マーケットレポート

マーケットの視点

世界的に金融緩和競争の様相、株式市場の押し上げ効果は大きい

◆ECBの量的金融緩和策への期待は大きく、欧州株を中心に世界株市場は予想以上に好調な展開

・先週の世界株市場は欧州株市場が牽引する格好で予想外に強い展開となった。独DAX、英FTSE100、仏CAC40とも23日まで7営業日連騰を記録、独DAXは6営業日連続で史上最高値を更新、仏CAC40も23日に昨年来高値を更新した。米国株市場も、NYダウ、S&P500は23日こそ急反発の反動と決算関連で5営業日ぶりの下落となったが、22日まで4営業日連騰、NASDAQ総合指数は23日まで5営業日連騰となった。上海総合指数が19日に前週末比7.70%下落と大幅安となったために週間ベースでは同0.73%下落に止まったが23日まで4連騰となるなど、ほぼ全般的に上昇に転じた。

・日経平均株価も前週末比“647.59円高、3.84%上昇”と4週間ぶりの上昇に転じた。週明け早々は上海総合指数の急落に押されながらも前週末比“150.13円高”となり終値は「1万7014円29銭」と1万7000円台を回復、20日は前日比“352.01円高”と今年に入って最大の上げ幅かつ高値引けとなった。21日は大幅高の後と円安反転の一服で利益確定売りが優勢となり同“85.82円安”となったが、22、23日は欧米株市場の好調と再び円安気味に推移したことで連騰し、先週末の終値は「1万7511円75銭」と、昨年末の12月30日の「1万7450円77銭」を上回り、1万7500円台を回復して終えた。

◆予想を上回るECBの量的緩和策、一方で原油安を背景に年初来の世界的な利下げラッシュ

・先週の世界株市場の好調の背景は、ECBの量的金融緩和への期待と予想を上回る決定内容の発表、そして急落が続いた原油相場が一旦は落ち着いた展開となっているためだ。22日のECB理事会で欧州国債の大量買い入れによる資金供給を行うという、ユーロ導入後初めての量的金融緩和策の実施を決定した。具体的には、月間600億ユーロ(約8兆円)の規模で3月から当面16年9月まで1年半続けると発表した。購入対象はユーロ建て債券でECBへの出資比率に応じた購入比率とし、ギリシャなどの重債務国の国債購入は条件付き購入にするとした。ドラギECB総裁が2%近い物価上昇率の達成という目標を改めて強調したこと、原則として重債務国の国債購入を除いたこと、月間500億ドル程度という予想を上回る資金供給の規模がマーケットに大きく好感された。

・中国人民銀行は昨年11月に2年4カ月ぶりの利下げを実施したのに続き、22日に1年半ぶりの公開市場操作を行って500億元(約9500億円)の資金供給を実施した。また、原油価格の急落が物価を押し下げインフレ懸念が和らいでいることから、景気刺激のために年明けから世界的な利下げラッシュが続いている。年初来から22日までに政策金利を下げたのは9カ国にも及んでいる。世界的な金融緩和の流れを背景に、米国、欧州など主要国の長期金利は異常なほどの水準まで低下している。同時に“通貨安競争”の様相を呈しつつあり、結果的に、ユーロ安を背景にドイツの自動車、機械産業などの輸出拡大を先取りする格好で、独DAXは23日まで5営業日連続で史上最高値を更新した。

◆円安効果もあってわが国企業業績への期待も高まる。日本電産の業績が示唆する意味に注目

・異次元緩和策を実施し、更なる追加緩和策の実施も予測され始めた日本は、構造的に輸出が拡大することは期待し難いものの、円安によってグローバル企業の業績が押し上げられることは間違いない。24日の日経朝刊の決算観測記事でトヨタ、富士重の15年3月期業績が円安効果もあって更に上方修正されると報道されている。自動車メーカーに限らず、わが国企業の稼ぐ力の向上振りは著しい。米国好調と円安効果の寄与は大きいが、世界経済全般が減速している中での業績拡大となっている点に改めて注目したい。今後、世界経済が回復に転じて行けば、業績拡大に一層の弾みが増すことになろう。

・22日に決算発表した日本電産は、今期2度目の上方修正を行い増配も発表した。従来のHDD用モータに替わり車載用や家電・商用・産業用が新たな牽引役となって『第2の高度成長期』に入ると唱えていたが、永守社長が「この第3四半期が第2高度成長期への“分水嶺”となり、ここを起点に新たな成長期が始まることを確信した」と明言した。15年3月期売上高は初めて1兆円突破となるが、今後15年前後で今度は“10兆円”に達すると真顔で語った。「今は“ホラ”のように聞こえるだろうが、売上高600億円の時に1兆円目標を唱えて今期実現する。次の売上高10兆円も現実的な目標だ」と自信を持って語っている。

・日本電産の決算発表は3月決算の皮切りとなるが、同社が上方修正を行う時は電機全般に好調な決算発表となることが多い。HDD用モータの世界シェア8割など同社製品が産業用エレクトロニクス分野を広く支えているためで、同社業績に産業用エレクトのニクス分野の動向が反映されているためだ。しかし、今や電機のみならず自動車、家電、産業用など更に幅広い分野を支えるようになっており、同社の業績動向がわが国の主要な産業界を更に広く反映するような状況となりつつある。すなわち、同社業績がわが国の企業業績の先行指標的なものとしての度合いが一層強まりつつあると言える。今回、同社は今期2度目の上方修正を行ったが、なお強含みで今期の更なる上方修正が期待され、さらに来期は業績拡大が加速すると予想される。従って、今来期のわが国の企業業績への期待も高まる一方であり、日本株市場に対して強気の姿勢で臨む大きな根拠にもなると言えそうだ。

(中島)

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