マーケットレポート

マーケットの視点

一気に大型夏休みとなったが、企業業績好調で先行き国内指標好転の確認で再上昇へ

◆米利上げ観測、地政学リスクが高まり急落し短期に大幅調整したが、騰落レシオは大幅低下

・日経平均株価は、6日までの5日続落後、7日に一旦は前日比“72.58円高”と持ち直しかけたが、8日に同“454.00円安”と5月7日の同“424.06円安”以来の大幅安、今年4番目の下落幅で8日終値は「1万4778円37銭」と一気に6月17日以来の1万5000円割れとなった。8日は、10時過ぎ頃までは決算好調の支えもあって世界情勢の緊迫化の割には同150円前後安に止まり底堅く推移していたが、オバマ大統領の「イスラム国」への空爆承認が伝わると一気に急落した。結果的に、東証1部の騰落レシオ(25日移動平均)は8日“78.03%”と、久々に売られ過ぎの境目である80%を下回っただけに先行きへの期待は高い。

欧米株市場に関しては、先々週以来、大揺れの状態が続いている。欧州株の中では、先週の独DAXは8月4日まで4営業日続落した後に5日は上昇したが、再び6~8日と更に3日続落し8日終値は「9009.32ポイント」と節目の9000ポイン割れ寸前まで下落して、7月3日の史上最高値「10029.43ポイント」から10.17%もの調整となった。一方、先週のNYダウは一進一退の動きとなって7日終値は「1万6368ドル27セント」と7月16日の史上最高値「1万7138ドル20セント」から4.49%の下落となったが、週末の8日は大幅反転し、前日比“185.66ドル高”と今年4番目の上昇幅を記録して終えた。

◆為替が再び不安定化し、幾つもの地政学リスクが重なったためで、今後の動向に注目

・世界株市場が大揺れした要因は、米国の利上げ観測が強まったことによる投資マネー逆流への変化に加えて、地政学リスクが一段と高まったことが追い打ちをかけた。世界的な金融情勢に関して、米FRBが利上げ観測を抑え込むことに躍起になっているが、米国で14年4~6月期GDPの急回復、雇用統計の順調回復、着実に進む量的緩和策縮小が今秋にも完了するなどの点から、米FRBの『出口戦略』が確実に大きなテーマとなりつつあり、米FRBとの思惑との綱引きとなっている。為替が不安定な状態にあってスンナリと円安にならないのもそのせいだ。7月末から8月初めにかけて103円/米ドル台に進んだが、地政学リスクが高まったこともあって、先週後半には「米金融緩和収束→地政学リスクの高まり」の流れが一気に強まり、101円/米ドル台へと再び円高気味にシフトした。

地政学リスクに関しては、ここに来て“縺れに縺れている”。7月29日に米欧がロシアに対する追加経済制裁を発動したが、その報復としてロシアは7日に欧米系航空会社のシベリア上空飛行の禁止、農産物の輸入禁止を発表したことで泥沼化している。更に、中東情勢に関しても、ハマスとイスラエルは“72時間停戦”で平和解決への道を探ろうとしたが決裂し、8日にはガザ地区で戦闘が再開した。そして、米現地時間7日夜(日本時間8日)にオバマ大統領が緊急声明でイラクのイスラム教スンニ派の過激派組織「イスラム国」に対する限定的な空爆実施を承認した、と発表。更には、西アフリカで感染拡大している“エボラ出血熱”に対してWHO(世界保健機関)が「世界的な流行の危険がある。国際衛生上の緊急事態」を宣言した。

◆先行き国内景気回復が確認されれば、企業業績好調を背景に再び昨年末高値への挑戦も

・さすがに11日は、8日の日本株急落に対する反動とNYダウの急反発から大幅な戻り展開となりそうだが、その後の8月の展開は、地政学リスクの情勢と国内に関する消費増税導入後の経済指標の出方を気にしながらの不安定な展開が続きそうだ。どちらかと言えば、8日の下げは東証1部の値下がり数が1656銘柄、全体の91%と、とにかく“総売り”のような展開だった。そのため、実態以上に売られ過ぎた銘柄も存在する。その意味するところが、結果的に東証1部の騰落レシオ78.03%に反映されてもいるのだろう。

今回の14年4~6月期決算は、最終的な集計後の数字を見る必要はあるものの、主要企業の決算を分析する限りは“決して悪くない内容が多い”。13日に14年4~6月期DGPの第1次速報が発表される。直近の民間28機関の予測値は、予想レンジが前期比年率▲6.0~▲9.3%、中央値▲7.2%とかなり厳しい。消費増税の駆け込み需要に対する反動減はほぼ想定以内という見方が多いが、大雨や台風など天候不順の影響や7月以降の回復力の鈍さを指摘する声は多い。しかし、今後、秋以降に国内景気が反動減から立ち直り、順調な回復基調を辿っていることが確認されれば、企業業績好調を背景に再び昨年末高値へのチャレンジが期待されよう。

(中島)

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