マーケットレポート

マーケットの視点

底堅く推移しながら過熱感解消へ、先週発表の『新・成長戦略』に注目

◆6週間ぶりの下落も依然として出遅れ株が多いことから底堅く推移しながら過熱感の調整へ

・先週末の日経平均株価は、前週末比“254.42円安”の「1万5095円」と6週間ぶりの下落となったものの、1万5000円台を維持して終わった。5月22日以降のほとんど休みない上昇によって過熱気味の状況が続き高値警戒感が強かったことに加えて、NYダウが1万7000ドル手前で足踏みしたまま先週は欧米株市場が底堅いながらも軟調な展開となったこと、更に、為替が再び円高気味に傾き27日には一気に101円30銭台となったことで一気に売りが嵩んだ。27日は、前日比“213.49銭安”となり、東証1部の上場1815銘柄のうち値下がりが1335銘柄に達し、値上がり377銘柄となった。しかし、騰落レシオ(25日移動平均)は24日に「164.09%」まで上昇していたが、25日も前日比“109.63円安”となったこともあって27日には「134.97%」にまで下がった。

・騰落レシオは、一般的に120%以上が高値警戒の領域と言われており27日でも依然として過熱感が強いままにあることには変わりないが、一方で日経平均株価は昨年末高値に比べて93%の水準に止まったままにある。先週1週間の年初来高値更新銘柄数は136、145、123、97、60と相当数の銘柄が年初来高値を更新していることは、出遅れ感の強い銘柄が多く存在することも確かだ。従って、利食い売りによる株価調整が進む一方で改めて出遅れ物色の流れも一層強まり、底堅い展開が続きそうだ。注目の『新・成長戦略』が24日に閣議決定されたことで一段落、企業イベントも先週で株主総会が一巡し、23日の週から14.3期第1Q決算発表シーズンを控えていることで、当面は一進一退のマーケット展開となるとみられ、その間に騰落レシオが順調に低下し次の上昇への準備が整うことが期待されよう。

◆「日銀短観」の内容に注目、3日に米国の「6月の雇用統計」の発表を控え様子見展開

・今週は、国内では1日に日銀短観<6月調査>が発表される。前回の3月調査では消費増税の影響を厳しく見て「大企業・全産業の業況判断DIで「最近」21に対して「先行き」が11へと大幅に悪化、14年度の業績計画も「大企業・経常利益」で上期が前年同期比5.8%減益、下期が同1.5%増益となっていた。実際の消費増税の影響はほぼ想定通りか、想定よりも軽微に止まって早期回復に転じる見方が強まっている。今回の発表では「最近」は前回から悪化するが事前予想を下回る悪化となり、「先行き」の業況判断DIが大幅に上向くことになりそうだ。特に、業種別では、3月調査で「最近」“36”から「先行き」が“-2”へと急落していた自動車の変化に注目したい。自動車株は冴えない動きが続き、本格的な出直りのきっかけになることもあり得よう。また、設備投資計画が上向きに転じているようであれば、足下の「工作機械受注高」が好調な推移を続けることになり、機械株を後押しすることになろう。

・米国は4日が独立記念日で祝日となるので「6月の雇用統計」は3日木曜日に発表される。いつもは金曜日に発表されて日本株市場にとっては週末を挟んで月曜日に反映されるが、今回は発表翌日の反映となるだけに影響度が大きくなりそうだ。事前予想は非農業従事者数が21万人増、失業率6.5%と波乱のない予想となってはいるものの、結果を確認するまでは欧米、日本株市場とも様子見の強い展開となりそうだ。

◆『新・成長戦略』の内容は好感度は高いが、株式市場を大きく刺激するには時間がかかるか

・24日の閣議で「経済財政運営と改革の基本方針」(「骨太の方針」)、「日本再興戦略」改訂版(「新成長戦略」)、「規制改革実施計画」(規制改革の実行手順など)を閣議決定した。内閣府のホームページで「骨太の方針」は36ページ、「新成長戦略」は130ページという詳細な内容の資料が掲載されているのでぜひとも参考にして頂きたい。「新成長戦略」(「日本再興戦略」改訂版)の概要は以下の通りで、大きな3つのテーマと各々の具体的な施策で構成されている。企業に革新を促すと同時に企業活動を支えるために国も変わることによって企業が活性化され、企業の躍進によって日本を再興する。同時に、少子高齢化や産業の成熟化に対応するために、女性や外国人労働者の活用を拡大する。また、新産業の育成を促し、医療制度を改革し健康産業を育成、ロボット革命を起こし、元来の日本の基盤であった農林水産業の高度化を推進、地域活性化と中堅・中小企業等の革新を促すことで日本全体の底上げを図ることを目指す。内容的には、外国人投資家が受け入れ易い、株式市場にとって好感される内容となっているが、実際に株式市場を大きく刺激するためには、更に突っ込んだ具体的なアクションとそれなりの成果が見えて来る必要があろう。具体的には以下の通り。

① 日本の「稼ぐ力」を取り戻す … コーポレートガバナンスの強化、公的・準公的資金の運用等の見直し、産業の新陳代謝とベンチャーの加速化・成長資金の供給促進、成長志向の法人税改革、イノベーションの推進と社会的課題解決へのロボット革命。

② 担い手を生み出す(女性の活用促進と働き方改革) … 女性活躍のための環境整備(放課後児童クラブ等の拡充等)、柔軟で多様な働き方の実現(成果で評価する労働時間制度の創設等、外国人が日本で活躍できる社会へ(技能実習制度の充実等)。

③ 新たな成長エンジンと地域の支え手となる産業の育成 … 攻めの農林水産業への転換(農業委員会・農業生産法人・農業協同組合の一体的改革等)、健康産業の活性化と質の高いヘルスサービスの提供(非営利ホールディングカンパニー型法人制度(仮称)の創設/保険外併用療養制度の大幅拡大等)。

④ 地域活性化と中堅・中小企業・小規模企業者の革新 … 地域活性化関連施策をワンパッケージで実現する伴走支援プラットフォームの構築、地域の中小企業・小規模事業者が中心となった「ふるさと名物応援」と地域の中堅企業等を核とした戦略産業の育成、地域ぐるみの農林水産業の6次産業化・酪農家の創意工夫、世界に通用する魅力ある観光地域づくり、PFI/PPP を活用した民間によるインフラ運営の実現、地域の経済構造改革に向けた総合的な政策推進体制の整備。

 (中島)

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