マーケットレポート

マーケットの視点

手掛かり材料に欠けるが底堅く、先行きの支援材料への期待で強基調の展開も

◆世界株市場はほぼ全面高、第2次安倍改造内閣を好感し日経平均株価は7カ月ぶりの高値水準

・先週の世界株市場はほぼ全面高の展開となった。週間上昇率の上位はロシアが2週連続で5.63%上昇、上海総合4.93%上昇、イタリア4.62%上昇など。ロシアはウクライナ情勢の緊張緩和への期待、上海総合は5日まで6連騰を記録、イタリアなど欧州株の上昇は4日のECB理事会で政策金利引き下げと資産担保証券の買い入れが決定されたことがきっかけ。欧州株市場では、独DAXが5日まで6連騰、英FTSE100も4日まで5連騰となり4日終値「6877.97ポイント」は5月14日の高値「6878.49ポイント」に迫った。米国株市場は、S&P500が5日終値「2007.71ポイント」と3週連続で史上最高値を更新、NADAQも2日終値で「4598.19ポイント」と3週連続で年初来高値を更新、NYダウも堅調に推移し5日に前日比“67.78ドル高”と上昇して「1万7137ドル36セント」と再び1万7100ドル台に乗せて史上最高値に急接近している。

・日経平均株価は、第2次安倍改造内閣の誕生を好感して2日に前日比“192.00円高”、3日も同“59.75円高”と3連騰し、3日終値は「1万5728円35銭」と1月22日「1万5820円96銭」以来、7カ月振りの高値水準まで上昇、3日の東証1部の売買代金は2兆688億円と、8月8日の2兆5678億円以来の2兆円突破を達成した。その後の2日間は105円/米ドル台へと一段の円安に進んだものの、4日の日銀金融政策決定会合後の黒田日銀総裁の記者会見待ち、週末に発表される米国雇用統計への警戒から利食い売りに押され小幅に2日続落したが、週末株価は「1万5668円68銭」と前週末比“244.09円高”で終えた。

◆ECBが予想外の利下げ実施、米雇用統計は市場予想を下回ったものの米景気回復の腰は強い

・ECB(欧州中央銀行)のドラギ総裁が定例理事会開催後の記者会見で、現状維持という予想に反し政策金利を0.1ポイント下げて過去最低の「0.05%」とし、銀行の融資債権を証券化した資産担保証券(ABS)の買い入れを10月から実施すると発表した。欧州ではデフレに対する警戒が一層強まっており、今回、初めて民間のABS買い入れを実施することになる。それでもデフレ懸念が払拭されなければ、その先には“国債購入”などの非伝統的金融政策(量的緩和策)に、更に一歩、踏み込む可能性も出てきた。今回の発表を契機にユーロ安が加速、その一方で米国の量的緩和策終了の時期が秒読み段階となっていることから、対米ドルの円高も一気に105円/米ドル台後半まで進み、08年10月初めの円高水準となった。

・5日発表の米国の「8月の雇用統計」は、非農業雇用者数が「14.2万人」と市場予測22.5万人に大幅未達、米国労働市場回復の目途20万人を7カ月ぶりに下回った。但し、失業率は7月6.2%から8月6.1%へと改善するなど、緩やかながら雇用の回復傾向は続いているとの認識は変わらない。米国での早期の利上げ観測が強まる中、その過熱ムードを冷やすには“ほど良い”発表だったと言え、利上げに対する慎重姿勢が強調されるなどで週末のNYダウは一転して前日比“67.78ドル高”となった。なお、4日に発表された「8月のISM非製造業景況感指数」は前月比下落との市場予想に反して「59.6」と7月58.7から上昇。同指数の算出が始まった08年1月以降では最高を記録し米景気回復の腰は強いことが確認されている。

◆105円/米ドルを挟む為替推移で日本株は底堅く、先行き支援材料への期待で強基調の展開も

・・ ECBの利下げ発表、先行き期待の高まる内閣改造の実現、米雇用統計の発表とビッグイベントを通過、懸念されたウクライナ情勢の緊張緩和の方向に進むなど、当面は大きな手掛かり材料に欠けるが、為替が105円/米ドルを挟んだ円安気味の水準で推移しそうなことが日本株市場を支えて引き続き下値の堅いマーケット展開になりそうだ。国内マクロ・ミクロ指標の弱さを指摘する声が高まっているが、4日の記者会見で黒田日銀総裁は景気下振れを認識するような発言をしており、追加緩和策への期待が再び高まる可能性もある。また、新内閣は15年10月の消費税率10%への引き上げを本年12月までに判定することになるが、再引き上げを確定させるために早めの景気対策を講じる可能性もあり得る。GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)改革を主張してきた塩崎氏が厚生労働相に就任したことで、GPIFの株式買い入れ拡大が現実的なものになりそうだ。そのような状況の中で日本株市場はむしろ強基調の展開となる可能性が高い。

(中島)

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