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【6月28日の中国本土市場】

2016.06.28 17:21

 主要指数はいずれも続伸した。上海市場は上海総合指数が前日比0.58%高の2912.55ポイント、A株指数が0.58%高の3048.61ポイント、B株指数が0.57%高の345.64ポイント。深セン市場はA株指数が1.21%高の2061.50ポイント、B株指数が0.66%高の1090.80ポイントだった。両市場の売買代金は前日に比べ約9%増加。概算で6329億元に達した。「滬股通」(香港経由の上海A株投資)は再び買い越しに転じ、買越額は2億6600万元だった。

 英国のEU(欧州連合)離脱を受けた世界的なリスクオフが続き、前日の米国株市場は大幅に続落。国際原油相場の調整も続いた。外部環境の悪化が本土の個人投資家のマインドを冷やし、前場の上海総合指数はマイナス圏での小動きに終始。それでも後場に入ると徐々に地合いが改善し、大引けにかけて上げ幅を拡大。4営業日ぶりに2900ポイントを回復して大引けした。李克強首相が夏季ダボス会議の挨拶で、英国要因による中国資本市場の急激な変動は容認しないと強調。これにより危機対応時の政策発動の観測が高まり、徐々に買い安心感が広がった。さらに中央政府による福建省での国家生態文明試験区設立の決定、重慶自由貿易区の新設に向けた期待感、「深港通」(深セン・香港ストック・コネクト)の正式発表は近いとの見通しなども支援材料になり、両市場の値上がり銘柄は約6割半に達した。

 「深港通」をめぐる思惑買いが証券セクターに入った。東興証券(601198.SS)が3.56%高、華泰証券'A'(601688.SS)が2.07%高、招商証券(600999.SS)が1.36%高、中信証券'A'(600030.SS)が1.56%高など、軒並み上昇。国家生態文明試験区の設立決定を手がかりに福建省の地場系銘柄や環境関連株が総じて堅調だった。福建龍馬環衛(603686.SS)が1.77%高、福建発展高速公路(600033.SS)が0.63%高、福建福能(600483.SS)が0.61%高。近く重慶自由貿易区の設立が発表されるとの観測が広がり、重慶燃気(600917.SS)が1.55%高、重慶路橋(600106.SS)が0.97%高など、地場系銘柄の一角が上昇した。一連の政策による貿易振興を織り込み、寧波港(601018.SS)が4.61%高、華貿国際物流(603128.SS)が1.37%高など、一部の海運・港湾株が堅調。昨日に続いて国有大手同士の再編観測を追い風に、宝鋼包装(601968.SS)と上海宝信ソフト'A'(600845.SS)がストップ高だった。

 一方で酒造株がさえず、老白干酒業(600559.SS)が2.26%安、杏花村汾酒【売付のみ】(600809.SS)が1.43%安、今世縁酒業(603369.SS)が0.46%安。紫金砿業'A'(601899.SS)が1.16%安、中金ゴールド(600489.SS)が0.69%安と、金鉱株の一角も下落。

 B株市場でも値上がり銘柄の方が多く、上海B株では地元政府系の銘柄が概ね堅調。上海中毅達(900906.SS)が4.30%高で上昇率1位になった。深センB株では深セン特力集団(200025.SZ)が引き続き好調で、本日も上昇率2位の7.28%高だった。(中国部・畦田)

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