マーケットレポート

マーケットの視点

冴えない国内マクロ・ミクロ指標が続く中、盛り上がりに欠けるが下値は底堅い

◆世界株市場は総じて一進一退、欧米株市場は堅調で米S&P500は初の2000ポイント突破を達成

・先週の世界株市場は、総じて一進一退の膠着展開となった。ブラジルが経済不振で政権交代への期待が高まり週間騰落率が4.93%上昇、ロシアが欧米諸国からの制裁強化への懸念で同5.54%下落と大幅だった以外はほぼ1%前後の騰落率で終えている。その中で、欧米株市場の堅調ぶりが目立った。米国のS&P500は26日終値で「2000.02ポイント」と史上初の2000ポイント突破を達成、先週末も「2003.37ポイント」と史上最高値で終わった。NYダウも先週通じて1万7000ドル台を維持、しかも26日のザラ場高値は1万7153ドル80セントと、7月17日の1万7151ドル56セントのザラ場での史上最高値を更新、先週末のNASDAQは「4580.27ポイント」と2000年3月29日「4644.67ポイント」以来の高値水準に達した。

・ちなみに、NASDAQの史上最高値は、2000年3月10日の終値「5048.62ポイント」、ザラ場高値「5132.52ポイント」。ソニーが3万3900円(株式分割修正前、同修正後1万6950円)という異常な株価を付けたITバブル時のNASDAQなので、日経平均株価の資産バブル時のように、その水準を抜くことは永遠にないとまで言われていたが、あと10%強の水準まで迫り、米国株市場はNYダウ、S&P500のみならずNASDAQも史上最高値が微かにではあるが視野に入るところまで上昇トレンドが続いている。ITバブルは、当時、インターネットの登場で世界が変わると、限られたIT関連銘柄の異常な株価上昇によって発生し、その後はバブル崩壊となったが、現実の世界はインターネットによって確実に激変しApple、Yahoo、Google、Facebookなどの巨大企業が誕生するに至っている。

◆企業業績ピーク更新、デフレ脱却の方向性を確認するまでは精彩欠くが、下値は底堅いと予想

・一方、日本株市場を改めて振り返ると、資産バブル時の日経平均株価「3万8915円87銭」は遥か彼方、ITバブル時の高値である2000年4月12日「2万833円21銭」までも相当に遠い。この間に日本経済が歴史上初めてのデフレに陥ったことが最大の要因だが、企業業績に関しては、縮小均衡の国内経済に依存せずにグローバル展開を推進した企業が業績を伸ばすことでリーマン・ショック直前の08年度に過去最高を更新、その後は世界不況、円高昂進、東日本大震災、電力供給不安、タイ大洪水などの受難を克服し今14年度には6年ぶりに再び最高を更新する可能性が高まっている。更に、黒田日銀の大型金融緩和策の効果で悲願の『デフレ脱却』に向けて着実に進んできた。但し、現時点での企業収益見通しは会社公表を集計すると過去最高には若干の未達であり、国内景気の足踏みを指摘する声が高まっている。『デフレ脱却』に関しては日銀、政府は実現に向かって躍起になっているものの、民間調査機関は概ね想定期間内での実現は不可能という意見が主流となっている。このため、日経平均株価は、ある程度までは戻すものの、上値を追い駆ける勢いは非常に弱いままに推移している。

・足下の国内マクロ、ミクロ指標とも冴えない数値の発表が目立ち、今後、8月の結果の発表に関しても、豪雨や猛暑など天候不順が大きく影響して期待を裏切る内容が暫くは続きそうだ。従って、当面は現状の膠着相場が続く可能性が高い。但し、為替が再び104円/米ドル台に入るなど円安気味に推移していること、足下の経済指標が弱過ぎれば15年10月に予定する消費税率10%への引き上げを睨んだ景気対策への期待が高まること、デフレ脱却への道のりが遠ざかるようであれば日銀が追加金融緩和策を繰り出す可能性が高まること、GPIFの株買い増しへの思惑、などで下値は底堅い推移が続くと予想する。

◆好業績・高収益銘柄の中で昨年末高値更新の割安株を押し目買い、株価が下回る銘柄の買い待ちを

・そのようなマーケット展開の中では、ジリジリするような状況が続くことになりそうだ。しかし、前述した条件である企業業績の過去最高更新の方向性が確認できるかどうか、『デフレ脱却』に向けて再加速することになるかどうかが明白になってくれば、日経平均株価は昨年末高値を越えて、更に上値追いへと進む可能性は高まる。それまでのジリジリした中での投資アイデアとして、弊社マンスリーレポート9月号の企業業績分析での銘柄スクリーニングを一つの参考にしてもらいたい。好業績・高収益と判断される銘柄群の中で、既に昨年末高値を大幅に更新しても尚、割安水準にある銘柄の押し目買いを狙う一方で、依然として昨年末株価を下回ったままの銘柄の先行きの出直りを狙って買い待ちすることも有効と考える。(中島)

(中島)

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