経験し、なおかつ現時点でも料金を含めた電力不安や円高懸念を抱えているだけに慎重スタンスを充分に取りながらも確実に前進しようという意気込みを強く感じる。収益力に相当の自信を深めていることは、大幅増配や自己株買いを実施する企業が目立っていることにも現れている。このような“企業の自信”が株式市場に反映される日は遠くないと予想する。(中島)


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