日本株マンスリーレポート

マーケットレポート

今週の見通し

'09.6.1 投資情報室

◆スケジュール面の注目点

・ 米国ISM5月の景況指数(製造業1日、非製造業3日):ISMが企業の購買担当者に対し行うアンケート調査で、景気との関連が強いうえ、製造業は翌月第1営業日に発表されるなど速報性も高いため、注目される景気指標のひとつ。とくに注目度の高い製造業は約350社が対象で、新規受注、生産、雇用、入荷遅延、在庫の5項目、非製造業は生産を除く4項目について増加、同じ、減少を回答し、ISMがそれを指数化する。その水準は50ラインが好不況の分かれ目とされる。製造業を見ると、08年9月にリーマンショックによって急落し、12月には32.9まで下げたが、その後は4月の40.1まで4カ月連続で回復し、5月もQUICKコンセンサス予測の中心値では41.7と上向いている。リーマンショック直後は需要の急減に生産調整が追い付かなかったが、年明け以降は徐々に調整効果が現れ、企業のセンチメントの上向きを物語っている。非製造業も方向としては上昇トレンドにある。日米で最近、景気の底打ち近しと思わせる指標が見られ、当指数もそのグループである。

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・ 米国5月の雇用統計(5日):これも原則として翌月第1金曜日発表と早く、注目度が高い。とくに、非農業部門雇用者数の前月比増減が事前予想と比べてどうだったかが株価等の材料になる。非農業雇用者数の最近の動きを見ると、まだマイナスながら09年1月をピークにその幅が小さくなっている。4月の減少幅縮小は10年の国勢調査を控えた政府部門の雇用増が主因だが、底打ち感があるのはたしかと言われる。

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◆マーケットの注目点

◆ 生産面に明るさが見られる中、自動車や電機の在庫調整、中国経済の今後の動きなどに焦点

・ 6月を迎えた。1日が再建計画提出期限とされていたGMはそれを待たず、連邦破産法11条申請の途を歩んでいる。今後は早期再建に向けた諸調整が焦点になろう。一方、先の米政府による資産査定のストレステストを受けた大手金融機関の資本増強計画策定期限は8日だが、各社とも増資などで自力増強を進めており、当面は問題ないようだ。4日のECB理事会及びBOE委員会などで検討される金融政策は、政策金利が日本0.10%、米国0~0.25%、ユーロ圏1.00%、英国0.50%と既にかなり低いため、金融面からの景気刺激策は限られ、各国・地域とも財政面からの対応が中心になっている。5月末で3月決算発表が一巡したが、4日に発表される法人企業統計調査はサプライズこそ小さいものの、09年1~3月期の業績大幅悪化や設備投資の抑制傾向を改めて印象付けよう。その中で3~4月以降、生産面で化学や鉄鋼などの減産緩和が伝えられる。それをもたらした自動車や電機の在庫調整の進展度合い、輸出を支えている中国経済の今後の動きなどが注目される。

今週の主な決算発表予定

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先週のマーケットの動き

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今週の主要スケジュール

今週のスケジュール
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マーケットの視点

◆暗雲が晴れる好転材料が続き、株式市場は基本的に“強基調”継続、日経平均株価は1万円越えを目指す展開へ

・ 先週の日経平均株価は、27、28日のザラ場高値で5月11日の年初来高値「9451円98銭」を連続更新、27日にはついに200日移動平均線を07年10月15日以来、実に1年7カ月ぶりに上回るなど、国内外で依然として不透明要素が多い中でもしっかりした動きで節目の9500円超えへのトライを続け、週末の29日には久々の高値引けとなり、「9522円50銭」と前週末比“296.69円高”、終値での年初来高値更新、08年11月5日「9521円24銭」、10月15日「9547円47銭」以来の9500円台を回復した。一方、三連休明けのNYダウも冴えない住宅関連指標の発表、長期債利回りの急上昇、大詰めのGM問題など、不安なニュースフローの中でも27日“173.47ドル安”を挟んで26日“196.17ドル高”、28日“103.78ドル高”、29日“96.53ドル高”と力強い上昇で前週末比“223.01ドル高”の「8500ドル33セント」と5月8日「8574ドル65セント」以来の8500ドル超えとなった。

・ 先週の日米の経済指標の発表は、景気底打ちを示唆する好材料が連続した。26日発表の米国の「5月の消費者信頼感指数」は6年ぶりの大幅な伸びとなり、27日発表の日本の「4月の貿易統計」は輸出額の減少幅が更に縮小、貿易収支は市場予測の▲550億円(赤字)を上回り+690億円と3カ月連続の黒字を達成した。米国向けは大底脱出からの回復の兆しが見え、中国の大型景気対策効果で中国、その他アジア向けが引き続き改善傾向にあるためで、当面は改善傾向が続く見通しとなっている。一方、29日に発表された「4月の鉱工業生産(速報)」も輸出復調に歩調を合わせるように、“前月比5.2%増”と1953年3月以来、56年振りという高い上昇率を示す急回復となり、しかも同時に発表された生産予測指数も5月が同8.8%増と前月予測の同6.1%増を上方修正、新たに発表された6月が同2.7%増と4カ月連続の増産となる見通し。4~6月で前期比9.9%増となり、8月中旬に発表される「09年4~6月期GDP」が5四半期ぶりのプラス成長に転じる可能性を一層高める内容となっている。なお、同じく29日に発表された「4月の完全失業率」5.0%と03年11月以来の5%台乗せとなったが、雇用関係はどうしても遅行的に悪化、改善するものであり、一段の悪化を食い止めるための大型景気対策が用意されていることもあり、そう悲観的になる必要はないだろう。

・ 今週の焦点は、まずはGM問題なのだが、独オペルの売却がカナダ・マグナム連合に決まったことや6月1日の連邦破産法11条申請など、既にGM再建に向けてのレール上を走り始めておりマーケットも織り込み済みで、むしろ米主要金融機関のストレステスト(資産査定)に続きマーケットの重石が一つずつ外れて行くことはプラス材料。1、3日の米国の「5月のISM製造業、非製造業景気指数」は前月からの好転が予想されており、4日に発表される国内の「1~3月期の法人企業統計」は設備投資や雇用統計などの遅行的な悪化指数はそれほど悲観的になる必要はなく、5日の米国の「5月の雇用統計」も一段の悪化が予想されるが前述した通りに米国の景気対策効果もこれからであり本来的には大きく悲観する必要はない。つれて、今週のマーケットは、先週から一転、上昇一服もあり得るところだが、むしろ強い基調を継続する可能性が高いと予想する。日経平均株価は次の節目である『1万円』超えを意識する展開になって来たと言えよう。根底には、このところの国際商品相場の大幅回復、新興国株式市場の上昇継続など、先進国における歴史的な低金利策の継続を背景とするカネ余り的な現象、過剰流動性相場の様相を呈しつつあるとも言えそうだ。商船三井の株価が4カ月ぶりに年初来高値を更新し海運、証券、不動産株の上昇はいつも相場反転のシグナルであり、村田製作所の株価上昇に勢いが増し電子部品株が反転上昇に転じる時は製造業の業況好転の始まりのシグナル、また10億株という大型増資を実施する東芝の株価が強い動きをみせていることは資金調達を成長に向けた前向きな企業活動と好評価していることの現われである。この流れでは、今週はともかく、遅くとも8月までには1万円の大台突破は間違いないと予想する。牽引役は総花的ではあるが『好業績なのに株価低調な企業』、『業績、経営スタンスが大幅好転する企業』など。対象企業の考察には、内藤証券マンスリー6月号の「特集」、「銘柄スクリーニング」を参考にして頂きたい。

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