マーケットレポート

マーケットの視点

「消費増税先送り・衆院解散総選挙」決定となりそう、押し目買い・出遅れ物色のチャンス

◆日経平均株価は4週連続の大幅上昇、NYダウ・S&P500も史上最高値の更新継続と好調

・先週の日経平均株価は前週末比“610.45円高、3.62%上昇”で4週連続の大幅上昇となり、この間の上昇は累計で“2958.32円、20.36%”に達した。終値ベースでも11日に「1万7124円11銭」と07年10月18日「1万7106円09銭」以来の1万7000円台に乗せ、14日は寄り付きがザラ場高値となって「1万7520円54銭」と1万7500円の節目を突破し、終値は「1万7490円19銭」で引けた。13、14日とも利食い売りに押されて前日比“97.10円安、92.60円安”と100円近く下落する場面もあったが、押し目買い意欲が強く、結局は同“195.74円高、98.04円高”で終えている。週間上昇率で世界の主要株式市場ではトルコの“4.17%上昇”に次いで第2位だったが、トルコは前週に“3.25%下落”とロシア、イタリアに次ぐ下落率第3位からの反転上昇であり、実質的には4週連続トップに等しい好調ぶりを続けた。

・先週の世界株市場は、上海総合指数が10、12日と年初来高値を更新し12日終値は「2494.48ポイント」と、11年11月15日「2529.76ポイント」以来の高値水準で2500ポイント台乗せに迫り、印SENSEXも史上最高値を更新するなどアジア株市場全般に上昇が目立った。欧米株市場も堅調な上昇となり、英TTSE、独DAX、仏CAC40、米S&P500とも12日以外は4営業日上昇、NASDAQは5日連続で上昇となった。NASDAQは5日連続で年初来高値を更新、NYダウは12、14日に小幅下落となったものの、S&P500とともに11日まで5営業日連続で史上最高値を更新、13日も「1万7652ドル79セント」と史上最高値を更新、S&P500も14日に「2039.82ポイント」と史上最高値を更新している。

◆14年7~9月期は予想外のマイナス成長、「消費増税先送り・衆院解散総選挙」の公算強まる

・焦点は「消費増税の先送りと衆院解散総選挙」になっている。17日朝に発表された「14年7~9月期GDP」は前期比年率“1.6%減”と予想以上に厳しい結果が出た。ESPフォーキャスト調査による42人・機関を集計した平均は9月上旬「4.01%」→10月上旬「3.66%」→11月上旬「2.47%」と下方修正が続いていたが、更に大きく下回るマイナス成長となった。これで、4~6月期の同7.1%減に続き2四半期連続マイナスとなった。14年4~6月期は消費増税の反動減という特殊要因があるが、通常であれば2四半期連続マイナスは“景気後退期入り”と判定される。消費増税はわが国の財政再建にとっては絶対不可欠だが、このタイミングでの消費税率引き上げの決定は更に消費者心理を冷やして完全な景気腰折れを招きかねない。

・従って、今回、15年10月の消費増税を先送りすることは現実的であり、最終的にはマーケットも納得するものと考える。15年10月に消費税率を10%にすると定めた『消費税法』の中には、「経済成長率、物価動向等を総合的に勘案した上で、施行の停止を含め所要の措置を講じ経済状況を好転させる」という“景気条項”が盛り込まれており、現在の経済情勢では先送りすることに対して法律違反の問題は発生しない。一方で、先送りすれば財政再建に対する不安が高まることで日本国債が暴落するという指摘がある。しかし、10月31日の日銀の追加緩和決定が実質的に国債を買い支えることもあって、国債暴落というのは考えにくい。安倍首相のブレーンの一人で経済政策のバックボーンとなっている浜田宏一・米エール大名誉教授は先送りを提言しており、08年にノーベル経済学賞を受賞したポール・クルーグマン米プリンストン大教授も安倍首相との会談で15年10月の消費増税に対して強く反対を唱えている。

・問題は、衆院解散総選挙だが、様々な情報によると、安倍首相がそのように踏み切る可能性は高そうだ。大義がないとの議論はあるが、今回総選挙を行うと次の総選挙は4年後の2018年となり、総選挙を行わない場合に比べて2年間長く政権維持が可能なる。今後、安全保障問題、法人税率引き下げ、デフレ脱却が実現しているかどうかなど、現政権の支持率を揺るがしかねない課題が幾度となく訪れる。それを乗り切って長期“安定政権”を実現するために、今回、衆院解散総選挙を実施することは一つの方策であり、政局が不安定化することを回避して『日本再興』を目指すという意味では先行きの日本にとってはプラスに働くとも評価出来よう。12月2日解散、14日あるいは21日の総選挙という見方が有力だが、どうなるか注目したい。

◆急速な大幅上昇後で上昇一服となりそうだが、押し目買い、出遅れ銘柄買いのチャンスに

・さすがに、日経平均株価は4週連続で急速に大幅上昇を続け、この間、20%超の上昇率となっただけに過熱気味で高値警戒感が出ている。米国株市場も、史上最高値、年初来高値の更新が続いてはいるものの、さすがに上昇の勢いは弱まっており高値警戒感もあり、決算発表、中間選挙、QE3終了決定のFOMCなどのビッグイベントも通過して落ち着いており、上昇一服となる可能性は高い。今回、14年7~9月期の実質GDP成長率がマイナスとショッキングな数字で出たことを懸念し、消費税先送り・衆院解散総選挙の決定を材料出尽くしと捉えて日本株市場は揉み合うか、一旦は調整下落に転じる可能性が高い。

・しかし、個別株価では年初来高値を更新するものが多く、史上最高値を更新した銘柄も目立つ反面、鉄鋼、メガバンク、不動産株など業績が順調でもまだまだ出遅れ感が強い銘柄も少なくない。また、15日の日経新聞によると、今回の決算発表を集計した結果、14年4~9月期の経常利益は金融を除く全産業で前年同期比10.3%増の実績で、15年3月期の通期見通しは第1四半期決算発表時の前期比1%増に対して同2.5%増へと上方修正され、過去最高だった08年3月期に比べて99%水準に迫るとしている。製造業が電機、自動車、機械の好調で上期13.5%増益、通期7.6%増益の見通し、非製造業が商社、小売の低調で上期6.0%増益、通期4.9%減益の見通し。今回、下期の為替想定はほぼ105円/米ドル、135円/ユーロであり、電機、自動車を中心に更に増額修正されて7年ぶりに過去最高を更新するのは間違いないものと予想する。為替は、米国の利上げ、日本の追加緩和の構図の中で120円/米ドルを睨む円安へと進む可能性は高い。

・日銀の追加緩和によるETF購入、GPIFの株式比率の引き上げをベースとする需給面での後押しによる下値買い支えも期待される。日銀による追加緩和決定、景気を配慮した消費増税の先送り、衆院解散総選挙の結果による長期安定政権への期待などによって、海外投資家が日本株市場をポジティブに考える要素が揃って来ている。従って、今後の調整下落は押し目買いや、出遅れ感の強い銘柄群をじっくりと仕込むチャンスであると考える。

(中島)

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