マーケットレポート

マーケットの視点

2万円割れとなっても買い意欲強く堅調、ギリシャ問題が決裂しても短期収束の公算大

◆日経平均は1カ月ぶりの2万円割れとなったが、すかさず反転し改めて底堅さを確認

・先週の日経平均株価は4日続落で1カ月ぶりの2万円割れとなったが、週末に大幅に反発したことで堅調ぶりは確認出来た。欧州はギリシャ問題の紛糾で英FTSE100が17日まで4営業日続落するなど不安定な展開。17日の米FOMC後の記者会見でのイエレンFRB議長の発言を受けて、為替が18日に122円/米ドル台まで円高が進み、18日の日経平均株価は終日ジリ安歩調となり、終値は前日比“228.45円安”の「1万9990円82銭」と、5月18日終値「1万9890円27銭」以来の2万円の大台割れとなった。

・しかし、18日に欧米株市場が軒並み反発に転じた。欧州株市場では、英FTSE100が5営業日ぶりの上昇、独DAXが前日比“122.59ポイント高”と反発、米国株市場ではNYダウが“180.10ドル高”で5営業日ぶりに1万8000ドル台を回復、NASDAQは終値「5132.95ポイント」とほぼ1カ月ぶりに5月27日「5106.59ポイント」の史上最高値を更新、S&P500も「2121.24ポイント」と史上最高値「2130.82ポイント」に迫った。為替も黒田日銀総裁の国会発言に深い意図はないとの認識が広まったこともあって落ち着いた展開となり、週末の日経平均株価は、前日比“183.42円高”の「2万174円24銭」で引けた。2万円割れの後は、それまで休みない上昇が続いていたこともあり、利益確定売りに押されて下値不安が強まったが、1日で2万円台を回復し改めて堅調ぶりが確認された。

◆米国の利上げ開始時期の後ズレ観測で円高圧力が強まったが、国内指標は好調な結果発表続く

・先週最も注目された米FOMC後のイエレンFRB議長の記者会見では、利上げに関しては「年内が適切」としたが、開始時期については「向こう数カ月のデータを見た上で慎重に判断する」と慎重姿勢を強めた格好となった。米FOMCでの米景気認識はやや後退している模様だ。17人のメンバーの中で「年内に少なくとも1回は利上げする」と答えたのは3月のFOMC、今回とも同じ15人であり、この点、年内の利上げ実施はほぼ確定的である。しかし、9月に開始し年内2~3回の利上げとするメンバーは前回も今回も10人と同じだが、1回と答えたメンバーが前回1人から今回5人に増えた。従って、9月開始が有力との結果から、徐々に12月に先送りのムードに変わりつつあることが明らかになった。従って、今後は一気にドル高円安が急速に進むことはなく、一進一退の動きになりそうだ。

・一方、国内の経済指標は好調な結果の発表が続いている。17日発表の「5月の貿易収支(速報)」は2カ月連続の赤字だが、赤字幅は2160億円と前年同月の9172億円に対し4分の1まで縮小。輸入額は前年同月比8.7%減、輸出額は中国向け自動車が急落したにも拘わらず電子部品の増加などで同2.4%増と9カ月連続増加を続けている。19日発表の「5月の全国百貨店売上高」は前年同月比6.3%増と消費増税の反動増、インバウンド需要の好調で4月の同13.7%増に続き2カ月連続で高い伸びを記録。また、15日に内閣府が発表した「6月の月例経済報告」では、景気判断を据え置いたが、設備投資の判断を5月の「おおむね横ばいとなっている」から「このところ持ち直しの動きがみられる」へと上方修正した。

◆緊急ユーロ首脳会議が焦点だが、マーケットが動揺しても短期間で収束に向かう公算大

・今週も欧米、日本株市場は不安定な推移が続きそうだ。最大の焦点は現地時間の22日午後にブリュッセルで開催される緊急ユーロ首脳会議。ギリシャ問題の打開に向けて協議が続けられたが紛糾し、同会議で最終決断を下すことに委ねられた。金融支援に向けた合意が不成立に終わると、6月30日に期限となるIMFへの15億ユーロ返済が不可能となり、7月1日にギリシャはデフォルトに陥ることになる。そうなれば一旦は厳しいものの世界的な拡がりは考え難く、マーケットへの影響は短期間で収束しよう。何らかの解決策が打ち出されることになれば、当面の重石が取れて急反発に転じることになろう。

(中島)

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