マーケットレポート

マーケットの視点

企業業績への安心感は高く、12連騰後でも堅調なマーケット展開が続きそう

◆業績見通しへの安心感、円安反転が支え史上3位の12連騰を記録したが過熱感は余りない

・日経平均株価の連騰記録は6月2日に12連騰で途絶えた。最長は高度成長期「岩戸景気」の61年1月11日までの14連騰、次が「資産バブル景気」の88年2月27日までの13連騰で、「朝鮮特需景気」の52年7月7日まで、53年1月19日まで、G5初の協調利下げによる世界同時株高の86年3月15日まで、と並ぶ史上3位の12連騰を記録。結局、5月はGW明け後に8~14日の4連騰も合わせ17営業日のうち15営業日の上昇を記録した。12連騰の割には“999.63円、5.1%”という緩やかな上昇が連騰記録に結びついたと言えそうだ。1日終値は「2万569円87銭」と00年4月12日「2万833円21銭」以来の高値水準となった。一方、2日の東証1部の騰落レシオ(25日移動平均)は109.18%とそれほどの過熱感はない。日経平均ベースの予想PERも16.57倍と依然として16倍台にとどまっている。

・連騰記録を実現した要因は、3月決算発表が終わり、いつになく企業業績見通しへの安心感が高まったことが大きい。会社予想の集計結果で16年3月期・経常伸び率が8%超の増益見通しとなったが、対ドルの円安効果が薄れ対ユーロや新興国通貨に対する円高デメリットがあり、人件費や設備投資や研究開発費の拡大による固定費増がある中で、全産業ベースで確実に2期連続ピーク更新となることは大きい。更に、足下の為替が対ドルで02年12月以来の125円台に円安が進み、対ユーロも3月中旬に127円前後まで円高が進んでいたのが一気に138円台まで再び円安に戻っていることも後押ししている。

◆予想通りに国内指標の好材料も目立ち、今後の業績連続ピーク更新記録が株価上昇を支えよう

・今週は米国で重要指標の発表が相次ぐことに加えて、3~4日にパリでOECD閣僚理事会議、5日にウィーンでOPEC総会、7~8日に独アルマウでG7首脳会議が開催される。更には、目下、最大の懸念材料であるギリシャ問題に関して5日にIMFへの3億ユーロの返済期限が到来する。米国の需要指標では、1日に発表された「5月のISM製造業景気指数」は52.8と市場予想の52.0を上回った。30カ月連続で50以上を記録している。内容は、雇用と新規受注が好転しており、米国経済の好調振りが確認されたのと同時に、5日発表予定の「5月の雇用統計」の良好な結果が期待される。再び米国の利上げ観測の議論が高まる可能性があり、結果的にドル高・円安を支えることになろう。

・1日発表の国内の「法人企業統計」も注目すべき内容だった。14年1~3月期の経常利益は13年10~12月期に次ぎ史上2番目の水準、設備投資も前年同期比7.3%増と14年4~6月期3.0%増、7~9月期の同5.5%増、10~12月期同2.8%増から加速している。企業が先行きの業績に自信を深め、前向きな投資行動が活発化しつつある。国内の設備投資に本格的に火が着けば、わが国景気が中長期的な回復サイクルに入ると同時に、円安定着も寄与し企業業績も好循環の上昇トレンドが期待されよう。また、2日に発表された「4月の毎月勤労統計調査(速報値)」によると、実質賃金指数が3月の前年同月比2.7%下落から4月が同0.1%上昇と13年4月以来の上昇に転じた。5月以降に関しても春闘の賃上げ効果が浸透することで上昇基調が続く見通しであり、今後の個人消費回復に弾みが増すことになりそうだ。

・日経平均株価はもはやITバブル時高値更新を射程圏に捉える好調な展開となっているが、今のところは高値波乱や急激な大幅調整に陥るような不安が感じられない。資産バブル崩壊後から長期デフレ経済という異常な状態を脱して、“正常な状態”に入りつつあるためだろう。海外要因に不安はあるものの、現在の安倍政権の経済政策運営への信頼感は厚く、日銀も当面はマーケットが好感する金融政策を継続することになる。企業業績の連続ピーク更新記録はリーマン・ショック直前に02~07年度に「6期連続増益・5期連続ピーク更新」を達成したが、今後、この記録に近付くことが株価上昇を大きく支えよう。

(中島)

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