マーケットレポート

マーケットの視点

ギリシャのデフォルトで大幅な円高・株安となるが、むしろ買いチャンスと捉えたい

◆ITバブル時高値を一気に更新したものの、ギリシャ債務問題が紛糾しマーケットは大揺れ

・先週はギリシャ債務問題にマーケットを大きく揺れた。週明けからユーロ財務相会議・首脳会議、EU首脳会議を経て同問題は解決に向かうとの楽観的な見方が広がり、世界の株式市場は急反発した。日経平均株価は24日まで4連騰し“877.21円高、4.39%上昇”、24日終値は「2万868円03円」とITバブル時高値の00年4月12日「2万833円21銭」を15年2カ月ぶりに更新し、96年12月5日「2万943円90銭」以来、18年7カ月ぶりの高値水準を記録した。ITバブル期高値以前の高値の節目は96年6月26日「2万2666円80銭」であり、今後の上昇過程の中ではこの水準が意識されるようになろう。

・ギリシャ債務問題に関して、先週後半以降は楽観的な見方が大きく崩れた。ギリシャ側の提案は依然として財政再建に向けた改革に程遠く、EUからの新提案に対してギリシャ側が拒否し紛糾。週末の最終交渉に望みを繋いだが、現地時間の27日にギリシャ・チプラス首相がEUの財政再建策の受け入れに対する国民投票を7月5日に実施すると表明した。これに対しユーロ圏財務相会議は、国民投票を拒否し6月末に到来する金融支援の期限延期というギリシャの要求を退けた。ギリシャは6月30日ギリギリまで交渉を粘るとしているが、30日にIMFへの15億ユーロの返済が出来ずデフォルトに陥ることが現実化する。EUは、既にギリシャのデフォルトを前提に、多大な金融混乱を避け影響の拡散を防ぐための準備に入っている。従って、ギリシャ債務問題が「デフォルト」という結論を迎えたとしても、世界の金融市場への影響はそれほど大きくはなく、ギリシャ国内での混乱も一定の範囲に抑えられることになりそうだ。

◆今週はギリシャ問題がクライマックスを迎える中で、「日銀短観」「米雇用統計」に注目

・今週は1日に「日銀短観(6月調査)」と米国の「6月にISM製造業景況指数」、3日に米国の「6月の雇用統計」が発表される。日銀短観は前回の3月調査で現状(3月)→先行き(6月)~「製造業12→10」、「非製造業19→17」と慎重な見方となっていた。しかし、現状(6月)に対する直前の民間調査機関23社予測集計では、製造業は「12」と横ばい、非製造業は「23」と上昇する見通しとなっており、企業マインドは向上していると予想されている。更に、6月調査で先行き(9月)が底堅い見方となっていれば、企業の前向きな姿勢を評価することが一段と日本株市場に安心感を与えることになろう。

・米国経済指標では、特に3日発表の「6月の雇用統計」に注目が集まる。6月5日発表の5月の結果が予想以上に強い数字となり米利上げ早期化へと傾いたが、17日の記者会見でイエレンFRB議長が慎重な発言をしたことで早期化観測は後退した。15年内に米利上げが実施されることは間違いない状況で、既に微妙なタイミングに入っていることから、経済指標等にマーケットが一喜一憂する展開は暫く続こう。

◆ギリシャ発の混乱は狭い範囲に止まり短期間で収束する公算が大きく、大幅下落は買い場に

・今週の日本株はギリシャのデフォルトに大きく揺れる展開となりそうだ。週明けの為替市場は、ギリシャのユーロ離脱への懸念もあって大幅なユーロ安となり、投資資金のリスク回避姿勢が強まることで円高が進むことになろう。欧州株式市場は急落し世界株式市場全般に厳しい展開になる可能性は高い。しかし、EUは“欧州”を守るために万全を尽くす体制で臨むはずで、ギリシャ発の混乱が出来る限り狭い範囲で短期間に収束するようにコントロールするはずである。一時的なショックでマーケットは厳しい状況になるが、株価調整はそれほど大きくはなく短期間で終了し、日本株は再上昇トレンドに回帰すると予想する。7月21日の週から15年4~6月期決算発表が始まる。想定以上の国内好転や円安推移などを背景に業績面の好材料が事前観測として伝わることも期待される。従って、ギリシャ問題がクライマックスを迎えることによって株価が大幅下落するようであれば、絶好の買いチャンスと捉えたい。

(中島)

今週の主要スケジュール

週間スケジュール
クリックして拡大


国内株取引のリスク
株価の変動、および為替の変動等(外国株式の場合)により損失が生じるおそれがあります。
国内株取引の手数料について
国内株の手数料は多岐に渡っているため、このスペースに表示するのが難しいため、詳細は国内株の「手数料とリスクについて」でご確認ください。
株式は、クーリング・オフの対象にはなりません
詳しくは手数料とリスクについてをご覧ください。