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マーケット羅針盤

マーケット羅針盤 内藤証券投資情報室

「民主党新政権のマーケットインパクト」 … 日本の新時代が到来する予感、マニフェストの内容に再注目

2009年9月29日 投資情報室

世界に向けて"日本"の強烈なアピールに成功した民主党新政権

 民主党新政権が9月16日に誕生してから1週間、22日の「国連気候変動首脳会議」で第93代・鳩山新首相は華々しい外交デビューを飾った。日本が世界に向けて発信した"2020年までに温暖化ガスを90年比25%削減する中期目標"は極めてアピール度の高いインパクトを与えた。更に、途上国の地球温暖化対策に対して日本の資金と卓越した環境技術を積極的に援助する構想を『鳩山イニシアティブ』と称し高らかに打ち上げた。これほどまでに日本が世界を先導するリーダーシップを明確に表明したのは久しくなかったことだ。鳩山首相の後に行ったオバマ米大統領の演説が霞むほどの力強さだった。

 一方、初の首脳会談も上々の滑り出しを見せた。中国の胡錦濤国家主席とは"アジア新時代"を指向する「東アジア共同体」構想を提案、オバマ米大統領とは「日米同盟関係」の堅持を確認、世界経済の危機克服に向けて緊密に連携すること、"核兵器廃絶"に向けて協力し合いオバマ米大統領が提唱する「核のない世界」の実現を共に目指すことをアピールした。

 国際舞台の場で日本が注目を浴びたのは実に久々であり、日本が先進国を先導する役割を担う存在感となることを鮮明に示すことに成功したと言える。その一方で、前原国交相の八ツ場ダム問題への対処、各省庁の予算見直し推進など、国内でも新政権は既に活発な動きを見せている。国内外を通じて、自民党時代の日本の澱んだ空気が一掃されるような予感がする。まさに、民主党新政権の誕生とともに、わが国が新しい時代に向けて進み始めたことが実感出来る。

マニフェストの内容に再注目、逆風業種を含め評価不足企業は多い

 基本的には、民主党のマニフェストに則った動きである。第1表は、そのマニフェストの注目点を"成長戦略、環境対策、外交政策"に絞り株式市場に対してインパクトが大きい内容を集約したものである。要約すれば、『日本経済の最大の問題点でもある人口減少を克服する、日本が得意とする技術力を更に高めると同時にニューマーケットを創出する、中でも世界的に卓越した技術力を誇る地球環境対策を主軸とする、途上国・新興国支援を一層積極化し世界の緊張緩和に貢献することで順調な世界経済成長を促す』、となる。

 株式市場でのテーマになりそうなキーワードを第1表の中で太い青字でピックアップし、第2表では各テーマごとに注目される主な関連企業を並べてある。民主党新政権の誕生を見越して、既に相当な株価上昇となっている企業もあるが、今後、具体的なことが実現するにつれて業績貢献が予想以上に高まる可能性は充分に高いだろう。ここには洩れている高い技術力をもつ企業は日本には数多く存在するだろう。これらの中では、特に、環境関連のテーマは、今や先進国、新興国、途上国の中で、世界の一大潮流となっているテーマであり、今後、中長期に亘る息の長い成長市場を形成することになろう。その中にあって、この分野は、わが国企業が高シェアを誇る企業が多いだけにマーケットインパクトは大きいといえそうだ。また、鳩山新首相が提唱した「東アジア共同体構想」を中軸とするアジア地域での経済活動が一層、活発化することで、新興国における資本財、消費財のマーケットが高成長を遂げることになり、その恩恵を受けるのは電機・自動車、機械などの"旧来型グローバル企業"に止まらず、アジアを軸足にグローバル化を強烈に推進している、食品、小売、外食など"新型グローバル企業"などへの業容拡大効果も大きいだろう。現時点での株式市場では、そのような潜在的な成長力が株価に対して評価不足にある企業は多い。

表
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 更に、第1、2図は業種別の株価推移を見たものだが、とりわけ、環境対策の効果が環境コスト増を強いられることの連想に結びついたことで、鉄鋼、ガラス・土石(セメント)など素材産業の株価は低迷している。しかし、わが国の素材産業の技術力、生産力はグローバル業種の土台を支えているケースが多く、この点を評価する必要は充分にある。また、自民党予算の見直し強化、「金融機関の融資の返済猶予制度(モラトリアム)の早期導入」構想や、G20金融サミットの合意に基づく銀行の自己資本比率の規制強化の方向性を背景に、銀行、建設などは逆風に曝されている。しかし、G20金融サミットの合意の一つでもあるが、世界経済の不均衡是正のために日本、ドイツ、中国のような経常黒字国内需拡大策が要求され、民主党も内需拡大策へと大きく舵を切ることは間違いないだろう。そのことが、これらの業種に対して追い風となる点もいずれ注目されるだろう。(9/29 中島)

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