マーケットレポート

マーケットの視点

波乱展開でも円安基調に支えられて堅調な展開、好業績企業の株価上昇へ期待高まる

◆地政学リスク再燃、米国利上げ意識の高まりで波乱展開となったものの、総じて堅調な推移

・さすがに先週の世界株市場は上昇一服となった。22日に米軍が中東5カ国とともにシリアの「イスラム国」を標的に空爆を開始したことによって地政学リスクが再燃したことに加えて、米国の利上げが改めて意識され、先々週が軒並み上昇したことの反動からも、投資マネーは引き気味の状態になった。しかし、例えば、NYダウは25日に前日比“264.26ドル安”となって「1万6945ドル80セント」と9営業日ぶりに1万7000ドル割れとなったが、26日に発表された「14年4~6月期実質GDP成長率」が改定値の前期比年率4.2%増から同4.6%増へと更に増額修正されたことを好感して前日比“167.35ドル高”と今年5番目の上昇幅を記録し26日終値が「1万7113ドル15セント」と大台を維持して終えるなど、悲観ムードはない。

・日経平均株価も一進一退の動きで、23、24日は利食い売りに押されたが、25日は前日のNYダウが前日比“154.19ドル高”と3日ぶりに急反発するなど欧米株市場が軒並み上昇に転じたこと、為替が再び109円/米ドル台の円安水準に進んだこと、9月末配当の権利付売買の最終日だったことなどで同“206.69円高”と急反発に転じた。結果的には高値引けで、終値は「1万6374円14銭」と3営業日ぶりに年初来高値を更新した。26日は、為替が109円/米ドルを挟んで揉み合いとなったこと、25日の米国株市場がAppleの最新版iOSの不具合ニュースなどで、欧州株市場が米利上げへの警戒で急反落したことを受けて寄り付きは同“286.19円安”と、いきなりこの日の最安値で始まった。

・しかし、すぐに買い戻しが入り、その後もジワジワと戻り歩調を続け、最終的には同“144.28円安”の「1万6229円86銭」で引けた。9月末配当の権利落ち分が約90円なので、実質的には50円程度の下げと、堅調な展開だった。週間ベースでは前週末比“91.31円安”と4週間ぶりの下落となったものの、年初来高値を更新する急騰が続いた割には小幅な下落であり、改めて上昇意欲を感じさせるマーケット展開となっている。26日の東証1部の騰落レシオ(25日移動平均)は「111.61%」と過熱感を強く感じることのない落ち着いた状況となっている。

◆「イスラム国」攻撃が認容され不安は拭えないが、米国景気は順調でドル高歩調が続こう

・「イスラム国」に対するシリア空爆については、ロシアなどから国連安全保障面から国際法上で非合法との指摘もあったが、オバマ大統領が国連総会での一般討論演説で“有志連合への参加”を呼び掛けてほぼ同意を得られ、今回の空爆にはサウジアラビア、ヨルダン、UAE、バーレーン、カタールの中東5カ国も参加したことやシリア政府からも一定の理解を得られたことで、「イスラム国」壊滅への方向で結束する格好となっている。しかし、掃討するためには空爆だけではなく地上攻撃も必要となりそうなことから、戦闘長期化や「イスラム国」の反撃として各国での“テロ攻撃”が勃発する可能性があり不安は拭い得ない。

・米国の「14年4~6月期実質GDP成長率」が前期比年率4.6%増へと上方修正されたこと、24日に米商務省が発表した「8月の新築一戸建て住宅販売件数」が前月比18.0%増と1992年1月以来の高い伸びとなったことなど、米国景気回復は盤石なものになりつつあるとの認識は高まっている。従って、米国が利上げに向かって着実に進むことはもはや明確であり、基本的にはドル高トレンドが続くことになりそうだ。新興国株市場や商品市場から米国への資金還流がマーケットリスクとして意識されることになるが、日本にとっては円安が更に進むことは決してマイナスではない。円安でも海外生産移管の進展で輸出回復は鈍いが、グローバル企業にとって海外子会社の業績を円換算した時の円安寄与は大きい。また、輸入物価上昇や原材料コスト上昇は『デフレ脱却』に向けての動きを支える側面もあると考えられる。

◆好業績企業の株価上昇への期待は高まりそう、円安基調にも支えられ日本株の堅調が続く予想

・ファナックが25日に従来予想の15.3期純利益1465億円、前期比32%増を1851億円、同67%増へと大幅増額修正したことで、26日の株価は前日比“805円高、4.13%上昇”と大幅に逆行高した。10月は決算発表シーズンに入るが、好業績企業の株価上昇へ期待は高まりそうだ。今週は、29日に臨時国会召集、1日には「日銀短観<9月調査>」の発表、3日に「9月の米雇用統計」とビッグイベント、重要指標の発表が相次ぐ。円安基調の為替トレンドに支えられることもあって、今週の日本株市場も堅調な展開が続く見通しだ。

(中島)

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