マーケットレポート

マーケットの視点

日本株の底堅さが続く中、企業の設備投資計画の大幅増額で工作機械株に注目

◆先週は欧米、日本市場とも不安定な推移の中、日経平均株価は乱高下しながらも底堅く推移

・先週の欧米、日本の株式市場は不安定な動きが続いた。米国の利上げ早期化への懸念、欧州のギリシャ問題に一喜一憂される展開が続いた。日経平均株価は、9日に前日比“360.89円安”と急落、10日は前日の急落から大きく切り返して一時は後場早々に同“168.62円高”まで上昇していたが、黒田総裁の国会での為替発言で円高に急反転したことで動揺し一転して急反落、終値は同“49.94円安”と4営業日続落となり2万円の攻防となったが2万円台は持ち堪えた。2万円に近付いたところでの押し目買い意欲は強いという認識は高まり、11日は前日比“137.25円高”で寄り付いた後、終日じり高が続き、終値は同“336.61円高”の高値引けで終えた。週末は小幅な値動きの中で買い意欲の強さが感じられる展開となり、同“24.11円高”と小幅高を維持し「2万407円08銭」で引けた。週間ベースでは前週末比“53.82円安”と2週連続の下落となったものの、乱高下し不安定な動きとなった割には前週(同“102.25円安”)に続き小幅安に止まっており、依然として底堅いマーケット展開が続いていると言える。

◆10日の黒田発言で円高に急反転したが、今後の状況を勘案すると趨勢的な円安基調は続こう

・先週の10日、衆議院の財務金融委員会で黒田日銀総裁が民主党の鷲尾議員の質問に対し「最近の為替市場で(日米の)金融政策の方向性の違いが意識されているように見える」、「こうした金融政策の方向性の違いがすでに市場に織り込まれていれば、実際に米国が利上げしてもさらにドル高・円安になる必要はない」と述べ、為替相場の動きは経済のファンダメンタルズにそって「安定的に推移することが望ましい」と発言した。マーケットはこの発言内容に関して、“日銀はこれ以上の円安を望んでいない”と受け止め、一時は126円/米ドルに接近するまで円安が進み、この日も124円/米ドル台半ばで推移していたのが一気に2円もの円高となり122円/米ドル台半ばとなった。

・黒田発言の真意を推測すると、一気に126円/米ドル台に進みそうなほどの円安進行スピードが速過ぎると言う懸念、円安急進の背景にある“追加緩和期待”に対する牽制、などではないだろうか。必ずしも黒田総裁がこれ以上の円安を強く望まないということを意図した発言ではないと考えられる。今週18~19日に日銀金融政策決定会合が開催されるが、その後の記者会見での黒田総裁の発言に注目が集まる。ただ、米国が早ければ9月にも利上げに踏み切ることはもはや既定路線であり、わが国のCPIがなかなか上昇しない状況で日銀の異次元緩和が継続されることを考えれば、先行き一段の円安へと進む可能性の方が高いことは明らかだ。今回の発言を契機に125円/米ドルが壁として意識されることになりそうだが、大きく円高に戻ることは考え難く、むしろ先行きは再び徐々に円安傾向が強まると考える。

◆今週も日経平均株価は底堅い推移が続きそうで、先週の指標から設備投資関連に改めて注目

・今週の日経平均株価は、先週末の欧米株市場の急落を受けて寄り付きは前週末比“201.98円安”と大幅下落で始まった。しかし、その後はジリジリと切り替えし、引き続き底堅さが実感できる展開となっている。今週はまず16~17日に開催される米FOMCの内容に注目が集まる。イエレン議長から不用意な発言が飛び出すことはないと考えられるが、マーケットが神経質になっているだけに要注意である。今週も欧米、日本の株式市場とも不安定さが続きそうだが、その中で日本株は引き続き底堅い推移が続こう。

・先週の11日に発表された「法人企業景気予想調査(4~6月期)」の中で、15年度の設備投資計画に関して、製造業が1~3月期調査の「0.8%減」から今回は「15.7%増」へ大幅に上方修正され、改めて企業の前向きな姿勢が顕著になっていることが分かった。工作機械を中心に設備投資関連の今期業績への増額期待が高まり、来期の大幅続伸という方向性が見えつつある。工作機械株に改めて注目したい。

(中島)

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