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【5月31日の香港市場】
2019.05.31 17:30
主要指数はハンセン指数が3日続落し、前日比0.78％安の2万6901.09ポイント。中国企業指数（旧H株指数）は0.60％安の1万387.17ポイントと反落した。メインボードの売買代金は前日比で約10％増加し、概算で841億9700万HKドル。「港股通」（本土からの香港株投資）の買越額は上海経由が16億4800万元、深セン経由が4億5000万元にそれぞれ増加した（注文ベース：買注文と売約定の差）。
週末の香港株市場はリスク回避の売りに押された。前日の米国株市場の反発が支えになり、前場のハンセン、中国企業の両指数は前日終値を挟んだ底堅い動きだったが、後場で下げ幅を広げた。ハンセン指数の2万7000ポイント割れ（終値ベース）は今年1月17日以来。本日発表の5月のCFLP製造業PMIが市場予想を下回り、中国経済の先行き不透明感が高まった。さらにトランプ大統領がメキシコからの全輸入品に制裁関税を課す方針を明らかにし、米国発の通商摩擦激化、世界経済低迷の警戒感が重しになった。
香港の短期金利上昇を受け、地場系の不動産株が下落。九龍倉置業地産（01997.HK）が4.54％安、新鴻基地産（00016.HK）が4.31％安、恒基地産（00012.HK）が3.57％安、新世界発展（00017.HK）が2.36％安と、ハンセン指数構成銘柄の下落率上位に並んだ。通商摩擦激化による需要減少が織り込まれ、中国海洋石油（00883.HK）が2.14％安、中国石油天然気（00857.HK）が1.79％安、中国石油化工（00386.HK）が1.76％安と、三大石油株が反落。弱いPMIと通商摩擦が嫌気され、一部の輸出関連株が軟調だった。テレビを輸出するTCL電子（01070.HK）が3.17％安、液晶ディスプレイ大手の華顕光電（00334.HK）が3.17％安、パソコン大手の聯想集団（00992.HK）が3.02％安。貿易環境悪化を織り込み、招商局港口（00144.HK）が2.00％安、中遠海運能源運輸（01138.HK）が0.48％安など、港湾・海運株がさえない。
一方で金相場の先高観を受け、山東黄金（01787.HK）が5.54％高、招金砿業（01818.HK）が5.41％高、紫金砿業（02899.HK）が2.59％高など、金鉱株が堅調だった。マカオのカジノ大手が物色され、サンズチャイナ（01928.HK）がハンセン指数構成銘柄の上昇率1位となる1.86％高、銀河娯楽（00027.HK）が1.06％高。大型IT株のテンセント（00700.HK）に押し目買いが入り、0.49％高でハンセン指数を下支えした。中国がレアアースの対米輸出規制に踏み切るとの観測は続き、レアアース関連の星宇控股（02346.HK）が11.72％高、中国稀土（00769.HK）が4.68％高と買い進まれた。（投資調査部・畦田）
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