マーケットレポート

マーケットの視点

好調な内容が多かった決算発表も一段落、日経平均株価2万円への再トライに向かうか

◆原油価格は上昇に転じ長期金利も上昇傾向、米国株市場は史上最高値更新の好調が続きそう

・日本のGW中に「米国の利上げ観測後退・企業業績悪化懸念→米ドル安・原油価格反転→ユーロ圏物価上昇期期待→ユーロ圏金利上昇→ユーロ高」の流れが急ピッチで進んだ。50ドル前後/バレルで下げ止まっていたWTI原油先物価格は4月中旬から上昇に転じ、5月5日に「60.40ドル/バレル」と14年12月10日以来、5カ月ぶりに60ドル/バレル台を回復した。ドイツの長期金利(10年債利回り)は3月9日のECBの量的緩和策スタートと同時に急落し、4月16日には0.1%を下回り20日には0.075%を記録、21日に0.1%台を回復し28日まで1%台で推移した後、29日0.285%、30日0.366と一気に反転して5月13日に0.724%まで急上昇している。長期間に亘って日本が主要国最低金利だったが2月以降はドイツが最低となった。しかし、長期金利は5月に入り欧米、日本とも上昇に転じ、5月4日に日独金利は再び逆転し日本が主要国最低金利となっている。

・ユーロ圏金利の急速な低下を反映してユーロも急落、対ドルは元々、原油価格と歩調を合わせるように昨年8月の1.4ユーロ/米ドルから一貫して下落が続き4月末にかけて1.0ユーロ/米ドル台までユーロ安が進み、対円も135円/ユーロ台から4月中旬に125円/台まで円高が急進した。しかし、その後はユーロ圏金利の急反転とともに5月15日には1.14ユーロ/米ドル、136円/ユーロまで戻している。

・このような劇的な変化の中で、欧州株式市場は総じて軟調な推移となり、先週末の15日時点で年初来高値から独DAXは7.5%、仏CAC40は5.2%、英FTSE100は2.0%の下落となっている。一方、米国株式市場は一進一退の動きを続け、S&P500は14、15日と史上最高値を更新し15日終値2122.73ポイント、NASDAQも15日終値5048.292ポイントと5000ポイント台をキープし史上最高値5092.85(4月24日)に近い水準、NYダウも15日終値18272ドル56セントとほぼ史上最高値18288ドル63セント(3月2日)に接近した水準となっており、今週は3市場揃って市場最高値を更新しそうだ。

◆決算発表は総じて好調、16.3期見通しは予想外に強く連続ピーク更新、株主還元期待も高まる

・4月28、29日の欧州株式市場の急落、29日に発表された米国の15年1~3月期実質GDP成長率が前期比年率0.2%増と14年1~3月期の同2.1%減以来の低い水準となったことを背景に、日経平均株価はGW中の4月30日に28日比538.94円安と急落した。連休明けの7日も1日比239.64円安と急落して始まったが、その後は比較的好調な決算発表に支えられて堅調な推移となっている。13日まで4営業日連騰、先週末も前日比162.68円高と大幅に戻して終えた。15日終値は1万9732円92銭と7日終値に比べて440.93円の上昇となった。週明けの18日も先週末の米国株高を受けて堅調なスタートとなっている。

・決算発表は総じて好調な内容だったと言える。終わった15.3期は2月の第3四半期決算発表時の予想を大きく上回り全産業ベースで7年振りに過去最高を更新した模様で、今16.3期に関しては経常利益で5~10%程度と予想外に強気な見通しとなり、連続ピーク更新が確実だ。利益構成比が最大である自動車業界が為替の影響に関して、125円/ユーロの想定で対ユーロでの円高や、米ドルに対する新興国通貨安の影響による減益要因を大きく見積もっていることなど、先行き増額余地は大きい。また、全般的に足下の国内消費低調を背景に国内販売を固めに見ている企業が多いことも増額余地として寄与しそうだ。

・また、株主還元に関して今期計画についても増配や自社株買いを発表する会社が注目を集めている。業績見通しに自信を深めている企業が多いことの表れであり、上場企業の配当と自社株買いを合わせた株主還元額は14兆円を超えて史上最高になると試算されている。しかし、なお慎重な発表に止まっている企業も多く、今期中に増配や自社株買いを発表することに対する期待が株式市場を支えることにもなろう。

(中島)

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