マーケットレポート

マーケットの視点

海外情勢で大きく振れる展開が続きそうだが、むしろ押し目買いを狙いたい

◆ギリシャ不安の台頭、原油価格の再急落で年末年始は欧米株、日本株市場とも大荒れの展開

・年末年始の相場は予想に反して大荒れとなった。14年末は「1万7450円77銭」と13年末比“1159.46円高”と03~06年の4年連続に続く3年連続上昇となったが、29、30日の2日間で“368.19円安”と9連騰で終えた1年前とは打って変わって尻すぼみで終わった。戦後初の3年連続して大納会を年初来高値で終えることへの期待もあったが、逆に、大納会としては10年以来、4年ぶりに下落して1年を閉じた。年明けも暴風雨は収まらず、6日に前日比“525.52円安”となるなど、6日まで4営業日続落で“935.77円、5.25%”の下落となり6日終値は「1万6883円19銭」と、12月17日以来の1万7000円割れ。その後は7~8日のNYダウの大幅持ち直しもあって、3連騰で先週末は「1万7197円73銭」と1万7000円台を回復して引けたが、先週末にNYダウが再び軟調に転じるなど、上値の重い展開が続きそうだ。

・欧米株市場は年末年始に乱高下の展開となった。NYダウは12月26日までの7連騰後、1月6日まで“682.07ドル、3.93%”下落した後、7日“212.88ドル高”、8日“323.35ドル高”となり8日終値は「1万7907ドル87セント」と再び一気に1万8000ドルに近付いたが、先週末の9日は“170.50ドル安”で終えた。NASDAQ総合指数、S&P500、欧州株市場もほぼ同様に乱高下する展開で終えている。

◆ギリシャ政治混迷、25日総選挙次第でEU離脱もあり、デフォルト懸念が強まる可能性も

・大荒れ相場となった背景は、ギリシャ不安と原油価格急落。ギリシャは国会での投票による大統領選出を12月に前倒しで行うことを決定し17、23、29日と3回実施したが、いずれも必要な得票数を得られず、バブリアヌス大統領は31日に国会を解散し総選挙を1月25日に行うとした。12日実施の世論調査によるギリシャの政党支持率は、EU主導の緊縮財政に反対する最大野党「急進左翼進歩連合」が31.5%と、現与党「中道右派・新民主主義党」の27%を上回り続けている。緊縮財政に反対する急進派左翼進歩連合が政権を奪取してEUに債務免除を要求し、EUが拒絶すればギリシャがEUを離脱する可能性が高まる。そうなれば、ギリシャがデフォルトに陥る確率は高く、金融市場に混乱を招くことになろう。9月頃まで5%台に落ち着いていたギリシャ国債(10年債利回り)は9%台まで急上昇している。ギリシャ問題はギリシャに留まらず、再びイタリア、スペインなど南欧問題まで発展しかねないだけに目が離せない。

◆ゴールドマン・サックスが原油価格見通しを大幅下方修正、原油価格の下落テンポが再加速

・WTI原油先物価格(2月物)は、年末にかけて一旦は53~54ドル/バレル程度で下げ渋ったが、年明けから再び下落歩調を強め、5日に前日比2.65ドル安、6日に同2.11ドル安と急落が続いた。6日終値は「47.93ドル/バレル」とついに50ドルを下回り、09年4月21日46.51ドル/バレル以来、5年8カ月ぶりの安値水準となった後、48ドル/バレル前後の推移が数日続いていた。しかし、12日にゴールドマン・サックスが原油価格見通しの大幅下方修正を発表したことで再び下落が加速した。

・ゴールドマン・サックスは、WTI原油価格見通しを15年73.75ドル/バレル→47.15ドル/バレル、16年80ドル/バレル→65ドル/バレルに大幅下方修正。40ドル/バレル近辺で推移し15年央に39ドル/バレルまで下落、年末には一旦は69ドル/バレルまで戻すが、供給過剰感が強まれば35ドル/バレルを下回ることもあり得るという厳しい見方で、いずれにしても原油価格の低迷は長引くと予想している。これを受けて、WTI原油先物価格は一時、45ドル/バレル台まで急落し、12日終値は2.29ドル安の「46.07ドル/バレル」で終わっている。原油価格の低迷が長引けば、改めて、ロシア経済や南米産油国経済への影響が多大なものになるという懸念が台頭し、金融市場を不安にさせている。

◆米雇用統計は引き続き良好な結果だったが、NYダウは先週末・週明けと大幅続落になった

・一方、年明けに最も注目されていた9日発表の米国の「12月の雇用統計」は、非農業部門雇用者数が市場予想の24万人増を上回る25.2万人増、失業率も5.7%を下回る5.6%と11月5.8%から0.2ポイント改善した。合わせて、10月を24.3万人増から26.1万人増、11月を32.1万人増から35.3万人増へと上方修正している。これで12月まで11カ月連続して非農業部門雇用者数が月間20万人超となったが、実に94年以来の最長記録で、米国経済の順調ぶりが改めて確認された。但し、内容的には、労働参加率が低下していることや、時間当たり平均賃金が低下し前月分も下方修正されるなど、質的な面ではまだ問題があることから、FRBが手放しで早期利上げに踏み切ることはないだろうという見方が一般的となっている。

・週明け12日のNYダウは先週末比96.53ドル安と大幅続落で始まった。原油価格急落でエネルギー関連株が売られたことに加えて、年末商戦が低調だったことでティファニーが業績見通しを下方修正、半導体メモリー大手のサンディスクも第4Q売上高を下方修正、ともに株価が14%程度の大幅下落となったことも地合いを悪くした。12日のアルコア発表を皮切りに14年10~12月期決算発表が本格化することへの警戒もあって軟調に推移した。アルコアの決算は予想を上回ったものの、今回の決算発表は年間決算発表でもあり、最終的には2月上旬まで決算発表が続くことから、様子見ムードが続きそうだ。

◆再び円高気味へと転換、様子見ムードが強い中、今週も海外情勢で大きく振れる展開へ

・米国株市場の続落と為替が円高気味に戻ったこともあって、週明けの日経平均株価は大幅下落して始まった。ギリシャの政治混迷を背景とする欧州不安の台頭、原油価格の急落が消費者物価指数を押し下げるとの見方から、米国長期金利(10年債利回り)が1.9%台まで下落したこともあり、再び117円/米ドル台後半まで円高気味に振れている。3月決算会社の14年10~12月期決算発表は19日の週から本格化することから、今週は様子見ムードの強い展開が続きそうだ。すなわち、為替含めて海外情勢に大きく左右されることになろう。しかし、国内景気は最も厳しい状況を通過して先行き好転へ期待が高まり、企業業績も想定レートから相当な円安で推移していることから、最終的に今期増額修正となる可能性は高い。従って動揺売りは禁物で、むしろ押し目買いのチャンスを狙うというスタンスで進みたいところだ。

(中島)

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