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【中国株レポート】平安保険(ピンアンインシュランス、02318)

09.04.01

保険事業を中核とする総合金融グループ

 広東省を本拠とする中国の保険大手。生命、損害、医療、年金など各種保険サービスを提供する。生命保険、損害保険でともに国内大手。このほか、傘下に銀行、証券、資産管理などの専門子会社を持ち、幅広い金融サービスを手掛ける総合金融グループに成長している。いち早く外資の出資を受け入れた保険会社であり、匯豊控股有限公司(00005、HSBC)が実質大株主。欧州の大手金融グループであるフォルティス・グループに4.99%資本参加している。

 08年6月中間期の売上高全体でみると生命保険が75.0%を占め、主力事業となっている。これに損害保険17.6%、銀行5.2%、証券1.6%と続いている。

足元は大幅減益、ただし保険料収入は堅調

 08年1-9月期は売上高が前年同期比29.7%減の748億400万元、純利益が同89.2%減の16億1000万元で、大幅減益となった。主要収入源の元受保険料収入は同22.5%増の758億900万元と堅調を維持したものの、資本市場の市況悪化で投資損益が31億1400万元の赤字に転落し、大幅減益に繋がった。海外投資が悪化し、特にフォルティス・グループへの投資に対する157億元の減損計上が響いた。

 ただ、同社のソルベンシーマージン(保険金の支払い余力)は目安である200%を上回る水準を維持できるとみられ、支払い余力をもっている。08年通年では多額の投資損失にともない業績悪化は避けられないものの、すでに発表されている08年通年の保険料収入(中国会計基準)は前年比28.2%増の1291億2047万元に上っており、本業の保険業務は堅調を維持している。

海外では一部で悪材料の出尽くし感、国内では経営環境が好転見通し

 懸念材料としてフォルティス・グループを含む海外投資があげられる。同社への投資元本238億7400万元のうち、すでに6割以上を減損処理しているほか、これを除いた主な海外投資も08年9月末で90億元余り。金融危機は予断を許さないものの、悪材料の出尽くし感は一部でみられる。国内の株式市場も09年に入り落ち着きを取り戻しつつあり、3月時点では運用環境は08年よりも好転している。

堅調な保険料収入の伸びが中長期的な魅力に

 09年に入り、同社の保険料収入は順調に伸びている。1-2月の累計保険料収入は334億9386万元に上り、前年同期比37.1%増。伸び率は生保で最大手である中国人寿保険(02628)の12.6%を大きく上回る。2月単月では前年同月比63.5%増で中国人寿保険の同5.5%増を超える大きな伸びを記録している。

 主な要因として、第1に同業と比べて総じて良好な販売力があげられる。第2に同社の保険商品に対する高い評価で、国の品質検査機関が主催した「2005~2008年の品質優秀ブランド企業」に入選したほか、顧客満足度も同業1位。第3に積極的な営業戦略があげられる。業界全体が総じて守りに入っているなか、経営資源を投じて、人員など営業網の拡大、出遅れていた銀行保険(銀行を通じた販売、商品開発)の強化などを進めており、これらが奏功している。

 さらに最大の強みとして、ユニバーサル保険(貯蓄・保障両面の性格を持つ自由度の高い保険)があげられる。同商品の予定利回りは2月末で5%に達した。利下げ基調を背景に銀行預金の魅力が薄らぐなか、資産運用の選択肢として、人気を集めている。同社は同商品の取扱いを始めたパイオニアであるため、他社と異なり好相場が続いた06-07年に多くの支払準備金を積み立てたもよう。同業に比べて支払い余力が優れている。利下げ基調はこの先も続くと思われるが、優れた販売力などを活かして高い保険料収入の伸びを維持し、中長期的に株式市場の反転が見込まれる現状において、投資魅力が広がると思われる。

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