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【中国株レポート】一致薬業(イッチヤクギョウ、200028)

09.01.21

製造、販売を手がける総合医薬会社

 広東省深セン市を本拠とする医薬品会社。薬品の研究開発・生産、漢方薬・漢方原薬・バイオ薬品・健康品・医療器械の卸売販売などを手がける。製薬事業は子会社「深セン致君製薬有限公司」などによって展開されており、主力製品は咳止め内服液「聯邦止咳露」、セフェム系抗生物質、小児用解熱・咳止め内服液「健児清解液」、など。同社は筆頭株主「国薬控股股フン有限公司」の中国南部における医薬品販売と製造の重要な担い手である。08年6月中間期の売上構成は、医薬品卸売り85%、同製造9%、同小売5%。

 小売事業として、深セン市を中心に薬局「一致薬店」をチェーン展開していたが、昨年12月末に同事業の売却を決定、経営資源を製薬事業、卸売り事業に集中し競争力を高める方針。

医療改革で恩恵を受ける見込み

 国家発展改革委員会は08年10月14日に「医薬衛生体制改革の促進に関する意見(公聴案)」(以下「意見」)を発表した。「意見」から見る限り、中国政府は今後医薬品の生産、流通、販売のコントロールを強めていく方向にあると思われる。「意見」では、中央政府が「国家基本薬品リスト」を策定し、政府が入札を通じて基本薬品の生産者を指定する、あるいは、基本薬品を集中生産または購買し、直接配送することで、中間段階を削減する。生産段階のコストを配慮する上で、政府が基本薬品リストで統一した販売価格を合理的に策定し、生産供給を管理し、国民の基本薬品の利用を保障する。

 医療改革は医薬品業界を取り巻く環境を大きく変貌させると見られる。公的医療機関を中心に基本薬品の投与・処方の割合に対する規制や、基本薬品リストに採用される薬品への保険全適用、高還付率制度の導入も、基本薬品によって代替可能な高価格薬品の需要を減少させることになろう。医薬品の流通でも、直接配送などで中間段階を削減する方針であり、薬品の流通配送インフラを整備している地域の大手企業によって地域市場が独占されていく可能性大。同社の売上げの85%を占める医薬卸売り事業では、政府の各種政策が大企業に傾斜しているため、卸売り大手の同社にとってむしろメリットが大きいものと見られる。

08年1-9月期は2ケタ増収増益

 08年1-9月期の業績は、売上高が前年同期比19.5%増の60.9億元、純利益は同17.2%増の1.2億元と2ケタの増収増益となった(中国会計基準、未監査)。業績好調の要因は、製薬事業と販売事業の売り上げが共に2ケタの伸びとなり、特に製薬事業で抗生物質製品の売上げが約4割増に達したこと。

 抗生物質製品の原材料価格の上昇、粗利益の低い製品の割合の上昇などから1-9月期の粗利益率は8.9%と、前年同期より1.2ポイント低下したものの、広東・広西での販売事業の再編により、この二地域における在庫管理の効率が改善され、販売費率が同1.2ポイント低下、粗利益率の低下を下支えした。

 加えて、営業外収入の増加と税率の低下も増益に寄与した。1-9月期の営業外収入は政府補助金975万元、不動産売却益502万元などにより、同384.0%増の1,534万元を計上。また、法人税率の低下により、1-9月期の実効税率は18.75%と、前年同期より6.6ポイント低下した。

 一方、09年以降も同社の製薬事業と販売事業は引き続き好調に推移する見通し。製薬事業では、抗生物質の粗利益率は8.8\%(08年6月末)と過去最低水準にあるが、今後は医療改革の進行に伴う需要回復に伴い、採算改善が期待できる。また、今後は医療改革による医薬品の供給は、指定生産あるいは政府集中購買の形になる見通しで、いずれも同社のような医薬品の製造、販売を手がける地域大手にもっとも有利になると思われる。

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