マーケットレポート

マーケットの視点

底堅いが膠着相場が続き、出遅れセクター株の下値拾いのチャンスでもある

◆地政学リスクの高まりでも底堅いが上値の重い膠着展開、NYダウは決算好調で高値更新

・14日に5日ぶりに反転し15日までの2日間で“231.12円”上昇後は1万5500円を手前に一進一退となり、先週後半はパレスチナ情勢の緊迫化、17日にはオランダ・アムステルダム発マレーシア航空B777機がウクライナ東部で攻撃を受けて墜落する事件が勃発し、地政学リスクが高まったことから軟調に推移した。為替が一気に101円/米ドルを超えそうな円高に進んだことも日本株市場を直撃し週末の18日まで3日続落となった。しかし、地政学リスクの高まりや円高進展の割には堅調を保ち、週間では前週末比“51.67円高”の「1万5215円71銭」と2週間ぶりの上昇で終えた。三連休明けの22日の日経平均株価は、米国株市場が底堅い動きとなっていることや、地政学リスクの影響がそれほど広がることはないとの安心感から前週末比“127.57円高”と4日ぶりに大幅反発して始まったが、先週前半同様に上値が重い膠着した展開が続いている。

・NYダウは依然として底堅い動きを続けている。16日までの4連騰で「1万7138ドル20セント」と2週間ぶりに史上最高値を更新、17日はマレーシア航空機墜落で地政学リスクが強く意識されて前日比“161.39ドル安”と急落し1万7000ドル割れとなったが、翌18日に“123.37ドル高”の「1万7100ドル18セント」と即座に大台回復、休み明けの21日もパレスチナ自治区ガザでの戦闘でパレスチナ側死傷者が500人に達するなどの緊迫化を受けて一時は1万7000ドル割れまで下落したが、前週末比“48.45ドル安”の「1万7051ドル73セント」と大台を維持して終えている。米国株市場が地政学リスクの高まりをも跳ね返して引き続き底堅い動きとなっている背景は、米国企業決算が総じて好調な結果となっているためだ。

◆米国株は経済順調、企業決算の結果好調と上方修正で今後も上昇続きそうだが、注意も必要

・このところの米国株市場は無気味なくらいに好調な推移が続いている。過去2週間、ポルトガル最大手銀行BESの経営不安、パレスチナ情勢の緊迫化、マレーシア航空機撃墜事件など、リスクマネー引き上げを巻き起こすような事態が発生しているにも拘わらず、NYダウは史上最高値を更新している。米国経済のマクロ指標は住宅関連に多少の足踏み傾向が見られる以外は、雇用統計を中心に好調そのものだ。通常であれば、景気過熱を抑えるための利上げ議論が浮上することが株式市場の上昇に歯止めをかけることになるが、イエレンFRB議長が敢然とその議論を封じている。現実に米国経済は順調な回復歩調を辿っているものの、過熱を意識するほどではないことと、企業決算が好調なことが米国株市場を押し上げ続けている。21日時点でS&P500対象企業のうち93社が14年4~6月期決算を発表済みだが、事前予想を上回ったのが69%、下回ったのが18%と過去10年平均の67%、22%よりは良好な結果となっており、2014年の年間EPS増加率は6月末の前期比7.4%増益から直近時点では同8.2%増益へと上方修正されている。このような中では、中々、米国株市場を売り込む理由が見当たらないことから、今後も堅調な推移が続きそうだ。

・ただ、「6月の雇用統計」の発表を受けてゴールドマン・サックスのエコノミストがインタビューに答えて、米FRBによる利上げ時期を16年1~3月期から15年7~9月期に早まると発言しており、安心感が広がっている中でも先行きを警戒する動きが徐々に出て来ることには注意する必要があろう。

◆4~6月期決算、7月以降の消費関連指標に注目、出遅れセクター株の下値拾いのチャンス

・日本企業の決算も総じて好調な見通しだ。19日の日経観測記事で三越伊勢丹HDの4~6月期の営業利益が2割減になったとある。3月までの駆け込みの反動減と6月の天候不順のためで、減収減益の幅は想定内ということで、今夏が当初予想されていたエルニーニョ現象による冷夏ではなくなり通常の猛暑到来となれば、7月以降は夏物商戦が消費を順調な回復軌道に乗せることへの期待が高まる。今後の消費関連の統計に注目したい。三越伊勢丹HDは駆け込みの反動減への不安から、7月に入って株価は相当に下押しした展開となっている。今回、第1四半期決算では通期予想を変えないと観測されており、4~6月期を無事通過したことで、先行きの上方修正への期待が高まることになりそうだ。依然として、昨年末高値を牽引した銀行、証券、百貨店、不動産株の出遅れが目立つだけに下値拾いのチャンスでもあると考える。(中島)

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