マーケットレポート

マーケットの視点

昨年末以来の9連騰後でも今週もマーケットは堅調な展開、出遅れ物色の流れが継続へ

◆過熱感のないままに日経平均株価は“静かな9連騰”を達成、米国株市場の好調も大きな支え

・日経平均株価は、21日まで昨年末以来の9連騰を記録、22日は10日ぶりに反落したが前日比“47.01円安”と小幅安に止まり、先週末は「1万5539円19銭」で終えた。今回の9連騰は一桁上昇が3日間、二桁上昇が2日間で上昇幅は“807.83円、5.47%”と、昨年12月17~30日の“1138.40円、7.51%”に比べて更に“静かな9連騰”となりながらも、21、22日にはザラ場で8月1日以来の1万5600円台に乗せた。昨年末の9連騰の直後には年末年始を挟んだこともあって1月6日に前日比“382.43円安”、7日に“94.51円安”と急落し、そのまま波乱展開の下降トレンドに陥ったが、今回は9連騰後の下落相場でも押し目買い意欲が強く、今後は夏季休暇も終わって海外投資家の参戦再開も期待され、むしろ先高感が強そうだ。なお、“静かな9連騰”を象徴する記録として、13~21日まで6日連続で1日の高値安値の差が100円未満となった。しかも、8日に「78.03%」まで低下していた騰落レシオ(25日移動平均)は9連騰後でも21日は「107.30%」までの上昇に止まり、22日は「104.50%」へと低下し、過熱感はない。

・日本株市場を支える一つに米国株市場の強さがある。8~22日の間、NYダウ、S&P500は18~21日の4連騰など“8勝3敗”、NASDAQは13~19日の5連騰など“9勝2敗”と好調。S&P500は21日に「1992.37ポイント」と7月24日以来、ほぼ1カ月ぶりに史上最高値を更新し、再び2000ポイントの大台乗せに迫り、NYダウは21日に「1万7039ドル49セント」と7月24日以来の1万7000ドル台に復活、22日に反落したが「1万7001ドル22セント」と大台維持で終えた。NASDAQは18、19日、21、22日と7月3日以来の年初来高値を更新、00年3月31日「4572.83ポイント」以来の4500ポイント台乗せとなり、22日は「4538.55ポイント」で引けている。

◆イエレンFRB議長は巧妙な発言でマーケットの不安定化を抑制することに成功、一段の円安に

・日経平均株価9連騰の背景は、8日に前日比454円安で一気に1万5000円割れとなったことからの反発、企業業績の先行き増額修正期待、GPIFの株買い増し観測による安心感、米国株市場の好調、などに加え11日以降に為替が円安へと反転したことが大きい。米国の利上げ時期が早期化するとの見方が再び強まり、20日に公開された「7月29~30日のFOMC議事録要旨」の中で利上げ前倒しを視野に入れた議論が活発化したことも明らかになった。対米ドルは一気に103円台後半へと進み、更に、注目を集めていた22日のイエレンFRB議長のジャクソンホールでの講演の内容を受けてドル買いが強まり、104円20銭まで4月上旬以来の円安水準へと進んだ。対ユーロも1カ月ぶりに138円台に乗せている。

・なお、イエレンFRB議長はジャクソンホールでの講演で、10月に量的緩和策を終了させることを改めて表明したが、その後の利上げの時期とペースに関しては慎重姿勢を維持することを強調し、マーケットの過剰反応を抑えることに成功した。発言の内容は「失業率のみで米労働市場の健全性を判断することは不十分で、労働市場の構造変化や深刻な景気後退が労働市場の機能に永続的な変化を及ぼした可能性もあり、完全雇用に近付いているかどうかの見極めは困難になった。こうした環境下では適切な政策を策定するための単純なやり方はない。既定の政策路線にコミットせず、入手される指標や情報に基づき政策を決定する“実用主義的な”政策アプローチを行う」と極めて巧妙な主張であった。

◆出遅れ物色展開で今週も堅調なマーケットが続く中、自動車、不動産、百貨店の出遅れに注目

・今回の反騰相場で象徴的な銘柄はソニーである。14年4~6月期営業利益が通期計画に対して50%の進捗率に達し増額修正への期待が高まっていることに加え、「PS4」の海外販売好調、国内での4KTV好調、自動車用画像センサへの進出など商品力・製品開発力の復活が目立っていることなどで株価が見直され、22日までに15年ぶりの10連騰を記録した。また、商船三井が下方修正したにも拘わらずに海運株が業種別騰落率でトップになるなど、出遅れ銘柄物色の展開となっている。今週もこの流れが継続し、堅調なマーケット展開が続くと予想する。円安に振れた割には自動車株の反応は今一つ鈍いままであったし、不動産株や猛暑、大雨などの天候要因もあって反動減からの回復力が鈍いと指摘されている百貨店株も沈んだままであり、これらの株価上昇への期待が高そうだ。

(中島)

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