マーケットレポート

マーケットの視点

待望の日銀『追加緩和』で円安も急加速、1万7000円越えから更に上値追いへの期待高まる

◆米NYダウ、S&P500は史上最高値を更新、日経平均株価も7年ぶりの高値水準までに急回復

・先週の世界株市場は、先々週までの大幅調整後の戻り歩調の中で、以下の“3弾ロケット”の打ち上げで主要な全市場とも大幅上昇となった。内容は、①28~29日に米FRBがFOMCでQE3(量的緩和策第3弾)終了を決定すると同時にゼロ金利政策について“相当な期間、維持するのが適切”との表現を据え置いた、②30日に発表された米国の7~9月期・実質GDP成長率が前期比年率“3.5%増”と予想を上回る結果となった、そして、③31日の日銀金融政策決定会合後の記者会見で黒田総裁が予想外の追加金融策を発表したことである。

・週間の上昇率では、日経平均株価が“7.34%”と、なんと2週連続してトップとなる急騰ぶりとなった。次いでロシアRTS“5.28%”、ブラジル・ボべスバ“5.17%”、中国・上海総合“5.12%”、南アフリカFTES/JSEトップ40“4.00%”、印SENSEX“3.78%”と新興国株市場が軒並み急回復となり、欧米株市場もドイツDAX“3.77%”、米NYダウ“3.48%”、米NASDAQ総合指数“3.28%”、米S&P500“2.72%”、仏CAC40“2.52%”、英FTSE100“2.47%”の全面高となった。

・印SENSEXは30、31日と史上最高値を更新、上海総合指数は28日から週明けの11月3日まで5営業日連続で年初来高値を更新、米国株市場では、NASDAQ総合指数が31日、3日と年初来高値を連続更新し31日「4630.74ポイント」は2000年3月29日「4644.67ポイント」以来の4600ポイント台乗せを記録、S&P500が9月18日の史上最高値を31日に更新、NYダウは28日に10月3日以来の17000ドル台を回復し30日に前日比“221.11ドル高”、31日に同“195.10ドル高”で一気に「1万7390ドル52セント」と9月19日「1万7279ドル74セント」を更新し史上最高値となり、週明けは急騰後の利食い売りに押されながらも買い意欲旺盛で前週末比“24.28ドル安”に止まった。

・日経平均株価は、前週末比“1122.12円高”と、昨年11月11日の週の“1079.12円高(7.66%上昇)”を上回る上昇幅を記録。31日は黒田日銀総裁の記者会見前に既に前日比200円超の上昇となっていたが、誰もが予想しなかった『バズーカ第2弾』で一気に急騰、ザラ場高値は同“875.71円高”の「1万6533円91銭」と1万6500円を突破、終値は同“755.56円高”と1日の上昇幅では08年10月30日の“817.86円高”以来の上昇幅で、「1万6413円76銭」と07年11月2日「1万6517円48銭」以来、7年ぶりの高値水準で引けた。なお、08年10月30日の“817.86円高”はリーマン・ショック後の急落で10月27日に「7162円90銭」というバブル崩壊後の安値を付けた直後の上昇記録。

◆日銀の追加緩和は威力甚大、GPIFの資産構成変更の支援も大きく、株価の大幅上昇が続こう

・日銀の追加緩和は、昨年末の9連騰の背景でもあったように、何度も期待されながらもその度に黒田総裁の強気発言で裏切られ、14年に入って欧米株市場に日本株市場が出遅れていた一つの要因は追加緩和期待の後退でもあった。その後、消費増税後の景気回復の足取りが鈍く、世界経済の減速懸念が高まる中でも黒田総裁の強気発言が続いたために、誰もが日銀の追加緩和は当面ないものと信じており、31日の金融政策決定会合でも何もないだろうとの予想に反して飛び出した、まさに意表を突く『追加緩和』だっただけに効果は甚大だった。具体的には、量的側面は年間ベースで資金供給量を60~70兆円→80兆円、長期国債購入額50兆円→80兆円、質的側面は国債残存期間7年程度→7~10年、年間購入額をETF1兆円→3兆円、REIT300億円→900億円と、キーワードを前回の「2倍」から今回は「3倍」にパワーアップさせた。

・更に、同日にGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)が資産運用の新しい資産構成比(%)を「国内債券60(±8)→35(±10)、国内株式12(±6)→25(±9)、海外債券11(±5)→15(±4)、海外株式12(±5)→25(±8)」に変更する方針を発表したことも大きい。GPIFの国債売りを日銀が吸収し、その売却代金を株式市場に注ぎ込み、海外資産を23%→40%へと急上昇させることは“円売りドル買い”となり、すなわち“円安”を支援する。まさに、『円安・株高』への見事な連携プレイとも言える。為替は、3日の海外市場で一気に114円/米ドル台の円安水準まで進み、110円/米ドル突破、来年には115~120円/米ドルに達するとも見方も出ている。日銀の追加緩和で相当出遅れていた不動産、メガバンク、証券株や大型株が大幅に値を戻し続け、円安が更に進むことで自動車、電機を中心にグローバル関連の上昇が期待される。14年度の企業業績は上方修正されて7年ぶりに過去最高を更新する可能性は高い。1万7000円突破は通過点であって、先行きリーマン・ショック直前の高値「1万8261円98銭」に挑戦する展開もあり得よう。

(中島)

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