マーケットレポート

マーケットの視点

米国株高、ドル高・円安への復帰、安倍政権再始動の期待で先高感が強まりそう

◆イエレン議長発言で世界株市場は息を吹き返し、NYダウは史上最高値接近、日本株も大幅上昇

・先週の日経平均株価は、15、16日に2日間で“646.26円安”となり、16日終値が「1万6755円32銭」と11月17日以来の1万7000円割れとなったが、17~19日に3連騰で“866.08円高”と急回復し、19日終値は「1万7621円40銭」で引けた。18日は“390.32円高”、19日も“411.35円高”と2日続けて力強い上昇、かつ19日は久々に週末での高値引けで更に先高感を感じさせる終わり方をしている。9日から16日までの6営業日で1勝5敗、“1180.32円、6.58%”の下落と短期間で大幅調整していたところに、米FOMC開催後のイエレンFRB議長の発言が世界株市場に再び火をつけたためだ。

・NYダウは17日の“288.00ドル高”に続き、18日は“421.28ドル高”と今年最大の上昇幅を記録した。南欧諸国の財政危機問題に対応するために米欧日の主要6中央銀行が国際協調して一斉に大量資金供給に動いた11年11月30日の“490.05ドル高”以来の上昇幅であり、19日終値は「1万7804ドル80セント」と史上最高値にあと153.99ドルの水準へと一気に値を戻した。S&P500も「2070.65ポイント」と史上最高値「2075.37ポイント」に接近、NASDAQも年初来高値に近付いた。欧州株市場も英FTSE100が前週末比“3.88%上昇”と世界2番目の上昇率となるなど軒並み回復に転じている。ちなみに、先週の上昇率トップは年初来高値を連日更新して19日終値が「3108.596ポイント」と10年11月11日以来の3100ポイント台乗せとなった上海総合指数の“5.80%上昇”だ。

◆米国の利上げは少なくとも15年6月までないとの示唆、一方で再びドル高・円安へと向かう

・16、17日に開催された米FOMC(米連邦公開市場委員会)後の記者会見でのイエレンFRB議長の発言は、非常に絶妙な内容だった。ゼロ金利策の維持に関して「相当な期間」とう表現を削除するとの見方がもっぱらだったが、その予測を覆して残したのみならず、利上げ時期については「少なくとも向こう2回(15年1月、3月)のFOMCで始めるとは考えられない」とし、「金融政策を正常な状態に戻し始めるのを“忍耐強く待つ”」との文言を付け加えた。すなわち、米国の利上げは15年4月以降までないことを宣言したに等しく、現実にはイエレン議長の記者会見が予定されているFOMC開催は6、9月なので、早くても6月の実施となることを示唆したもので、マーケットは「時間的に充分猶予がある」と判断した。

・結果的に、このイエレン議長からの“一足早いクリスマスプレゼント”を受け、投資マネーの収縮懸念が和らいだ格好となって世界株市場の上昇に繋がった。一方で、利上げへの姿勢を示したことによって再びドル高へと向かっている。16日に115円/米ドル台まで進んでいた円高が反転、週末には再び119円/米ドル台への円安傾向となっており、日本株市場を大きく押し上げる要因となっている。

◆原油急落への不安が再燃しそうだが、経済対策も具体化しつつあり、先高期待は高まる方向

・今週は日本が23日に天皇誕生日の祝日となり、米欧はクリスマス休暇を迎えることから、海外投資家の活発な動きは控えられることになろう。また、18日に55ドル/バレル割れまで下落していたWTI原油先物価格は19日に56ドル/米ドル台に反発したものの、依然として予断を許さない状況にある。ロシア危機などが再びクローズアップされる可能性はあり得る。とはいえ、米国経済の順調、米国の利上げまでの猶予、円安進展、第3次安倍政権への期待など、日本株市場の先高感を支える要素は多い。『経済優先』を強調する安倍政権は、27日までに経済対策をまとめるとしており、予算規模として3.5兆円程度、エコカー減税の継続や住宅エコポイントの復活も議論されており、賃上げ促進や法人減税の具体化も見えつつある。今年も昨年同様に年末株高へと進む公算が大きそうだ。

(中島)

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