マーケットレポート

マーケットの視点

今週は1万6000円を突破し、なお先高観の強い展開となる可能性は高い

◆日本株市場は堅調、TOPIXは08年7月以来の高値、日経平均株価も1万6000円突破が視野に

・先週は世界株市場が総じて軟調な展開となる中、日本株市場は堅調な推移だった。日経平均株価、TOPIXとも5連騰となり、日経平均株価は週間で前週末比“279.61円高、1.78%上昇”、12日にはザラ場高値「1万5984円90銭」と1万6000円に迫り、終値では「1万5948円29銭」と1月9日以来のザラ場での1万6000円台乗せ、そして1月8日終値「1万6121円45銭」以来の1万6000円台が見えて来た。一気に昨年末高値である「1万6291円31銭」が視野に入る水準まで上昇している。TOPIXは、10日終値が「1306.79ポイント」と1300ポイント突破を達成し一足早く昨年来高値である本年1月8日「1306.23ポイント」を上回り、12日終値は「1313.72ポイント」と08年7月24日「1332.57ポイント」以来の高値水準となった。

・一方、先週までの海外株市場は、上海総合、印SENSEXは小幅上昇となったが、他は軒並み下落した。最大の下落幅はブラジルの6.19%で、9日に米ムーディーズがブラジル国債の格付けを「安定的」から「ネガティブ」に変更したため。ロシアも3.50%下落となったが、EUがロシアへの追加制裁発動を決定したため。他は総じて米国の利上げ観測が強まったことへの警戒感が背景となっている。5日に米S&P500が史上最高値を更新、NYダウも「1万7137ドル36セント」と史上最高値の7月16日「1万7138ドル20セント」にほぼ並んだ後、先週はNASDAQを含めて軟調な展開となったものの、週末はNYダウ「1万6987ドル51セント」、S&P500「1985.54ポイント」、NASDAQ「4567.60ポイント」と底堅い水準を維持している。欧州株市場も同様で、独DAXは8日まで7連騰の後に12日まで4日続落、英FTSE100も4日までの5連騰の後に軟調な展開となったが、連騰後の下落率はともに1%程度と小幅調整に止まっている。

◆為替はさらに円安が強まり、早期の補正予算編成が議論される公算も大きい

・為替が一気に円安へと振れている。12日の東京市場で「107円39銭/米ドル」と08年9月以来の107円/米ドル台に進んだ。08年9月15日に勃発したリーマン・ショックを契機に世界大不況、株式市場暴落、歴史的な円高水準に急進したが、為替はようやくその起点まで遡って来たことになる。米FRBの量的緩和縮小は順調に進み、来週16~17日開催のFOMCで資産購入額を更に100億ドル減額すれば、残りは150億ドルであり、10月にも解消する可能性は高く、量的緩和策の終了は既に秒読み段階にある。一方で、米国の経済指標は、順調に回復傾向を示すものが多く、最大の課題であった住宅市場の回復も順調な模様である。従って、量的緩和終了後、今度はゼロ金利策の解除、すなわち、利上げが視線に入って来るのは確実であり、米ドルは強含みで推移する可能性が高い。

・一方、日本経済は、豪雨被害や大雨などの天候不順も影響し消費増税後の消費回復が芳しくない。また、円安が定着しているにも拘わらず、輸出が一向に本格的な回復に転じて来ない。更に、生産拠点の海外移転が続いていることから、国内の設備投資はメンテナンスを中心とする企業が多いことから、回復テンポが鈍い。14年4~6月期の実質GDP成長率は速報値の前期比年率6.8%減が同7.1%減へと下方修正され、7~9月期は回復には転じるものの、これまで想定しているよりも緩やかな回復になるとの見方が多くなっている。これまで黒田日銀総裁は比較的強気な発言が目立っていたが、今後の経済指標によっては、改めて日銀が追加緩和に踏み切るとの見方が台頭してくる可能性もある。そうなれば、米国の利上げに対する日本の追加緩和という構図の中で、日米金利差拡大が一層、意識されることになり、一段と“ドル高・円安”へと進む公算が大きい。

・15年10月の消費税率10%への引き上げに関しては、11月17日に発表する「14年7~9月期のGDP成長率」、経済情勢を総合的に勘案した上で12月に安倍首相が最終決断を下す予定だ。15年4月に地方統一選挙を控えていることから難しい選択になり、延期となることもあり得る。しかし、消費税率の引き上げは、日本の財政再建にとっては必要条件の一つで、世界からの注目度も高いため、可能な限りは引き上げの方向に持って行く努力を図る必要がある。従って、景気回復遅れを挽回するために早期の補正予算編成が議論される可能性も出て来よう。難しい舵取りではあるが、安倍政権の経済優先を実現する一方で、債券、株式市場への影響を和らげるための新たな増税案を改めて示すなど、マーケットの失望を防ぐための施策を講じる可能性が高いとのではと予想する。

(中島)

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