マーケットレポート

マーケットの視点

当面、好調なマーケットが持続、日本株もリーマン・ショック前の高値を目指す展開となるか

◆米国株急伸、円安進展で日経平均株価は一気に昨年末高値を越え07年11月以来の高値水準

・世界の金融市場は一気にヒートアップした。米FOMCが最良となった結果を受けて米国株高、ドル高が一気に進んだ。不安材料として台頭していた英国のスコットランド独立問題に関する住民投票が反対55%の結果となったことも追い風となった。NYダウは19日まで5連騰、17日終値が「1万7156ドル85セント」と史上最高値の7月16日「1万7138ドル20セント」を2カ月ぶりに更新、19日「1万7279ドル74セントまで3日連続の史上最高値更新と続伸した。S&P500、NASDAQ総合指数も18日まで3連騰し、S&P500は18日終値で「2011.36ポイント」と9日ぶりに史上最高値更新、NASDAQ総合指数も「4593.43ポイント」と昨年来高値の9月2日「4598.19ポイント」に迫ったが、19日は小反落して終えた。欧州株市場も本格反転したことに加えて、為替が一気に109円/米ドル台半ば、141円/ユーロ近くまで円安水準へと進んだ。

・日経平均株価は3連休明けの16日に6日ぶりに反落し17日に続落したものの、米国株急伸、円安進展、スコットランド住民投票の好結果を受けて、18日に前日比“178.90円高”の「1万6067円57銭」と1月8日以来の1万6000円突破となり、19日は同“253.60円高”と更に大幅上昇し、終値は「1万6321円17銭」と、ついに昨年末高値12月30日「1万6291円31銭」を一気に上回り、07年11月2日「1万6517円48銭」以来の高値水準となった。そして、その4カ月前の7月9日「1万8261円98銭」がリーマン・ショック前の高値であり、米国株を中心に多くが軒並みリーマン・ショック前の高値水準を更新する中、この先、いよいよ日本株市場がこの水準にチャレンジする展開となるかが今後の焦点となってこよう。

◆米FOMCの絶妙な結果で金融相場と業績相場が同居する、マーケットに最も好都合な状況に

・先週16~17日のFOMC後のイエレンFRB議長の記者会見は、株式、債券市場のどちらにも好意的に受け止められる内容だった。まさしく、寸分の狂いもなく計算されたような絶妙な“玉虫色”のメッセージだった。量的緩和策第3弾による追加証券購入額は100億ドル減って残りは150億ドルとなり、これを10月28~29日に開催する次回FOMCで終了させることを決定し明言したが、これはほぼ予想通り。その一方で、利上げ開始となる「ゼロ金利政策解除」に対して、今回は“量的緩和策終了後の『相当な期間』に亘り事実上のゼロ金利を続ける”との文言から『相当な期間』を削除して利上げへの準備を匂わすのではとの見方が多かったが、これを見事に裏切りそのまま据え置いた。そして、ゼロ金利政策解除に関しては、慎重に判断するとし、「経済データ次第だ」と金融政策に対する慎重かつ柔軟な姿勢を改めて強調した。

・結果的に“米国株高/ドル高”が同時に進んだ。株式市場は「ゼロ金利政策は相当期間続くことを根拠に金融緩和状態はすぐには終わらない」と、債券市場・為替市場は「量的緩和策終了の宣言でいずれにしても米利上げは視野に入った」と解釈した。株高・債券高、すなわち、あたかも“金融相場”と“業績相場”が同居している。このような“どっちつかずのほど良い投資環境”は理想的だが、通常はどちらかに大きく振れることから、ほとんどはあり得ない。この好環境が崩れることで調整局面入りすることを警戒しながら進まなければならないが、米景気は順調であり、次回の米FOMCまでの1カ月猶予の間、激変することはないと考えても良いのではないだろうか。それまで10月上旬以降に米国企業の7~9月期決算発表があるが、14年度後半に業績上昇基調が強まると予想されていることから、この点も問題はなさそうだ。

◆円安基調は続き、世界経済回復促進はわが国企業への貢献も大きく、日本株の堅調が続こう

・20~21日に豪州ケアンズで開催されたG20財務相・中央銀行総裁会議で“ドル独歩高”が事実上容認された。更に、改めて世界経済の弱さを確認し、各国におけるインフラ投資、雇用対策を重点とする需要拡大策の推進で、世界経済成長率を2018年までに2%程度高める努力を進めることで同意した。結果的に、円安トレンドが続くと同時に、グローバル比率が一段と高まりつつある日本企業が業績面で恩恵を受けることになろう。足下の国内景気は回復遅れが指摘されているが、4~6月期を底に7~9月期、10~12月期と回復歩調を辿ることは間違いない。当面は好調なマーケット展開が続く見通しだ。

(中島)

今週の主要スケジュール

週間スケジュール
クリックして拡大


国内株取引のリスク
株価の変動、および為替の変動等(外国株式の場合)により損失が生じるおそれがあります。
国内株取引の手数料について
国内株の手数料は多岐に渡っているため、このスペースに表示するのが難しいため、詳細は国内株の「手数料とリスクについて」でご確認ください。
株式は、クーリング・オフの対象にはなりません
詳しくは手数料とリスクについてをご覧ください。