マーケットレポート

マーケットの視点

2年振り、2回連続の「師走選挙」に突入、先高期待は強く下落局面では押し目買いを

◆GDPショック、衆院解散総選挙と劇的な中でも堅調な推移、米国株好調、欧州株も持ち直し

・先週17日の日経平均株価は、「14年7~9月期・実質GDP」が前期比年率1.6%減と誰もが予想しなかった2期連続マイナス成長と発表されたことで前週末比“517.03円安”のショック安となった。しかし、これを受けて17日に豪州ブリスベン・G20サミットから帰国した安倍首相は『消費増税先送り・衆院解散総選挙』の意向を固めたと伝えられ、18日19時過ぎに記者会見を開き、消費税率の引き上げを1年半先送りして再延期せずに17年4月に10%にするとし、21日に衆議院を解散し総選挙を行うことで信を問うとした。2期連続マイナス成長は衝撃的だったが、即座に消費増税延期を決定したことで景気腰折れに対する不安が和らぎ、18日は前日比“370.26円高”と大幅に値を戻し、その後も堅調な推移が続いた。21日の終値は前週末比“133.32円安”の「1万7357円51銭」と4週間ぶりの下落となったものの底堅い。

・米国株市場は引き続き好調である。NYダウ、S&P500は史上高値を更新し続け、NASDAQ総合指数も年初来高値を更新し4700ポイントを突破した。NYダウは24日に「1万7817ドル90セント」と1万7800ドル台に乗せ1万8000ドル突破が見え、S&P500も同「2069.41ポイント」と着実に2100ポイント突破に近付いている。また、史上最高値更新が遠かったNASDAQ総合指数も同「4754.89ポイント」と2000年3月10日の史上最高値「5048.62ポイント」を射程に捉えるところまで上昇している。

・景気後退懸念が強く株価低迷が続いていた欧州株市場も息を吹き返している。独DAXは24日まで8営業日連続の上昇を記録した。とりわけ21日は中国人民銀行が「貸出金利を0.4%下げて5.6%、預金金利を0.25%下げて2.75%」とする利下げを12年7月以来、2年4カ月ぶりに実施、ドラギECB総裁が講演会で12月4日のECB理事会において量的緩和の実施時期と手法を決めると発言したことで、前日比“248.58ポイント高”の大幅上昇となった。仏CAC40も同“113.02ポイント高”、英FTSE1000も同“71.86ポイント高”急騰した。

◆選挙期間中は様子見展開が多く、先行きの期待から調整があれば押し目買いのチャンスに

・14年7~9月期実質GDPが前期比年率1.6%減となった内訳として、消費増税前の駆け込み需要の反動減からの販売回復が芳しくないために多くの企業が生産を抑制し在庫調整を行ったことの影響が大きいと指摘されている。民間在庫圧縮が実質GDPを0.6ポイント押し下げており、この影響を除くと前期比年率1.0%増のプラス成長と試算されるが、それでも回復テンポは極めて鈍い。住宅投資が同6.7%減、設備投資が同0.2%減となっているのが響いており、個人消費は同0.4%増とプラスに転じたものの、4~9月期5.0%減からの回復としては緩慢だ。民間予測機関は今回のマイナス成長を受けて一斉に14年度見通しをマイナス成長に下方修正しており、安倍首相が消費増税先送りを即座に決定したのは妥当な判断と言えよう。

・21日に衆議院解散が挙行され、「12月2日公示・14日投開票」の日程で2年振り、2回連続での“師走選挙”に向けて自公対野党の選挙戦の火蓋が切られた。解散時の自公勢力は326議席で自民党295議席、議席を減らす可能性は高いが現時点では自公優勢は変わらないものと予想される。自公連立がどれくらいの議席減少で踏み止まるかが焦点で、新しい議員定数は5議席減少で475議席となり、過半数獲得は238議席、17の常任委員会で委員長を独占し委員の半数を確保するための安定多数は249議席、更に委員の過半数を確保するための絶対安定多数は266議席、衆議院での再可決を可能とする3分の2獲得は317議席。

・選挙期間中の株式市場は、過去のパターンから見て様子見ムードとなることから、大きな変動はない可能性が高いが、今週の27日のOPEC総会の結果や来週の4日のECB理事会、5日の米国の「11月の雇用統計」の発表など、外部要因には要注意が必要だ。東証1部の騰落レシオが21日に「134.78%」まで急上昇、予想PERも日経225ベース「16.29倍」、東証1部ベース「17.08倍」まで高まっており、決算発表が一段落したこともあって、高値警戒から調整に転じ易い状況にある。しかし、14年4~9月期決算発表の結果から15.3期業績が上方修正される可能性が高いこと、衆院選後にアベノミクス第二弾への期待が高まることなどを考えれば、引き続き下落局面では押し目買いのチャンスと言えそうだ。

(中島)

今週の主要スケジュール

週間スケジュール
クリックして拡大


国内株取引のリスク
株価の変動、および為替の変動等(外国株式の場合)により損失が生じるおそれがあります。
国内株取引の手数料について
国内株の手数料は多岐に渡っているため、このスペースに表示するのが難しいため、詳細は国内株の「手数料とリスクについて」でご確認ください。
株式は、クーリング・オフの対象にはなりません
詳しくは手数料とリスクについてをご覧ください。