マーケットレポート

マーケットの視点

深い調整に陥ったものの下げ止まる展開となれば、急落した主力株の押し目買いを

◆世界株市場は一気に調整深め、英独仏株市場が年初来安値、米国株市場の大幅乱高下が続く

・世界株市場は一気に調整を深めた。日経平均株価は6日こそ前週末比“182.30円高”と前週末のNYダウの1万7000ドル台復帰と円安反転で大きく戻したが、13日まで4日続落となり4日間で“590.40円安”。先週末株価は「1万5300円55銭」と前週末比“408.10円安”と3週連続の下落、9月25日の昨年来高値「1万6374円14銭」に対して“1073.59円安、6.56%下落”となった。ドイツ経済の陰りが強まり、欧州全体にデフレ懸念が忍び寄る欧州株市場は英独仏株市場とも年初来安値を下回った。特に、独DAXはまさに釣瓶落としで先週末は前日比“216.21ポイント安”と今年3番目の下げ幅となり「8788.81ポイント」と13年10月28日以来の9000ポイント割れとなり、史上最高値の7月3日「10029.40ポイント」からは“1240.62ポイント、12.37%”もの調整下落となった。

・米国株市場の乱高下が凄まじい。NYダウは9月19日に「1万7279ドル74セント」の史上最高値を記録した後、日々の変動幅が大きい展開が続いている。13日までの16営業日のうち、100ドル超の下げ幅が8営業日、100ドル超の上げ幅が4営業日と合わせて12営業日が100ドルを超えるという荒っぽい相場。しかも下げ幅200ドル超~300ドル未満が4回、300ドル超が1回で100ドル超の下げ幅の合計は“1671.99ドル安と、過去に何度か“10月の大暴落”が時間をかけて実現されたのに等しい。S&P500も同様で、13日の終値は「1874.74ポイント」と、5月22日以来の1900ポイント割れとなった。米利上げ実施が早まることによる“リスクオフ”への不安と、順調な経済指標が発表されることによる米国経済への安心が入り混じっている。まさに、「金融相場」から「業績相場」への移行期特特有の“生みの苦しみ”に伴う乱高下相場を経ている段階にある。

◆IMF世界経済見通しの下方修正を契機に世界経済の成長鈍化懸念が一層強まったことが背景

・今回の世界株市場の大波乱の背景は7日に発表されたIMFの世界経済見通しの下方修正。既に9月15日にOECDが5月予想の14、15年見通しを以下の通りに下方修正していた。米国~2.6%→2.1%、3.5%→3.1%、ユーロ圏~1.2%→0.8%、1.7%→1.1%、日本~1.2%→0.9%、1.2%→1.1%。今回、IMF見通しは、7月予想に対して世界全体~3.4%→3.3%、米国~1.7%→2.2%、3.1%→3.1%、ユーロ圏~1.1%→0.8%、1.5%→1.3%、ドイツ~1.9%→1.4%、1.7%→1.5%、日本~1.6%→0.9%、1.0%→0.8%、新興市場及び途上国・地域~4.5%→4.4%、5.2%→5.0%、ブラジル1.3%→0.3%、2.0%→1.4%へと下方修正された。日本とドイツの下方修正幅の大きさが目立ち、途上国の14年見通しはブラジルが大幅下方修正となって、13年4月の発表以来一貫して減速傾向に歯止めがきかない。

・日本は消費増税後の消費回復遅れが理由で、欧州の牽引役であるドイツ経済にもブレーキがかかっている。7日にドイツ経済省が発表した「8月の鉱工業生産」は前月比4.0%減、9日にドイツ連邦統計庁が発表した「8月の貿易統計」も輸出が同5.8%減となり、ともに09年1月以来の大幅な落ち込みとなった。ドイツのGDP成長率は4~6月期に前期比0.2%減と急減速しているが、7~9月期も厳しいとの見方が強まっており、2四半期連続マイナスとなれば、景気後退との認識になる。実際に、ラガルドIMF専務理事が記者会見で語気を強めて欧州経済に関して“リセッション”と表現していたことが印象的だった。ドイツ経済は、リーマン・ショック後、南欧諸国の債務国問題の最中でもユーロ圏域内への輸出を支えに好調を維持してきたのが息切れ気味で、欧州経済全般に沈滞ムードが強まれば中国の欧州向け輸出も一段と足踏みするなど、世界経済減速が長引く可能性も高まることになる。

◆為替が落ち着き、欧米株市場も下げ止まれば、来週以降に決算発表を控えて下げ止まる展開へ

・為替がリスク回避から106円/米ドル台まで一時的に円高が進んだが、このまま一気に円高傾向が強まるとは考えられず、再び110円/米ドル近辺への円安に振れる可能性の方が高いと予想する。週明けの米国株市場は続落したが、英独仏株市場とも反転している。今週は米国企業の14年7~9月期決算発表も本格化する。今週の日経平均株価も急落でスタートしたが、10日の東証1部の騰落レシオ(25日移動平均)は“77.84%”まで低下している。来週以降に国内の4~9月期決算を控えていることもあって、下げ止まる展開に転じることになりそうだ。予想外に急落した主力株の押し目買いのチャンンスとも捉えたい。

(中島)

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