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【中国株レポート】上海実業(シャンハイインダストリアル、00363)

09.01.07

上海市政府系のコングロマリット

 上海市政府系のコングロマリット。タバコ、印刷、乳製品、スーパーマーケットといった消費財事業、高速道路・上下水道のインフラ事業、医薬品事業、不動産事業の4事業を主に展開し、08年6月中間期で純利益の部門別構成比は消費財事業32.2%、インフラ事業14.4%、医薬品事業10.4%(以上のディフェンシブな3事業が純利益の57.0%を占める)、不動産事業21.2%である。

 業績が景気動向に左右されにくい、ディフェンシブな性格の企業であるが、足元では不動産事業の寄与本格化が収益を大きく押し上げている。

不動産事業の寄与本格化が足元の業績を牽引

 08年6月中間期業績は、売上高が前年比61%増の62.9億香港ドル、純利益が同29%増の12.0億香港ドルとなり、好調であった。

 07年に買収した不動産事業が08年から収益に寄与、上半期には営業利益段階で利益増加額の78%を占め、収益を大きく押し上げた。高速道路、医薬品、消費財事業などの主力事業も概ね順調な伸びを達成した。

 下半期についても、業績は続伸基調を維持する見込みだ。同社が手がける上海の不動産プロジェクト「萬源城E街坊逸郡」(アーバン・クレイドル)の第2期分譲は11月22日に開始されると1週間もたたないうちにタウンハウスの6割、ビラの2割を販売して約6億元の売上高を計上し、上海市で08年の販売ランキングでトップクラスの不動産プロジェクトとなった。不動産市況の冷え込みにもかかわらず、上海市の中心部まで車で15分という立地の良さが強みとなったかたちだ。

 なお、高速道路、タバコ、その他の事業についても、順調に推移しているもようだ。

09年12月期も業績続伸へ

 09年12月期業績も続伸の見通しだ。堅調な業績が予想される背景は3つある。第1に、昨年買収した高速道路「滬杭高速公路・上海段」とホテル「上海四季酒店」(フォーシーズンズホテル・シャンハイ)が09年12月期の収益を大きく押し上げる見通しであること、第2に、医薬品事業と消費財事業のタバコ、印刷が安定した成長を維持できるとみられていること、第3に、不動産事業の収益寄与が08年12月期ほど大きな押上げ要因にはならないが、引き続き見込まれていること、などである。

 ちなみに、前述の「アーバン・クレイドル」プロジェクトで第3期分譲の予約販売が12月第1週から開始されており、好調なスタートを切った。200戸の予約販売の予定に対し、わずか1週間で既に62戸が売約済みとなり、1.3億元の販売を達成した。このところ悪化する不動産市況をてこ入れするため、上海市も相次いで不動産対策を実施しており、これが奏功して上海の不動産市場が底入れすると、同社の09年12月期以降の業績を大きく押し上げる可能性が出てくる。

低収益事業の売却で収益力は向上へ

 同社は不動産、医薬品、有料道路を中核事業と位置づけているとみられている。このため、収益性の低い非中核事業は売却される可能性が高く、これによって、同社は中長期的な収益力の向上を目指しているとみている。

 非中核事業としては、半導体の中芯国際集成電路製造(SMIC、00981)(08年6月末時点で出資比率10%)、小売の聯華超市(00980)(同21%)、乳製品メーカーの光明乳業股フン有限公司(光明乳業、同35%)が挙げられよう。とくに、光明乳業は中国で8月下旬に粉ミルクに毒物のメラミンが混入するという事件に巻き込まれ、08年12月期と09年12月期に赤字計上の可能性が高いと見られている。ただ、光明乳業と半導体のSMICは株価が低迷しており、株価面で打撃の少ない聯華超市が、まずは売却されると予想されている。

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