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中国で期待される「ニューインフラ投資」

  1. 景気回復の追い風に
  2. 投資規模は拡大の見通し
  3. 関連銘柄に注目、新型肺炎ショックを受けて割安感も

景気回復の追い風に

 中国の1-3月期の実質GDPは前年同期比6.8%減だった。もっとも、国内は新型肺炎の沈静化に伴う需要やサプライチェーン、物流の回復により、海外に比べていち早く成長軌道に復帰する見通し。

 当局は金融緩和や積極的な財政出動等による景気下支えの姿勢を強調。だが、08年世界金融危機時の4兆元規模のような大型刺激策の副作用(不動産価格の高騰、過剰生産や環境汚染の問題など)を抑えるため、ニューインフラ(新基建)投資による景気回復を目指している。

「ニューインフラ投資」に関する当局の主な方針

 中国政府は5G通信網や工業インターネット(産業用IoT)、データ・センター、超高圧(UHV )送電網関連などをニューインフラと位置付け、今年の各会議で産業育成や投資・雇用拡大を強化する方針を示した。

中国の「ニューインフラ投資」は拡大の見通し

 現地報道によると、2020年のニューインフラ投資は5G通信網に3000億元弱、データ・センターに約1000億元、都市間鉄道・高速鉄道に約5000億元、UHV送電網に600億元強、AI(人工知能)に約350億元、充電スタンドに100億元の投資が見込まれる。

 ニューインフラ投資が今後、経済成長や雇用創出に重要な役割を果たす見通し。特に、19年の市場規模が4800億元に達した見込みの工業インターネット分野は、需要増加を背景に20年に255万人の新規雇用をもたらすと予想される。

各関連銘柄のコメント

中興通訊(00763

 高速モバイル通信網の建設を追い風、今年3月には中国移動(00941)の5G設備(第2期)を落札。落札シェアはファーウェイ(57.2%)に次ぐ28.7%。

上海宝信ソフト(900926

 ソフトウエア大手。親会社は鉄鋼最大手の宝山鋼鉄。鉄鋼や非鉄金属、都市交通、金融等の分野で、オートメーション化・情報化ソリューションを提供。

浪潮電子信息(000977

 中国のサーバー最大手。5G商用化やデータ・センターの利用拡大に伴うサーバーの需要増が見込め、国内シェアは一段と拡大する見通し。

国電南瑞(600406

 電力設備大手。親会社の送電最大手である国家電網公司は主要顧客。親会社によるUHV分野での巨額の投資計画が同社の収益増加に繋がろう。