日本株マンスリーレポート

マーケット羅針盤

マーケット羅針盤 内藤証券投資情報室

「09年度に過去最高益を更新する企業をスクリーニング~目立たないが、好内容の企業が多い」

2009年7月10日 投資情報室

“09年度経常二桁増益”と業績はピカイチなのに、PBR・PER・配当利回り等で割安感強い銘柄群のリスト

 世界の株式市場は全般に足下の実体経済の弱さに対する不安、先行きのV字回復に対する疑念で調整局面を迎えているが、その中にあって日本株市場は日経平均株価1万円達成後も比較的堅調な推移を続けてきた。しかし、バルチック海運指数や原油、金市況も急落、世界のリスクマネーがマーケットから引き上げ気味になって来ていることに加え、円高が再び進みかけていることもあり、電子部品受注回復、液晶・タッチパネルのテーマで株価浮揚感が出ていたエレクトロニクス関連、環境テーマで株価維持されていた自動車関連など、わが国の主力銘柄の株価が崩れ気味となり、株式市場全般に沈滞ムードが漂う流れとなっている。来週から本格化する日米企業の4~6月期決算の内容が明らかになれば、もう少し方向感が出てくるだろう。日本の10.3期第1四半期決算は7月27日の週が主要企業の発表ピークになる見通しで、足下の実態、先行きの見方が賑やかなニュースとなって流れることになろう。この3カ月で企業収益環境は極端に事態が変化した訳ではないので、基本的に上期は厳しいが下期に急回復するパターンは変わらないだろう。また、4月以降の予想外の操業度上昇で増額修正に踏み切る企業が出てきても不思議はない。

 ところで、改めて09年度の企業収益見通しを検証してみた。あくまで、会社側公表が前提で、会社公表がない場合は日経予想を代替している。東証一部上場1686社のうち、09年度の経常利益が増益となるのは3社に1社に相当する611社あり、しかも08、09年度と2年連続増益を達成するという今回の逆境を物ともしない企業は170社もある。また、業績急落で今期減配する企業が続出しているが、実際に減配を公表しているのが531社、維持が1008社、そしてこの時期に増配を公表した企業も147社ある。更に、電機、自動車の主要産業を中心に赤字転落企業が多いことも目立つが、09年度の営業・経常利益が過去最高を更新する企業が115社も存在する見通しにある。全体としては、過去最悪に近い業績に沈み込んではいるが、個別にみると大嵐の中でも"好業績"を実現する企業も多いことを再認識するべきだろう。7月9日にファーストリテイリングが09.8期の第2四半期決算を発表、09.8期通期を増額修正、8期ぶりに過去最高益を更新する見通しで、更に年間配当を従来計画よりさらに10円積み増し、160円にすると打ち出した。"ユニクロ"の好調ぶりは象徴的に伝えられていたので、それほどの意外感はなく株価は既に充分に織り込み済みのようでもある。しかし、改めて、09年度の『最高益更新企業』をスクリーニングしてみると、そのような企業は"ユニクロ"のようにあまり派手なニュースがないこともあり、株価の点では出遅れ気味となっていることも特徴だ。

あらかじめ決算期変更、合併や数値入手が困難な企業は対象から除き、スクリーニングの条件として、①09年度の営業利益、経常利益が過去最高更新となる、②09年度の経常利益が二桁増益予想、③09年度の最終利益が赤字予想の企業は除く、④無配企業は除く、とした。第1表は東証一部1686社を対象に絞り込んだ結果60社(最高益更新は115社)、第2表は東証二部454社対象の結果13社(最高益更新は28社)、第3表はジャスダック895社対象の結果35社(最高益更新は66社)が浮かび上がってきた。リストは、低PBR順に並べてある。また、「予想PERは10倍以下、予想配当利回りは2%以上」の項を色塗りしてあり、年初来高値で「3月10日以前の高値を更新していない」項を色塗りしてある。

 ここにピックアップした企業は業績の点ではピカイチであり、PBR、PER、配当利回り、年初来の株価ポジションで見て依然として割安のままという銘柄は多い。とりわけ、収益環境の雲行きが怪しくなっても安心して買える銘柄群でもある。別な言い方では"売る理由"のほとんどない銘柄群でもある。

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 一方で、よく見ると直近で急騰した"WNIウェザ(4825)"、"クラウディア(3607)"が含まれ、株価上昇が続く家電量販店の勝ち組"ケーズHD(8282)"とともに、前期の減益転落で直近株価がケーズHDに割 り負けしている"ヤマダ電(9831)"も入っている。外食業界で株価割安感が強過ぎる"ドトル日レス(3087)"、外食業界で群を抜く成長力を発揮する"トリドール(3397)"、中国を中心に海外市場開拓が軌道化し躍進する"ユニチャーム(8113)"、バリュエーションは高めだが二桁増収益が続き新事業も始まる"カカクコム(2371)"、食用油トップの実力派で今期経常37%増益の"日清オイリオ(2602)"など、内容に対する注目度は高いにも係らずに、株価トレンドがその価値を反映していない銘柄群のリストのようだ。これは、その内容が認識されれば急騰しそうな銘柄群でもあり、この宝の山からぜひ『出世株』を発掘したい。

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