マーケットレポート

マーケットの視点

海外要因での波乱があっても、日本企業への再評価が続き、先高期待は高い

◆穏やかな上昇が続いたこともあって過熱感はなく、海外波乱要因を乗り切って更なる上昇へ

・先週の日経平均株価は、2日に連騰記録が12連騰で途絶えた後も、2万500円を挟んで堅調な展開が続いた。週間ベースでは“102.25円安”と4週間ぶりの下落となったが、週末の5日は欧米株市場の急落と米国雇用統計の発表を控えていたこともあって100円前後の下落で推移していたのが、日銀のETF買いへの期待もあって午後2時過ぎから急速に値を戻し始め、結局、終値は前日比“27.29円安”に止まり「2万460円90銭」で引けた。5日の東証1部の騰落レシオ(25日移動平均)は109.77%、日経225ベースの今期予想PERは16.49倍と、依然として過熱感はない。

・1日としての前日比変動幅が5日まで9営業日連続で“100円未満”という穏やかなマーケット展開が続いた。自民党の逆転大勝となった第46回衆議院選挙(12年11月16日に衆院解散、12月4日に公示、16日に投開票)の時の12年11月29日~12月12日の10営業日連続以来の長さで、直近では14年7月2日~11日までの8営業日連続、同年8月22日~9月1日の7営業日連続を超える記録となった。12年の時は、安倍政権誕生とともにその後の急騰相場に繋がり、14年の時は、13年末に9連騰で「1万6291円31銭」の高値を付けた後に年明けは1万4000円台での調整局面が長引いていたのが、9月19日に「1万6321円17銭」をつけ、9カ月ぶりの13年末高値更新へと繋がった。今回も、海外要因による波乱展開を乗り切れば、更なる上昇に繋がる兆候として意識されよう。

◆米国の利上げ観測早期化、ギリシャ問題、原油市況の再下落など、海外要因の不安が高まる

・海外要因の不安が高まっている。5日に発表された米国の「5月の雇用統計」は非農業部門雇用者数が前月比28万人と市場予想の22万人を大幅に上回った。同時に3月を8.5万人から11.9万人に、4月を22.3万人から22.1万人に修正した。これを受けて、FRBの利上げが早期化するとの観測が強まり、米国の長期金利(10年債利回り)は一時「2.44%」と14年10月6日の2.44%以来の水準まで上昇、為替が「125.80円/米ドル」台と02年6月以来、13年ぶりの円安水準となった。FRBの利上げが本年9月にも実施されるとの見方が強まったことで、5日の米国株市場は続落して終えた。

・欧州ではギリシャ問題が大詰めを迎える。5日に予定されていたIMFへの3億ユーロの返済は先送りされることとなり、6月中に予定されていた合計4回分の15億ユーロを月末に一括して返済することになった。目先のデフォルトは回避されたが、金融支援を頼るしかないEUとの関係はギクシャクしたままで、厳しい状況に追い込まれていることに変わりはない。EUが示した妥協案に対するギリシャの反発姿勢が強いため、このままではEUのギリシャ支援の枠組みは6月末で期限切れとなり、現在凍結中の72億ユーロの融資はなくなる。その後、ECBに対する国債償還のために、7月20日、8月20日に各々約35億ユーロの支払いが迫って来る。いよいよギリシャ問題は正念場を迎えることになる。

・5日に開催されたOPEC総会で予想通りにOPECは原油生産枠維持を決定、ロシア、ブラジルが増産傾向にあり供給過剰感が強まる。再び原油市況が下落基調に転じることも金融市場に影響を与えそうだ。

◆国内指標への期待も高く、日本企業の変化を再評価する流れが日本株を押し上げる展開

・海外からの波乱要因で日本株も調整に陥る可能性があり得る。しかし、その一方で、日銀のETF買いなどへの期待や、米国の利上げ観測の早期化と欧米金利の反転上昇で円安傾向が強まるなどで業績面での不安は小さい。ROE志向の高まりやコーポレート・ガバナンスの強化、株主還元の充実など日本企業を再評価する要素は多い。また、今週発表の国内指標への期待も高い。日本株市場への先高期待は強く底堅い動きが続き、ITバブル時高値の更新はもちろん、更なる上値追いへと進むことになろう。

(中島)

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